表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
TCG販促アニメでどう足掻いても敵役の私が開き直って悪役RPをエンジョイするお話  作者: 木津 吉木
シーズン1ー全国大会編ー

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/93

「頭が回りません」

結局、良い雨宿りスポットが見当たらなかったので教会まで帰ってきました。

この時間は聖堂には誰もいないので、少々行儀が悪いですが外行きの格好のまま長椅子の背もたれに両腕を回して上を見上げていました。

妙に思考が回らなくて、風邪を引き始めているという感覚はありますが……しかし、だからなんなのだろうと思ってしまってただぼんやりと天井を眺めて時間を無為に消費していました。

……やっぱり引っ掛かるのは先程のカタルさんとの"ギアスファイト"です。

わざわざカードを実体化させる危険なファイトを挑んできて、あっさりと負けが見えた瞬間に引いてきたのは情より理のカタルさんらしいですが……カードを実体化させる理由がありません。私を殺したい程ならばそれこそ父のように死にものぐるいで来る筈ですから。



「……ダメです、頭が回りません」



考えても考えても違和感が有るのにその正体に気づけないのが気持ち悪いです。

意味もなく『あー……』と声を出してもアイデアが浮かぶわけでもありませんし、窓の外で未だに降り続く雨の音が煩わしくなってきました。

煩わしさが苛立ちに変わって来た頃に、勢い良く聖堂の表扉が開かれます。



「……誰です?」



背もたれに思いっきりもたれ掛かり、後ろを見れば上下逆さまの視界に映ったのは赤毛と金髪のちびっ子二人……つまりはヒャッカくんとソコロワ嬢です。

よっこいせと体を戻して、ズレた伊達メガネを直します。



「おやおや、こんにちは。わざわざ教会まで来るなんて今日はどうされましたか?」


「室内なのに何でずぼ濡れなんだよお前?いや、そうじゃなくて……なんでまた辻ファイトしてるんだよ!!」


「えー……ああ、ソコロワ嬢からのタレコミですか。でも、よく私だって断定出来ましたね……認識が上手くできないようにしていたのですが」


「白い仮面被って、口調が丁寧で、微妙に距離の近い変態ってユギトしかいねぇじゃん」


「……私ってそういうイメージです?」



前二つと距離が近いは認めますが、変態とは心外です……血が出たから舐めて止血しただけなんですけども。



「現行犯であります……神妙にお縄につくでありますよ、白掟(ハクジョウ)優義徒(ユギト)!」


「自分では勝てないからとヒャッカくんを連れて来たのですか?だから、認められないのですよ、ソコロワ嬢」



自分でもびっくりするくらい辛辣な言葉が出てしまいます。

もう少しマイルドな言葉で彼女の成長を促したいのですが……どうもまだ気が立っているのでもはや八つ当たりですねこれは。

私の言葉に一瞬たじろぐソコロワ嬢ですが、頭をブンブンと振ってからこちらを睨み大きな声で啖呵を切ってきます。



「上等であります!!昨夜はやらなかったでありますが"ギアスファイト"で勝負をつけてやるであります!」


「素晴らしい!そう来なくては……ヒャッカくんも見ているだけはお暇でしょうし……そこにいますよね、ジュンくん!」



声を掛ければ、生活スペースへと続く扉が開いてジュンくんが渋々といった様子で姿を見せます。



「……気づいておいででしたか、白掟(ハクジョウ)様」


「微妙に扉が開いていましたので……ヒャッカくんの遊び相手になってあげて下さい、ジュンくん」



ニッコリとお願いという名の命令を出せば、一瞬だけ鋭い視線を向けられますが直ぐにヒャッカくんの方に向き直ります。



「という事だクソガキ、もう一度完膚なきまでに叩き潰してやるわ」


「アンタのデッキは分かってんだ!そう簡単に潰されてやるかよ、逆にぶっ倒してやるぜ!」



互いにやる気満々で何よりです。

うんうんと頷き、改めてソコロワ嬢を見ます……敵意丸出しですが、不思議と怖さは感じません。どちらかと言うと小動物が必死に威嚇している微笑ましさが強く出ています。



「さて、こちらも始めましょうか」



相変わらず思考は微妙にぼんやりしていますが、"ギアスファイト"は楽しいですからね……元気だして行きましょう。



「「"ギアスファイト"レディセット!!」」




ユギト【誘黒神の使徒】

VS

レジーナ・K=ソコロワ【出撃!撥条(スプリング)機兵団!!】




ソコロワ嬢の"ギアスモンスター"は……【モンザエモン】ではないですね。私は見た事の無い、少し大柄な機械の兵士のようなモンスターですね。

私の"ギアスモンスター"はもちろん【ルシフェリオン】……と思って振り返りますがそこにいたのは明らかに困惑した表情の黒い翼の少年天使……【邪聖天(デモリエル)ベリアル】です。



「ソコロワ嬢、すいませんちょっとタイム」



急いで"ギアスディスク"を操作してデッキの内容を確認しますが【ルシフェリオン】と【ベリアル】の位置がズレていて、そのせいで"ギアスモンスター"のセッティングを間違えたようです。

既にファイトの準備に入っているのでここから"ギアスモンスター"を入れ替える事は出来ません…………多分、多分ですけど【ベリアル】のままでも問題は無いはずです。【ルシフェリオン】というか、【ルシフェル】の効果によるいざと言う時の一斉封印が確実に使用出来る訳ではなくなったのが痛いですが……今のメンタルのソコロワ嬢相手ならば大丈夫でしょう!

自分でも信じられないミスをした為にかなり焦りましたが……大丈夫、ここから特に変な事をしなければ大丈夫な筈です。








評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ