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コムチャン森の住人たち  作者: ぱめ
59/68

大五郎

 大五郎は危機的状況に陥っていた。


 誰もいないのである。


 幽霊の出そうな森の中にいながら、そこには何の動物も、どんな虫も、そしてなんと幽霊さえいなかったのである。


「けふん、けふん」と咳をしても誰もいなかった。


「俺様は天才だにゃん」と自慢をしても誰もいなかった。


「誰かいないのかにゃん?」と問いかけた時、ようやく自分が世界に1人きりだと気づいた。


「ふにゃーっ!?」と今さら慌てても誰もいなかった。


 すねて見せても、誰も見てくれる者はなかった。

 15年前からここには誰もいなかった。

 ちなみに大五郎は今、3歳である。


 誰もいないのをいいことに、大五郎はみんなの悪口を言いはじめた。


「ひょひはんはブスでバケモノで年増にゃん」


 ちょうどそこへ部屋の扉を開けてひょひはんが入って来た。

「大五郎ちゃん、ごはんよー」


「まぼろしだにゃん」

 大五郎は無視して悪口を続けた。

「こむにゃんはデブでマヌケで何の動物なのかはっきりしない……」


「ごはんだっての」

 ひょひはんは頬を膨らませてムッとした。


「コラは尖りすぎてて気持ち悪いだにゃん」

 大五郎は意地になった。

「勘三郎は誰だったかにゃん」


「で、あたしは?」


「ブスで年増でバケモノだにゃん」


 月まで飛んだ。


 月には月面人がいた。

「ようこそいらっしゃい」


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