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僕が言うのも何ですが、勇者が魔王の子を育てて大丈夫ですか?  作者: 日昇
第1章 幼少期

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12 幼馴染が添い寝していますが、大丈夫ですか?

カインの幼馴染アイラは男爵バシャン・グリフィスの三女でカインと同じ歳の五歳である。

グリフィス家は遠い昔は平民だったが、先代の勇者が魔王と戦った際に、命と引き換えに国を守ったため、男爵の爵位が与えられた。そのため、長年、グリフィス家の子孫は貴族ではあるが、上位属性の魔法は使うことができなかった。


バシャンとアーサーは同じ歳で、王立スチアート学院に通っていた時代の悪友でもある。

そのため、お互いに家族ができた今でも家族ぐるみで仲良しだった。

カインのお披露目兼誕生日パーティーは伯爵以上の上位貴族しか参加できなかったため、グリフィス家はデイヴィス家が王宮から戻ってきて、個人的にお祝いする予定であった。

そんな時にカインが魔族に連れ去られた情報が入り、急遽誕生日パーティーは中止となっていた。

カインが無事に戻って来たとの情報を聞き、アイラは居ても立っても居られず、バシャンを引っ張りながら、無理やりデイヴィス家へと向かったのであった。




「カイン、身体は大丈夫なの?」

「もう大丈夫だよ。少し疲れているけど」

「そしたら私が寝かせてあげるから」

「いいよ」

同じ歳だがアイラの誕生日が早いため、アイラはいつもお姉さんのように振舞っていた。

「ほら、早く」

そう言ってアイラも布団に入り、カインの隣で添い寝してきた。

(アイラって、お姉様とそっくりなんだよな・・・)

アイラもレアと似ていてカインに対する好意を一切隠すことはない。


カインは公爵家、アイラは男爵家。身分の違いがあるため、カインとアイラが将来婚姻関係になることは難しい。親同士は将来カインとアイラが一緒になることを願ってはいるが、デイヴィス家は王族に次ぐ地位を得ている。そう簡単な話ではない。五歳のカインとアイラはまだ理解できる年齢ではなかった。アイラにとっては出会った時からカインが全てであった。アイラはカインとずっと一緒にいられると思っている。カインもアイラ相手だと取り繕うこともない。自然体でいられるため比較的居心地よく感じていた。


アイラの隣で寝ていたカインは心地よい空気を感じていた。

グリフィス家に嫁ぐ女性も平民出身だった。しかし、バシャンと結婚したのは貴族の血筋の男爵家の娘だった。そのため、アイラは母親の血を継ぎ、上位属性嵐の持ち主だった。


温かく寝心地の良い空気をカインの周りに作り出していた。

寝かしつけていたはずのアイラもカインと一緒に眠ってしまった。


「カイン坊ちゃまも隅におけませんね」

セヴァスはカインとアイラの寝顔を見ながら、頬を緩ませていた。

「うらやましいです・・・」

「???」

「いえ、何でもありません」

マリーは少し頬を赤く染めながら、ティーカップを片付けはじめた。

(これは将来が楽しみですね。長生きしなくては)

子供どころか家族すらいないセヴァスにとっては、カインは孫のような存在で、愛おしく感じ、初めて抱く感情に喜ばしく思っていた。




「アーサー、無事でよかった」

「国王、心配おかけしました。カインも私も無事です」

勇者パーティーの者たちは魔王城で何があったのか、全てを国王に話した。


「カインは知ってしまったのか。自分が魔王ベザレルの子だと。それにしても・・・炎属性と聖属性・・・カインはおそらく闇属性も持っているはずだ。となると・・・アーサー」

「はい。魔族の者たちもカインの力を把握したはずです。再びカインをさらいに来るのは時間の問題でしょう」

「私からも護衛を出すからもう一度カインの属性を調べてくるといい。ひょっとしたら・・・」

ダタンはある可能性を考えていた。アーサーも同じ考えだった。

「それともう一つ・・・カインを・・・アイビーの婚約者にしようと思っているのだが」

「えっ?しかし、すでにアベルがダリア第一王女の婚約者となっているではありませんか?」

「まぁ、そうなんだが。アイビーは第二王女だがらどこに嫁いでも構わないのだが、アイビーがカインのことを気に入ったようで。女王に『カイン様と結婚したい』と言ったそうだ。アイビーはカインの一つ上だが、常に笑顔で優しいいい子だ。どこの馬の骨だかわからないやつに嫁ぐより、アーサーの子なら問題ない」

「いやいや、問題ありますよ。本気で言っているのですか?カインは魔王ベザレルの子ですよ」

「ん?お前の息子ではないのか?」

国王の一言がアーサーの胸に刺さった。

「そうですよね・・・カインは私の子です!」

アーサーはダタンに良い返事をしようと思ったが、今度は別の人物の顔が浮かんだ。

(あ・・・バシャンが・・・)

アーサーは国王に、男爵バシャン・グリフィスの娘アイラとカインの関係を話しざる負えなくなった。

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