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空き城見つけたので大名を名乗ってみる ~イージーモードの大名インターン~  作者: 水饅頭
Ⅰ.空き城にはご注意を! 南羽後に湧いた新大名
33/91

#33 後詰、破りました。

(うま)の方より敵!見慣れぬ旗印に追洲流(おおすながし)有り!沼館の後詰です!」


 最悪のタイミングの敵後詰。しかも秀道を加えても敵の方が多い。


「敵!こちらへ向かって参ります!」

 迷い無い突撃。秀道じゃなくとも旗無しの橋本は周知の事実ってことか!


「弓構え!射程に捉え次第……」


「若造、お主の十八番(おはこ)の策は弄さぬのかの?」

 秀道が号令をかけようとした俺を止める。だが敵にも発見されて……策?


「お主の手勢は旗無しじゃろう?儂の旗を使(つこ)うが良いぞ」


 旗……?あっ!


「構え止め!秀道の部隊に混ざれ!隊で合流するのは後だ!」

 俺が部隊から少し離れていたため反応が鈍いが、部隊が一斉に秀道の部隊へ向かう。


 武器を構えずに他部隊へ突進する部隊とかどんな状況だよ。




「おお小野寺の後詰が……目の前を駆け抜けて……」

 西野の援軍は俺達が秀道の部隊の中へ飛び込んだ直後に城の方向へ走って向かっていた。


「じゃが若造、このままではならぬじゃろうて。気にもかけておらん西野の背に矢を放たねば、戸沢が危ういぞ?」

 あ……


「弓放て!号令を待たなくて良い!順次放て!」

 俺も慌てて懐からレーザー銃を取り出し構える。


 西野の部隊に弓が届き数人が倒れるのが視認、遠目にもわかるほどに動揺する。


 順次放たれる攻撃が矢の雨を形成していく。まだ動かない敵。


「各隊!この混乱に乗じて突っ込め!」

 混乱した部隊には突撃。ゲームで速攻したい時の定石だ。被害は出るが西野隊1000人を沼館城に向かわせるわけには行かないからな。


 結局芸の無い射撃からのチートヒーラーとレーザー持ちの突進かよ!遭遇戦でできるのってこれぐらいだろうけども!


「ひゃっはー!おーに姫だぞー!」

 遊ぶな。それにいくら何でもそれじゃあ威圧されるも何も……


「鬼姫じゃあ!逃げろ!」

 なんでこんな悪ふざけじみた声で威圧されてるんですかね……


「こんな所で死んでたまるか!俺は城に帰っッ!」

 フラグ回収ご愁傷様な事で……


「おりゃあぁぁ!」

 こいつ適当に薙刀振り回してるだけだろ。馬に乗ってるときよりは効果がありそうだ。


 ととそんなよそ見している場合じゃないな。撃てそうな敵を探して……撃つ!


「なんじゃあ!ありゃあ!」


「『雷神』じゃ!雷神橋本が居るぞ!」


「慄くでないぞ!天運は我等に有る!こやつらを蹴散らし若殿を救うっッ!?」

 敵将、恐らくは道俊がレーザーに狙撃され落馬し敵陣に再び動揺が走る。馬鹿め、他に騎兵が居ないのに大声で鼓舞しながら馬にまたがって前線に出てきたらただの射撃目標だ。


 まぁこの時代にそこまで精密射撃ができるとも普通は思わないだろうけどな。


「西野道俊討ち取った!この戦い、勝ったぞ!」

 いや実際に討ち取ったかどうかは知らない。けどそういう事にすれば敵軍の士気はだだ下がり、味方士気上昇でいいことずくめだ。


「我に続けー!抗う者は覚悟めされよ!」

 成武の怒号を合図に敵が逃げ始める。


 まぁそりゃ大将が少なくとも重症、目の前には味方旗を掲げた鬼姫と雷神整備士となれば三十六計逃げるに如かず。俺だって逆の立場だったら逃げる。


「いやっほーい!勝ったよお!こーたー!」

 馬鹿の悠香が叫ぶ。ほんと、人って性格一つでなんもかもぶち壊しにできるんだなぁ……




「被害状況報告せよ!」


「はっ!幾つかの槍小隊が損害を受けております。主に練度の低い者に被害が集まったようでございます」

 成武によると、各大隊で小隊がまるまる犠牲になったり一部が戦死したりしているそうだ。

 だが被害は軽微、戦死者は30人程にとどまりまだ350人強が残っているし、そこに500人の秀道の部隊が加わった。


 それだけでもこの後の作戦には十分な兵力がそろった上に壊滅した西野隊の残党がここで俺達と戦った事を伝えてくれるだろう。ここで俺達と会敵したとなれば俺達は西野隊を抑えるためにここに居たということになって本来の目的を隠せる。


 さらに秀道離反の報も伝わればなお良い。小野寺一門の秀道が敵方に寝返ったとなれば城内にも大きな影響があるだろう。


「分かった。予定通り城に見つからないように東へ行くぞ!傷兵は悠香の近くに行け!しばらくしたら治るはずだ!」

 今更気が付いた悠香の有効利用法。ゲームの治療者よろしく一定範囲内に傷兵を置いとけば勝手に治してくれるからこれを使わない手はないだろう。


「はっ!」

 あちこちで東へ向かえの号令が飛び、目的地への進軍を再開する。


 また匍匐前進で……




 城の東側へ出て義道の部隊が出てくるまで待つ事二時間。盛安の部隊だろう兵が僅かに見えているが向こうも待ちくたびれている頃だろう。日も傾きかけているがまだ我慢。


 秀道によれば秀道が出てきたときには既に徹底抗戦派と退却派に分かれていたらしいのでそう時間はかからない筈だ。道為に見破られていなければ……だが。


「東門が開きました!義道が出てきます!」

 来た!待った甲斐があった!


「もう少しひきつけ……今だ!弓隊放て!義道を捕らえろ!」


「うおぉぉぉ!!」

 鬨の声を上げながら義道目がけて一直線の橋本軍。


「かかれ!この機を逃すな!」

 反対側から少し遅れて戸沢軍が襲い掛かる。盛安だろうか?事前に作戦を伝えたのは戸沢家中では盛安しか居ないし、あいつなら自分で戦いたがるだろう。


 さて、また威圧をかけますか……すぅ


「雷神整備士!見参!義道覚悟ぉ!」

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