表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕が言うのも何ですが、勇者が魔王の子を育てて大丈夫ですか?  作者: 日昇
第1章 幼少期

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

40/47

40 僕の執事が魔族なのに人族の生活を楽しんでいるのですが、大丈夫ですか?

王宮に戻ると、アーサーはデイヴィス家に戻ることとなった。

「カイン、また来る。今度は母様とレアを連れてくる。それまで、国王の言うことをよく聞くんだぞ。それから、王宮の侍女たちに迷惑かけないように。それから・・・」

「お父様、僕は大丈夫ですから、早く行ってください」

「そういうなよ。カインはしっかりしているが、親としては心配なんだぞ」

「僕は大丈夫ですよ。なにせ、全属性の魔法を使えるのですから」

「おいおい、あまりそういうことを言うなよ」

「わかってます。これでも、寂しく思っているんですよ」

「だったら、もっと顔に出せよ」

アーサーはそう言って、ため息をつきながら、カインを抱きしめた。

「カイン、王宮であっても気をつけろ。何か異変を感じたらすぐに国王に報告しろ。いいな、くれぐれも自分で解決しようとするなよ」

「はい、わかりました」

「ダリア王女殿下、よろしくお願いいたします」

「えぇ、お気をつけてお帰り下さい」

「マリー、カインのことを頼むぞ」

「はい、お任せください。アーサー様」

アーサーは少し不安な顔をしつつ、カインとダリアに見送られながら、デイヴィス領へと戻っていった。

アーサーを見送るとダリアは早々と王宮の中に入っていった。ルーシーもダリアの機嫌の悪さを察知し、カインとマリーにペコペコ頭を下げながら、ダリアの後を追いかけた。

「マリー、将来、あの王女殿下にこの国を任せて大丈夫だと思うか?」

「カイン様、そんなことを言うもんじゃありませんよ」

「だから、小声で話しているんだろ?感情を表に出すようでは、まだまだだと思うんだよね」

「そうですね・・・カイン様は大人ですね・・・でも、アベル様がそばにいれば大丈夫ではないかと思いますが」

「たしかにそうだね。お兄様がいれば問題ないか。お兄様・・・頑張ってください」

ダリアが機嫌を損ねている原因を考えることもなく、スチアート王国の未来のために、カインは心苦しく思いながらも、アベルが犠牲となり、ダリアと結ばれることを願っていた。




「カイン様ー!」

明るく元気に勢いよくカインに飛びついてきたのは、アイビーだった。

「ずるいです。カイン様、お姉様とスチアート学院に行ったのですよね?」

カインは丁重にアイビーの手を離しながら、説明した。

「ダリアはお兄様の婚約者ですからね。僕はお兄様の授業を見たかったですし」

アイビーは疑いの目でカインを見ていた。

「どうしたのですか?」

「・・・お姉様と何かありましたか?」

「何かって・・・何が?」

アイビーは口をもごもごさせながら、ぼそぼそ何かを言っていたが、カインは理解できなかった。

「アイビーが何を言っているのかはわからないですが、ダリアとは何もありませんでしたよ。お兄様のクラスには僕とお父様しか行かなかったですし」

「そうですか・・・」

「何か気になることがあるのですか?」

アイビーはカインに言うべきか悩んでいるようだったが、ダリアがスチアート学院から帰って来た時の様子を話してきた。

「お姉様がスチアート学院から帰って来た後に、お姉様に学院のお話を聞こうと部屋を訪ねたのですが、『今日は疲れたから、ごめん』といって、お話してくれなかったのです」

なぜアイビーが心配そうな顔で話しているのか、その話を聞いただけではカインにはわからなかった。

「いつもダリアってそんな感じではないですか?」

「いいえ、お姉様はどんなに疲れていても、私が聞きたいと言えば、話を話してくれるのです。でも、今日は違ったのです。私に対する視線というか・・・勘違いかもしれませんが、冷たくあしらうように見えたのです」

(僕はいつもその視線を浴びているのだが)

カインはダリアがアイビーにそのような態度を取る要因を考えていた。カインはあることを思い出した。

「・・・そういえば、僕とお父様がダリアを迎えに行く前に、ダリアはお兄様と会ったそうです。きっとその時に何かあったのかもしれません・・・お兄様がダリアに変なことは言わないとは思いますが、その時に二人の間で何かが・・・」

アイビーは潤んだ瞳でカインに何かを訴えてた。

(これは・・・僕に聞いてこいということか)

「わかりました・・・僕がダリアに聞いてみますよ」

カインは大きなため息をつきながら、ダリアに話を聞くことを承諾した。

「カイン様、ありがとうございます!」

アイビーは目を輝かせながら、もう一度カインに抱きついた。




次の日、カインは朝食をとり、部屋に戻った後、セヴァスを呼び出した。

「なるほど・・・それで、私にレデイの部屋へ侵入させ、原因を探るために、盗み聞きをさせようと」

「レデイって・・・セヴァス、仮にも魔族だろう?いつの間に男女の別を気にするようになったんだよ」

「そうですね。最近は、人族の生活に慣れてきたのでしょうか。魔族の食事はあまり美味しいものがありませんでしたので・・・最近では、ケーキという菓子にはまっています」

セヴァスは自由自在に人の影に潜み、移動することができる。カインを主と定めているため、カインがどこにいても、カインのいる場所を特定することができる。そのため、カインに危険が迫れば、一秒もたたずして、カインのもとに行くことが可能である。

「別に外で楽しむのは構わないけど、魔族とはばれないようにしてくれよ」

「大丈夫です。カイン坊ちゃまから偽証魔法をかけられていますので、万が一でも私が魔族だとは誰も気がつきませんよ」

カインはセヴァス偽証魔法をかけ、魔族特有の赤い瞳を青い瞳に見えるようにした。

「やはりカイン坊ちゃまはすごいお方ですね。防御結界魔法に偽証魔法・・・魔族でも複数の魔法を使える者はいませんから」

「そうだよな・・・自分の力が怖ろしいよ」

自分がなぜこれほどの魔力をもち、全属性のあらゆる魔法を使えるのか。

カインは類まれなる才能にある意味恐怖を感じていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ