第7話 作っちゃってくださいな!
俺は今、レイアさんと一緒にギルドマスターの執務室へと案内されている。
「マイ・ロード!ご機嫌麗しゅう!」
顔中が傷だらけでスキンヘッドの2メートルを超える大男がレイアさんの前に膝をつき、床に頭を擦りつけている。
「…あぁ、ノー厶ちゃんの前で、そういう暑苦しいの止めてちょうだい」
「はっ!マイ・ロード!」
(ねぇレイアさん…マイ・ロードって「我が主」って事だよね?)
レイアさんに耳打ちすると
「さぁギルドマスターのちょっとしたお茶目?かしらねぇ――ねっ!」
「ヒッ!…は、はい…マイ・ロード」
―――これ以上理由は聞かない方がよさそうだ…ギルドマスターの威厳が崩壊してしまう
「と、ところで例の鑑定なんですが…」
「あぁ、あのガルーダの足の事だな、フン!素人め…せめて嘴とか、羽とか需要がある素材をもってこぬか!」
―――このオッサンさっきまでレイアさんに土下座してたオッサンと同一人物だよな?
俺に対しては凄い威張り散らしてくるじゃん…
でも、相手はギルドマスター失礼な態度は良くないよな、うん!
「大変申し訳ございません―――ルシア…聖女様にガルーダに襲われそうになってた所を助けて頂いたので…必死で正直そこまで思い至りませんでした、お許し下さい」
「ヒッ!せ、聖女ルシア様のお仕事でしたか!?お、お許しをマイ・ゴッド!」
ギルドマスターはルシアの名前を聞いた途端ソファーから飛び降りると、再び土下座して床に頭を擦りつける。
何だこれ…
(ねぇマイ・ゴッド…我が主よ…ってルシアの事なの?)
再びレイアさんに耳打ちする
「ねぇ―――なんだろうねぇ―――」
顔は笑っているのに何だか、とてつもない威圧感を感じるのは俺だけでなく、土下座しながら震えてるギルドマスターも同じなんだろう…
「あ、あの…では鑑定は難しいんでしょうか…」
「あぁ?鑑定しないとは言ってねぇよ…チッ、ちょっとだけ待ってろ…」
また俺に対しては高圧的な態度…
まぁ良いんだけど…
チリン♪チリン♪
ギルドマスターはテーブルに置いてある鈴を鳴らす
コンコン♪
「失礼します、お呼びでしょうかマスター」
スーツ姿の女性が部屋にやって来た
「あぁ、この小僧が持ち込んだガルーダの足を、2つ鑑定してやれ…たっく、これだから田舎の農夫は―――」
ダダダダダ‥‥
廊下を誰かが走って来る
「お待たせぇ―――マイダーリン!」
「あ、アリシアお帰りぃ―――」
「ヒッ!マイ・ビーナスの旦那様とはつゆ知らず!お許しをぉ――――」
「…………」
この人がギルドマスターで、ここの本部
本当に大丈夫なの?
「――――本当に、こんな高額買取してもらって良かったんですか?」
その後やたら低姿勢なギルドマスターの計らいで、相場よりも高く買い取ってもらえた
「いいのいいの―――あの、ゴリラが私の可愛いノームちゃんに失礼な態度をとった迷惑料も上乗せしておいただけだから」
うん、少しギルドマスターに同情しちゃう
でも、まぁ先程、薬屋で渡した金額は軽く回収したみたいで、まぁ結果よかったのかな…
後でルシアちゃんとアリシアに返しとこ
というわけで、俺たちは今ルシアを迎えに行くため大教会へと向かっていた
「あっノームあそこ!」
「うわっちょっと!?」
アリシアが俺の腕を掴んで、何かの店に入る
「へいらっしゃい!」
店の壁には様々な武器や鎧が展示している
ここはどうやら鍛冶屋の様だ…
「あらあら、アリシアこんな所にノームちゃん連れて来てどうするの?」
遅れてレイアさんも店に
「ふふん、テレレレレン♪」
アリシアは右手を横に伸ばし、空間に作ったストアへと突っ込む
「じゃぁぁぁん!」
ドォォォン
「どわぁぁぁ!な、なんじゃこりゃぁぁ!」
「ふふふ、黒龍の牙だよぉぉん!」
アリシアは人の身体ほども有りそうな、禍々しいオーラを放つ獣の鋭い牙を取り出した。
アリシア曰く、前に国王の依頼で討伐した黒龍の牙だという…
「お、おじょうちゃん…これを俺にどうしろって?」
アリシアが鼻高々に豊満な胸を反らす
「えっへん!これで愛する旦那様に!」
「――――鍬を作っちゃってくださいな!」
「「「え?」」」
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