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コムチャン森の住人たち  作者: ぱめ
37/68

うんこ

 うんこには名前がない。

 誰から産まれたどんな哺乳類のうんこかもわからなかった。

 うんこは海に憧れていた。

 あのキラキラとした光を浮かべる母の微笑みのような海に帰れたら、自分にも何か産まれて来た意味がわかるような気がしていた。

 フンコロガシが黙ってうんこを運んでくれた。海は目の前にあった。そこを通りかかった哺乳類に踏まれ、汚物扱いされた上にうんこは死んだ。

 無念はその場に取り憑いた。

 地縛霊となったうんこは、そこに小さな黄色い花を咲かせた。

 黄色い時のうんこのような、つまりはカレーみたいな色の花だった。

 可憐な哺乳類の少女がそれを見つけて、目を輝かせて呟いた。

「この花、美味しそう」

 そう言うなり少女は花を摘み、食べても大丈夫な花かどうかもネットで調べずに口に入れた。

 花には呪いがかかっていた。

 何が何でも無念を晴らしたかったうんこの怨念が籠っていた。

 汚物にしか見えないかもしれないけど実は食べてみたら美味しいんだぞという怨念に、少女はほっぺたが落ちそうな顔を笑わせた。

 少女はうっとりするように地面に頭をなすりつけて悶えると、少し歩いて行って、草むらにうんこをした。


 うんこ、転生。



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