71 呪いの数え唄
○【オ・ソレイユ中央病院の屋上】
屋上へ出た ❝蜘蛛人族❞ ウォーウイルス発症の男性患者を追って、マノン・マドレーヌは階段を駆け上がり扉を開くと蜘蛛の糸が少女を強襲する。
マノン
「ショヴスリ・ブロック!
ショヴスリ・ブレイカー!
ショヴスリ・カッター!」
ガギィン! ギュゥン!
シュキン! シュパ シュパ シュパ シュパ シュパンー!
『フォルム・ドゥ・ショヴスリ』の、ショヴスリ・ブロックで護り、ショヴスリ・ブレイカーで両断し、
そして側頭部でピコピコする蝙蝠の羽根は跳び、ランダムに動いて蜘蛛の糸は断ち切られた。
とたんに、病院のビルは揺れ空気はよどみ、空が鉛色の雲へ覆われ、稲光は唸り。
屋上のコンクリートがひび割れて裂け目より白き霧は溢れ ❝蜘蛛人族❞ の男性の身体が振動し、
❝蜘蛛人族❞ の男性患者
「ゥギャ━━━━━━!!!!!!」
頭を掻きむしり一声叫んだかと思うと、
蜘蛛男は常人の2倍もあろうかと云う1人の女性の影に取り憑かれ、髪は伸びて振り乱し、声はこの世のモノとも思えぬように変わり果て、呪いの語句をば指折り数えて論う。
『赤の女王』の怨霊
「我こそは『赤の女王』が怨霊ォォォ…
一ォつ、人影が立っている
二ァつ、振り向けど誰もいない
三ィつ、水面に顔だけ映らず
四ォつ、夜更けの窓に指の跡
五ゥつ、いつしか灯りは消えて
六ゥつ、向こうで叫び声
七ァつ、泣いて名を失い
八ァつ、やがて世間に忘れられ
九ォつ、この道 帰れない
十ォで、遠退く人が数える……」
マノン
「そんなの効きませんよ!」
… 怨霊の『呪いの数え唄』も、
少女のアホ毛 ❝フェニックスの羽❞ の光りに焼かれ、フォルム・ドゥ・ショヴスリが解除されることは無い。
『赤の女王』の怨霊
「おのれ〜
我は求め訴えたり。人食い鮫よ、降れェェ!」
怨霊の一声で、特大な口を開き沢山の『人食い鮫』が降って来た!
人食い鮫
「シャーク! シャーク!」
マノン
「ショヴスリ・ウイング!」
ピュイン!と鳴り、蝙蝠の翼が開いて一羽ばたき『フォルム・ドゥ・ショヴスリ』のマノン・マドレーヌは空へ舞う。
マノン
「ショヴスリ・アロー!」
宙に踊るマノンが左手の人差し指と親指を前へ伸ばし右手で弓を引けば、頭頂部に煌めく ❝フェニックスの羽❞ の焔は移りゆき、
ポワン♪と光りを響かせて炎の矢が次々と飛んだ❕
人食い鮫はたちはドロップ・アイテムとなり、プリプリと蒲鉾に蒸され、ホクホクと竹輪へ焼けてゆく。
今度は、巨大人食い鮫が堕ちて来た!!
巨大人食い鮫
「シャーク!! シャーク!! シャーク!!」
マノン
「ショヴスリ・ブーメラン!」
ビシュゥ!と風を切って左前腕部より ❝ショヴスリ❞ は、回転しながら空中へ飛翔し、
巨大人食い鮫を頭から スパスパ スパパーン! とブツ切りにして、ショヴスリ・ブーメランはもどって来る。
マノンは『赤の女王』の怨霊の周りを旋回し、宙を跳ね ❝月面宙返り❞ しながら ショヴスリ・アローをブツ切り鮫へ打ち込めば、
美味しそうな フワフワ半片の出来上がり。
錐揉みに落下しながら、
足の裏から素早く息を吸い、口をすぼめ吹き出して、顎を引き胸を張りお腹は引っ込め腰を前へ出す、マノン・マドレーヌ。
足は肩幅に内股で八の字へ開き膝に余裕を持たせ、両腕をX字から脇を締め引き込み、拳は肩の高さ逆八の字に構えた。
マノン
「呼ッ‼
❝宝刀一撃ショヴスリ突き❞ チェストォォォ━━!!」
❝蜘蛛人族❞ の男に取り憑きし『赤の女王』の怨霊の影へ、
マノンは、左前腕部に取り付けた『ショヴスリ』から発する光りの突きを放つ!!
シュ❇バ✴バ❇バ✴バ❇バ✴バ❇バ✴━━━━❗❕❗❕
『赤の女王』の怨霊
「この怨み晴らさでおくべきかァァ……」
そう言い残した『赤の女王』の怨霊の姿は、光りの中で影が存在出来ないように、雲散霧消して逝った。
❝蜘蛛人族❞ の男性は力尽き倒れ、
マノンが彼の口と鼻を覆う糸のマスクをはがしサラマンダー・パウダーをかけると、引きつっていた表情は穏やかになってゆく。
貪狼
「姫ぇ!」
マノン
「貪狼さま。」
貪狼
「ご無事で何よりです。」
マノン
「ありがとうございます。」
文曲
「… 我が姫よ。」
眷属蝙蝠 a
「 ⎛⎝㇏^˶˃ ᵕ ˂˶^ノ⎠⎞ チスチス! チスチス!」
メガネ男子 ⌐❍ω❍₎₎✴ 文曲はマノンの前で、赤い燕尾服をひるがえして片膝をつき、敬意と忠誠を示した。
フォルム・ドゥ・ショヴスリの額当てになっている、眷属蝙蝠 aも「姫、姫!」と言っている。
文曲
「か、勘違いしないで欲しい。
姫に忠誠は誓うし、命令にも従う。それが俺の役割だから。
貴女に頭を下げてる訳じゃない。❝血の盟約❞ に従い、敬意を払っているだけなんだからなっ。」
貪狼
「ずるいぞ文曲。姫に敬意を表したのはわたしが先だ。」
キザな口髭にウエーブの有る長髪と薔薇香を揺らし、真っ白な燕尾服の貪狼も片膝ついて紫の薔薇を、マノン・マドレーヌへ差し出した。
マノン
「め、命令だなんて、
₍₍(ฅ〃∇〃ฅ)՞՞՞ む、む、む、む、む、む、無理です〜」
文曲
「姫に、我が忠誠を受け入れてもらえないだとぉ?!……」
貪狼
「文曲はともかく、私は良いのでしょう? 姫。」
文曲
「姫!」
貪狼
「姫!」
文曲
「姫?」
貪狼
「姫?」
マノン
「(〃//∇//)꜆꜄꜆ ほえ〜〜」
アルコル
「ちょっと、貪狼、文曲ぅ。マノンちゃんを、からかってる様にしか見えないんだけどォ〜」
廉貞
「そおなの〜 マノンを2人でからかってるの〜」
マノン
「アルコルちゃん、廉貞さま……」
タコ魔物 タコハチ
「騒動がおさまって、とりあえず良かったタコ C:。彡」
マノン
「そ、そうですか、良かったです。患者さまを移動させましょう。」
アルコル
「エレベーターが復帰してるわよ。」
廉貞
「廉貞が運ぶの〜 念力〜」
廉貞は手を前へかざして、その身体は発光し、念力〜は発動され ❝蜘蛛人族❞ の男性患者を持ち上げる。廉貞の声が低い訳ではない、だが「念力〜」の時は声を低く発するのがコツらしい。
× × ×




