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ある武官の生涯  作者: 大島久嗣
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第二話 御親兵

主上の御身を守らせ給うにおいて御親兵というものがあったのだが、これは薩長土の兵からなる近代的な銃や規律を導入したものであった。


歩兵・砲兵・騎兵からなる三兵式は朝廷のものには珍しく感じたのを覚えている。


また本家の近くでは大砲を打ち御覧に入れるとのことで昔に一度そばぢかに立ち会うたことがある。周りの者はみな音に腰を抜かしているようであった。


私は新しい時代というものは剣や弓ではないのだということを知ったのである。




さてここで御親兵を持ってきたには訳があり、新軍制などを御覧になって不安と覚えられたか広く近衛府および武官に新政府の軍務につくよう、新しい軍制になじむようにと令旨があった。皆協議をいたし私はまだ若い故、揉まれてもよいと考え御親兵に志望したのである。




入ってみれば言葉がわからぬ、やることなすこと遅いと怒鳴られ続け、泥にまみれる訓練続きという恐ろしいが実戦的な、また意気軒高な者たちばかりであったが。


言葉については鳥羽伏見の折の家人が当時それなりに習得しておったゆえ何かと酷く困るほどでもなかったのは幸いであった。




他の武官などは遠地へ幕軍を追ったり船に乗り組みひどく吐いたりしたと聞く。




そして近衛兵と改めると言うことで一応の公家出身であることを加味され中尉として小隊長を得た。これはその後の改正で長ったらしいものになったのは面倒ではあった。

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