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コムチャン森の住人たち  作者: ぱめ
50/68

記念すべき第50話

 わんぱくの経営するゼロ磁場を利用した『お湯なし温泉』は今日も盛況だった。

 猿も鹿もタヌキもキツネも、こむも大五郎もコラもひょひはんも入りに来ていた。

 付近の町からは人間もやって来ていた。謎の哺乳類が切り盛りする謎の癒しスポットとして、知る人ぞ知る人気の穴場となっているらしい。


「お湯がないのになんでこんなに癒されるんだろう」

「熱くないから夏にもちょうどいいね」

「シャンプーしても体洗っても、お湯がないのに綺麗に洗い流せるのが不思議でいいよね」


 湯治客たちは口々にそう言って、満足そうだ。

 唯一の欠点はお湯がないのに全裸になるのが恥ずかしいことであるが、猿も鹿もタヌキもキツネもこむも大五郎もひょひはんも周りの動物がすべて全裸なのですぐに気にならなくなる。

 おじいちゃんもおじさんも、おばあちゃんもおばさんも、羞恥心が薄くなった世代の人間たちは生まれたままの姿を森の中でさらけ出した。


「コーラ、いかぁっスかあ~?」


 商売上手なわんぱくは、この雰囲気にもっとも合う飲み物が何かを知っていた。

 客たちはみんな揃って手を上げると、詮を抜きたての瓶コーラをぐいっとやった。誰に命令されたわけでもないのに手は腰に当てていた。


「あたしも入ってみよっかな」と言って、アカイ・ソラがやって来た。

 アカイ・ソラは現役ピチピチのセクシー女優である。


 たちまちおじいちゃんとおじさんたちが総立ちとなり、おばさんたちの顰蹙を買った。



 コムチャン森は今日もそこそこ平和である。

 何も変わらない。

 これが第50話であることなど、誰も気づいてはいなかった。


 どうでもよかったのである。



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