産まれたよ
ひょひはんが子供を4匹産んだ。
雄が3匹、雌が2匹だ。
ひょひはんは平均3~5匹の子を出産するので、まさしく平均的な数だと言える。
名前は読者から公募するとして、ひょひはんとわんぱくの夫婦は前足や後ろ足で赤ん坊を転がして可愛がった。
わんぱくが赤ちゃんをお腹の上で遊ばせていると、いけさんが部屋に入って来た。
いけさんは産まれたばかりの子供たちを見ると、顔を曇らせ、タバコを咥えた口で言った。
「なんてこった……」
「かわいいだろ?」
わんぱくはへらへらと顔をとろけさせながら自慢する。
「僕とひょひの子供たちなんだぜ?」
いけさんはしゃがみ込むと、わんぱくがお腹に乗せている赤ん坊に向かって聞いた。
「お前は何のために生きているんだ?」
赤ん坊は「ダア」と答えて笑った。
「そんなことまだ決めらんないよ!」
父親のわんぱくが弁護する。
「これからだよ! 大きくなってから!」
「お前さんは大きくなったらハムを食うようになる」
いけさんはわんぱくを無視して、深刻そうな顔で言った。
「罪作りなやつだ」
赤ちゃんは笑いながら「ダア!」と言った。
「よし。俺がお前を鍛えてやる」
そう言うと、いけさんは釣竿を取り出した。
「この針を咥えるんだ。さあ!」
わんぱくは激しく怒って、いけさんを家から追い出した。
追い出されたいけさんはとぼとぼ歩き、道の上で子猫のとらたんに出会った。
「よう、とらたん。少し大きくなったな。ぼちぼち俺を食うのかい?」
「ニャー」と、とらたんは答えた。
「みんな、わかってねえ。俺は間違ったことは言ってねえ。過酷な現実から目を逸らして平和な暮らしを守りたいからって……俺に対してあんまりな仕打ちだぜ」
その時、茂みの中から人間の若者が現れ、いけさんに声をかけた。
「梁山泊に入らないか? 一緒に権力者を打ち倒そう」
男は全身に九匹の竜の刺青を持ち、名を九紋竜史進と言った。『水滸伝』に登場する豪傑の1人であった。
「ニャー」と、とらたんが答えた。
いけさんもハムスター語で何か言った。




