雑草
ルミエラは瓦礫により足が巻き込まれていた。声がけをしながら直ぐに瓦礫を取り除こうと必死に持ち上げようとした。だが俺の細い体では到底退けることは愚か、持ち上げることすら出来なかった。すると後から追ってきたアゼル先生が駆け寄ってきた。俺は焦った。アゼル先生の取り乱したあの姿を見てしまった俺らをどうにかしてしまうのかと。
先生は瓦礫に挟まったルミエラに近づき、ボソッと言った。
「…変わんねぇな」
ルミエラも俺も言っている意味が分からなかった。
アゼル先生は瓦礫を上げて、直ぐにルミエラを救いだす。
「…きっと助けてくれる大人がいるはずだ。薄ら笑いを浮かべている大人には気をつけろよ。俺の事は良いから。」
俺はルミエラを背負い、礼を言った。早く行けと言わんばかりに手をシッシッとする先生の指示に従い、前を向き出してあるく。目は開いていて、瞳孔も機能しているが、ルミエラはどうやらぐったりしているらしい。そりゃそうだ。きっと見た目以上に中身は負傷している可能性が高い。
「すぐ…すぐ診てもらえるように頑張るから…」
だからどうか持ち堪えて。そう願いながら1歩1歩確実に進む。街は荒れ放題で、炎上していて見上げて視界に収められる敵国はより赤く見えた。きっと喜んでいるだろう。主犯はあっちの世界ではこの惨状を引き起こした奴は英雄で、こっちでは重犯罪野郎で、表裏の…白黒の寒暖差で腹を下したりはしないのだろうか。
「おーい!!大丈夫かー!!」
声のした方を見ると大人がいた。長身で細身の金髪…で、頼りがありそうに見えた。きっと追い払われることは無いだろう。駆け寄って強い勇気を出して声を出す。
「あの!…この子を治療してはくれませんか!」
きっと声が裏返ってるだろう。そもそも声が小さい可能性もある。それでも頑張って声を出す。
「分かった。今すぐ診る。君は怪我しているかい?見たところ大きな外傷は無さそうだけど。とにかく避難所で休もう。こっちへ」
と、次々出てくる言葉に安心して、この大人の顔を見るのを忘れてしまっていた。ルミエラを預けた安心から、案内された避難場所で寝てしまった。
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