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きみと私の放課後  作者: はる
双子と彩
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ウォークラリーのため息・5

 彩さんを見送った後、すぐに体育館の横の扉が開いた。

 扉の向こうには部長が立っていた。


「……ちゃんと反省したか」


「はい!」


 俺は立ち上がって、直立不動で部長に向き合った。


「今日は生意気言ってすみませんでした! それから、部活に出させてもらったのに苛ついて態度悪くてすみませんでした! めっちゃ反省しました! これからは心を入れ替えて誠心誠意練習に打ち込みます!」


 部長はじっと俺の顔を見た。

 ……様子をうかがっているのか?

 俺も部長の視線を正面から受け、同じ視線を返した。


「……分かったんならええ。練習に戻れ」


「ありがとうございます!」


 俺が部長の横を通り抜け体育館に戻ろうとした瞬間、部長が俺に声をかけた。


「いつも彩のこと見とってくれてありがとう。でも彩は渡さんから。そこだけは譲れんから、覚えといてくれ」


 一瞬、立ち止まって部長を見る。

 部長は真剣な表情をしている。……いや、これはいつもか?

 でも、このいつも通りの真面目な顔に、ぐっと胸が熱くなる。

 この人はちゃんと『ある』と思っている。

 誰にも知られずに、俺にも知られずに葬り去られるはずだった気持ちが、ちゃんと生きて目の前にあるのだと思っている。

 知られたくなかったし、その必要もないと思っていたのに……

 それなのに、それがあると信じて、真剣に警戒してけん制しているこの人の存在が無性にうれしくなった。

 その気持ちがあることを許してくれる、認めてくれる人がここにいる。

 俺はニッと笑った。


「もちろんです。でも先のことなんか誰にも分かりませんからね。誰にでも可能性はある。だからおもろいんですもんね?」


 この後部長に何か言われる前に、俺は超特急で体育館の中へ走った。

 別に宣戦布告をするつもりなんかはない。彩さんの表情を見ていれば分かることだ。最初から決着はついている。

 でもそんなこと、俺から言うなんておもしろくないじゃないか。

 少なくとも彩さんはいつも俺に食い物をくれる。きっと部長がやめろって言ったって、あの人はくれるんだ。

 それは俺だけの特権だった。(彼方は除く)


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