第5話 それダメですよ、死亡フラグです!
「はぁ?私の大事なダーリンを襲ったの、そのガルーダとかいう鳩…粗挽きミンチにした方がいいね」
「フフフフ、義母さんうっかりガルーダを絶滅させちゃいそう―――」
「い、いやいや、そ、そこまでしなくても…」
王都から戻って来たアリシアとレイアさんは、沢山のお土産を買ってきてくれたので今日の夕飯は豪勢だ
が…
二人とも帰って来て頭に包帯を巻いている俺を見た途端
ルシアを酷く責め立てた…
『ルシア…なんで”私の”ノームが穢してるの?ねぇ…ねぇ』
『ルシアちゃんと信じて、”私の”ノームちゃんを任せたのに…鳩程度から守る事もできないの?それでも聖女なの?馬鹿なの?』
『………』
『二人ともルシアちゃんを責めないで!ルシアは僕を必死で守ってくれたんだよ!』
『そんな事いう二人は…なんか嫌だよ』
『『!?』』
と、まぁ最終的に二人は「言い過ぎて御免なさい」と泣きそうなほど落ち込んだルシアに謝ってくれた
(まぁ本当は、ガルーダに吹き飛ばされた時にぶつけた頭より、その後のルシアのサバ折りの方が致命傷だったことは言わないでおこう…)
でもまぁ、ルシアの聖魔法できっちり回復してもらって傷跡すら残ってない
え?じゃなんで頭に包帯撒いてるのか?
―――ルシアがその時着ていた薄緑のワンピースを割いて巻いてくれたから中々外しにくい…
スカートの部分を割いてる時にチラッと見えた(若干わざとらしかったのは気のせいだろう…)
ルシアの下着が意外にも黒だった事もあわせて、ここで伝えておこう…
と、いう訳で本日は、討伐したガルーダの足の部分を王都の冒険者ギルドへと売却しに来ていた。
「アリシアもレイアさんも昨日に続いて王都に付き合ってもらって申し訳ないです。ルシアもありがとうね」
「何言ってんのよぉ――ノームったら、旦那さんのお出かけに付き合うのは妻のお勤めですよぉ―――二ヒヒ」
「わたくしも、久しぶりのノーム義兄様とのお出かけ楽しみにしてましたわ!」
「フフフそうよ、ノームちゃん冒険者ギルドに行くならギルドの特別顧問である私が一緒の方が色々融通がきくでしょ?」
王都の大通りを4人で並んで歩くと、道行く男性が3人の方をチラチラと見て行く
それほどまで、3人とも目を引く容姿をしているのだ
特に、レイアさんへ向けられる目は欲望に満ちている。
赤く長い髪の毛を束ねて前に流し金色の瞳は引き込まれそう輝きを放っている
その妖艶な雰囲気と、抜群のプロポーションを惜しみもなく強調する胸元が大きく開いた黒いローブを着ている事もあり
歩く度に上下に揺れる大きな双膨に男たちの視線は釘付けだ。
「おいおい、冴えない野郎がえらい上玉を連れてるじゃねぇか?」
声を掛けて来たのは、如何にもって感じのヒゲ面の大男で昼間っから酒臭い…
「あぁ―――ですよねぇ―――あははは、では僕らは先を急ぎますのでぇ―――」
王都だけじゃ無く、皆と街を歩けばこういう手合いに毎回のように出くわす
関わらないのが一番だ
アリシアらも完全に素無視している。
ガシッ
「おい、何無視して通り過ぎようとしてんだ?あぁ?」
「えぇ………」
本日の手合いは少し厄介なようだ
「おい、そこ女共を置いてとっとと、田舎に帰れ…ザコ」
「あっ!?そ、それダメですよ―――NGワード、死亡フラグです!は、早く逃げてぇ―――!」
ゴゴゴゴゴゴ‥‥
「「「あ”ぁ”だれがザコだってぇ―――」」」
3人から青いライオン、緑のファルコン、赤いドラゴンのオーラが噴き出し
それぞれ青い瞳、銀の瞳、金の瞳から殺気…いや殺意が溢れ出している
「だ、ダメだって!み、皆ぁ―――ここ、王都ですよ!?」
三人の肩を掴みそれぞれ思いとどまるように懇願するが
ガシッ、ガシッ、ガシッ
三人は俺の右肩、左肩、胸に手を添えると…
「安心してねぇ―――ダーリン♡今すぐ、このゴミクズを細切れにするからねぇ―――」
「フフフ、私の大事な大事な大事な大事な大事な大事なぁ―――ノーム義兄様を馬鹿にするゴミクズは、廃棄しませんとぉ―――」
「まぁまぁ、私の愛しのノームちゃんに、ザコ…とか、灰も残さないように燃やしてあげましょうね~」
ドォォォン
「あぎゃぁぁぁぁぁ!」
三人に軽く押されただけなのに、奥の薬屋のドアまで吹き飛ばされる。
「い、いらっしゃい……旦那面白い来店するねぇ―――」
カウンターの前で潰れたカエルみたいになって倒れる
薄れる意識の中で何とかポケットから銀貨を取り出し、カウンターから覗き込んだ店主に向け差し出す。
「こ、これで……ポーション……を…【ガクッ】」
「だ、旦那ぁぁぁ!」
―――――まさかの薬屋で昇天する所だった…
「ご、御免ねノーム…」「お許しを義兄様…」「本当に大人気無かったわ…反省してます…」
三人が薬屋の中で正座している…
店主や通行人からは奇異な目で見られている。
「あ、あぁ全然平気ですから…店主、本当にありがとうございます。」
「い、いや…それは良いんだが旦那本当に平気か?全身の骨がバラバラだったように見えたが…」
店主の計らいで、ポーションを3本も飲ませてもらったらしい
「―――店長さん私の大事なダーリンを助けてくれてありがとう、これポーションのお代とお礼です」
ドスッ
アリシアは金貨の入った袋をカウンターに置く
「!?い、いやこんなの困るよ!俺はポーションの金さえ貰えたらいいんだ」
店主も袋の口から覗く金貨の量に驚いている
「そうですよアリシア…ノーム義兄様の御命がこんな端金で救える訳ないじゃないですか!」
ルシアが右手を伸ばすと空間に腕が消える
そして、アリシアが置いた袋の3倍はありそうな袋を掴むと
ド――ンッ
「今はこれでお許しください店主…足りない分はまた後日―――さぁ、参りましょう」
アリシアの聖魔法で完全に治療された俺は、ポカーンと惚けている店長に何度も頭を下げると三人の後に続く…
――――目的である冒険者ギルドは王都の城下町の丁度中央広場に有る
「ねぇ…さっきの男の人は…」
「さぁ?」「知りませんわ」「知らないわね」
「…………」
怖くてそれ以上聞けなかった
―――が、数日後、王都から十数キロ離れた森の木に、洗濯物のように引っかかっている男の目撃情報が王都に流れる事になる。
《ザンブレック王都 冒険者ギルド本部》
3階建ての大きな建物…俺もここに一年ぶりだ
「聖女様!良い所に!」
ギルドの前で教会のシスターが現れルシアに何か話している。
「―――申し訳ございませんノーム義兄様…すこし大教会に顔を出してきます……」
ルシアは物凄く申し訳なさそうな顔をしながらシスターに連れられ教会の方へと向かって行った
「!?剣聖様」
と、今度は王国の騎士団の人らしい鎧を着た女性がアリシアに声を掛けて来た。
「―――ごめんねノーム…ちょっと騎士団の詰所に顔を出してくるね…すぐに戻るから…」
アリシアも残念そうに落ち込みながら女騎士と一緒に騎士団詰所の方へと向かって行った。
「あらあら、まぁまぁ―――ウフフフそれじゃ今日は私と二人きりねぇ――♡」
「はい、ギルドの特別顧問のレイアさんがいれば百人力です!」
「もぉ―――ノームちゃんたらイケず―――」
ギュッ
「!?」
レイアさんに腕を組まれた
「れ、レイアさん?!」
「フフフフ、良いじゃないさぁ行きましょう♡」
―――色々柔らかいものが腕に当たってぇ…
最高です。
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