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コムチャン森の住人たち  作者: ぱめ
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ラドン温泉にゴジラが入ってもいいかしら?

 ここだけの話だがコムチャン森は鳥取県と岡山県の境にある。

 そこを通る人間は1年に4人ぐらいしかいないし、お家に帰りついた人は誰もいないので、誰にも知られていない秘境だ。


 コムチャン森から(イノシシ)の足で30分ぐらい走り続けたところにラジウム泉で有名なミサッサー温泉がある。

 ラジウム泉といえばラドン温泉とも呼ばれる。

 ラドンといえば有名な古い怪獣映画である。

 そこへゴジラが入浴セットを片手にうきうきしながらやって来た。


「私なんかが、私なんかがラドン温泉に入ってもいいのかしら?」

 頬を赤らめ、ゴジラは露天風呂の入口に立ち、引き返そうとし、またくるりと前を向いた。

「いいわよね? 入っちゃえ。えい!」


 露天風呂には既にラドンが入っており、翼を洗っていた。


 ラドンは気さくに言った。

「ようこそ、我がラドン温泉へ」


 そこは川沿いに作られた露天風呂で、土手の上を通る人達から丸見えだった。


「やだ。女風呂なのに丸見え!?」


 ラドンはハッハッハと笑うと、突っ込んだ。

「我々怪獣は元々全裸じゃないですか」


「あら、ゴジラじゃないの。いらっしゃい」

 湯けむりの中からひょっこりと現れたひょひはんが言った。


 ひょひはんはコムチャン森の主と言ってもいい、メスの哺乳類である。


 ひょひはんはタオルを湯の中に浸けて、岩にもたれ、立派すぎるバストを天に向ける格好でくつろいでいた。


「あら、ひょひはんも来てたのね」

 ゴジラは化粧をまだ落としていない顔で微笑むと、たしなめた。

「あのね、ひょひはん。タオルは浴槽に浸けてはダメなのよ。これがマナー。たとえ怪獣仲間でもマナーはマナー」


「いいのよ」

 ひょひはんは表情ひとつ変えずに空を見上げて、言った。

「あたしはいいの」


 辺りに人間の姿はなかった。

 土手の上を藁簑(わらみの)を着た真っ赤で巨大な顔をしたゲゲゲの住人がジョギングしながら通って行った。


 ラドンはひょひはんから目をTVカメラに向けると、言った。

「よゐこは真似しちゃダメですよ」


「んもう。ひょひはんったらいけず! あたしは先に帰りますからねっ!」

 ゴジラはラドン温泉を堪能すると、町を破壊しに帰って行った。


「あたしもそろそろ帰ろっと」

 ひょひはんはタオルで股間をパンパンと打つと、コムチャン森へ帰って行った。



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