表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
コムチャン森の住人たち  作者: ぱめ
49/68

ちびにゃんとチビちゃん

 東のほうから艶のある毛並みの黒猫のちびにゃんが歩いて来た。

 西のほうからはバサバサの黒いドブネズミのチビちゃんが歩いて来た。

 同じ名前をもつ違う動物同士の二匹は森の真ん中でばったり出会うとチビちゃんはちびにゃんが大きすぎて気づかずに足の間を通り過ぎて行こうとした。

 ちびにゃんはすぐにチビちゃんに気がつくと同時に手を出していた。


 ばしっ。


「キー! びっくりした!」

 チビちゃんは素早くちびにゃんの手を避けながら言った。


「ごきげんよう。こんにちは。失礼。私の手が勝手に動いてしまったようね」

 ちびにゃんはお上品に口に手を当てて言った。


「あらちびにゃんじゃないの。相変わらず美人な猫さんね。どう? さかってる?」


「ご心配なく。あたしはいつでもさかってる。わあう。あうー。あなたはどう? 増やしてる? ネズミ算式に」


「あんたの猫語はわかんないけど増やしてるわよ。それにあんたがいいやつだってことだけはわかるわ。キー」


「うっふぅ。あなたのネズミ語はわからないけどおめでとう。それにあなたが敵じゃないってことはわかってしまうの。あうー」


「キーッ」


「あうーわー」


 同じ名前をもつ違う動物同士の二匹は握手をするとちびにゃんはそのままチビちゃんの首の後ろを噛んでぶらんとぶら下げた。


 傍から見ればそんなことを繰り返す二匹は喧嘩をしているか食物連鎖をしているかにしか見えない。

 しかし同じ名前をもつ違う動物同士の彼女ら二匹にしかわからないものがその間にはあった。あるのだ。確かにあった。


 その証拠にちびにゃんは少しチビちゃんを噛んでみた。

 じゅわっと熱い何かが染み込んで来た。

「あら。美味しいわ」



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ