嬉しくない再会
アゼル先生の忠告を聞く事にした。室内にある今日は資料室に行くことは無かった。外にあるように感じた。行けばこの世界から拒絶された人が集まる場所のように感じた。行けば拒絶された人だと認知されるように感じた。頭を撫でられて、アゼル先生に注意されて、人に接して貰えたのだから今日は行ってはならないのだ。実感できたのだから。
嬉しかった。明日もアゼル先生と話せるだろうか?明日こそはルミエラと話せるだろうか?そんなことを考えたのは久方ぶりだったので、少しだけ眠れなかった。…聞いたことがある。空に色があった頃、玉のような光があった頃、人類は外に出なければ基本的に健康的に成長できないのだと。では今、健康的に生きることができているこの生活は何なのだろうか。考えれば考えるほど眠くなるのか目が覚醒するのかが二極化するものだった。いつの間にか寝てしまった。
酷く騒がしく熱い夜のせいで目が覚めてしまった。部屋を見渡せば変わらぬ風景と暗い空…のはずだった。窓をこらせば外の教会が燃えている。教会だけが燃えているだけではない。俺の歩いた街が全て燃えているのだ。言葉がこれ程出てこないとは呆れたものだ。サイレンも鳴っている癖に動き出せずにいた。足に感覚が無くなってバランスが保てなくなり文字通りの腰抜けになる妄想を脳の片隅に置いて、何故立てるのか・その上で何故足が動かせるのかのバランスも理解できぬまま扉を押す。扉を開いた先は海ではなく、孤児院も先程見た街と例外ではないと分かる惨状であった。更には瓦礫があって、それすらも燃えているような。土台は木材だったのか。途端の爆発に受け身を取れずに無様に壁に体をうちつける。いじめっ子がやるそれとは非では無い程強い威力で。
「どうして俺が…こんな目に…?」
言葉が勝手に飛び出す。
「俺何かしたか?…誰にも言わずに外に出たから?」
滝のようであった。誰に聞かせるのかも分からない。言わないと身体が保てないと直感したのかもしれない。或いは余裕があったのかも?誰もいない。いじめっ子さえもいない。逃げたのか、或いは…。
不意に手を引かれる。綺麗な金髪をした聖女のような…
「みんな居るからね!みんな待ってるから…」
呟く少女はルミエラであった。




