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TCG販促アニメでどう足掻いても敵役の私が開き直って悪役RPをエンジョイするお話  作者: 木津 吉木
劇場版【ドレッドギアス】ー奇跡の融合竜カルラー

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「言います、言いますから」/「ダイセイカイ〜」

ヒャッカ少年たちは直ぐに見つける事が出来ました。

ミラージュの近くでソコロワ嬢とアポロさんを探していた三人は二人の姿を見つけると、嬉しそうにするも私の方を見て複雑そうな表情に変わっていました。



「……みんな、無事だったんだな!」


「同志百火(ヒャッカ)達も無事だったでありますか!」



ヒャッカ少年の言うみんなには私も入っているのでしょうかね……?

二人が三人に駆け寄り、わいわいとお互いの無事と何があったのかの報告をしているのを一人少し離れた所で見ていましたが……アポロさんに何かを言われてからヒャッカ少年たちがこちらに歩み寄ってきました。



「店長が……アンタから話が有るって言ってたけど、なんだよ……」


「……先ずは、無事で良かったです三人とも」



そう言うとヒャッカ少年は『お、おう』と返事を返してくれましたが、私が中々次の言葉が中々切り出せないのを怪訝そうに見つめてきました。

落ち着かない私の体は勝手にデッキケースへと左手が伸びそうになりますが……邪聖天(デモリエル)に頼るのは今は違う気がして、右手でその動きを止めました。



「あーもう!話が有るなら早く言って下さい!うじうじしてて腹が立つ!!」


「!!そう、ですね。言います、言いますから……その………」



ミト嬢の言葉に私は大きく深呼吸をして……覚悟を決めました。



「……ごめんなさい、私の発言で皆さんに不快な思いをさせてしまいました」


「…………」


「マイバラ嬢にも……重ねて申し訳ありませんでした」



深々と私が頭を下げれば、マイバラ嬢がおろおろと困ったように眉尻を下げていました。



「えっえっと……あ、頭を上げてほしいっぺ……あの時、わたすもうっすら意識があったんけども……わたすもユギトさんの事いっぱい傷つけてたっぺ。だから、おあいこなんだっぺ」


「……ですが」


「おあいこだっぺ!百火(ヒャッカ)くんもユギトさん傷つけたし、水兎(ミト)ちゃんもさっきユギトさんにビンタしたって聞いたっぺ……みんなみんな、何かしら相手に悪いことしてるっぺ。だから、ここで一旦おあいこで終わらせようっぺな」



そう締めくくって私の頭をポンポンと撫でるマイバラ嬢。

その様子に毒気が抜かれたのかヒャッカ少年とミト嬢が溜め息を吐きました。



「一番の被害者がそんな態度だったら、俺らも許さないといけないじゃん……ユギトの事棚に上げて、俺も殺しかけたし……ごめん」


「……アタシも、ビンタしちゃってごめんなさい」



そこからしばらく互いにペコペコと謝る時間が続きました……傍から見たらなんか訳分からないですねこれ。



「仲直り出来たみたいだねー元サヤに収まる……訳でもないけど、決定的な仲違いにはならなかったし良かったよね!!」


「これで本当に良かったのでありますか……?」


「良いに決まってるさ!喧嘩をして仲直りをしてやっと友達になるのだからね!」





──その日の晩、教会の一室……真っ青な月が見える特等席である窓のヘリに、はしたなく腰掛けて手酌で京都土産のお酒を飲んでいました。

とろりとした甘みとアルコール特有の喉を焼く感覚にほうっと息を吐きながら月見酒を楽しんでいます。

昼間の事を思い返せば……もっと何かを言われるかと思いましたが、そんな事はなくて……やっぱり優しい良い子たちだなという感想が浮かびました。



「……友達、かぁ」



またお酒をなみなみと杯に注いで一息に飲み干しました。

一言呟いてからぺろりと唇を濡らし、心地よい酩酊感に揺れる脳とは別に胸の奥がポカポカしてきます。

友達、以前にキョウマくんにヒャッカ少年の事を伝える時にそう称した事はあります。でも……今回のその言葉は何だか意味が違うように思えてむず痒くなります。

友達……友達と何度か呟くと頬が熱くなって、またお酒をあおります。



「友達……初めての、友達……ふふふ」



ギュッと大きな酒瓶を抱きしめて、締まりのない笑みを浮かべる私……ああ、しかし今日は本当に月がキレイですね。




ーーーーー



気味が悪いくらい青々とした月が空に輝いていた。

気持ち悪くて、早々に背を向けりゃあそこにあるのは……留置所だったか?兎に角、俺ん所の奴がとっ捕まってる場所だ。

頑丈そうな建物に堅物そうな警備員共……正面から乗り込むにはちぃとばかし手間取りそうだからな……《《裏技》》が無ければ苦労してたぜ。



「つうわけでヨぉ……オレがココに来ン

のにすンげぇテマ取ったノ?分かる?」



両手両足を潰されたから包帯でぐるぐる巻きのダルマみたいになってる《《元》》部下その……何番目かにそう言ってやりゃあそれまで腐った魚みてぇな目ぇしてたソイツはギラギラとした輝きを宿していた。



「ああ……嗚呼!!首領!!私を助けに来て下さったのですね!!やはり神はお見捨てになられなかった……忠実な配下である私に救いの手を下さった!!」


「オーイ、聞いてるカ?カミとかキモチワリィもン言うなよナ」



それにコイツは勘違いしてやがる……誰が助けるなんて言った?



「テメェよぉ……何カッテなウゴきしてンだ?そのウスギタねぇカミをオレがスきコノンで手に入れたがってるなンてよくオモえたナ?」



顔面を思いっきり近づければ怯えた顔をする下っ端、安心させるようにガシガシと脂ぎった髪を乱暴に撫でつけてやった。



「ギャハハハハハ、ダイセイカイ〜!あの黒の神を手に入れるにはヨぉ、そのマワりの瑞神をオサえとかなきゃイけねぇンだよナぁ……《《アイツ》》とやり方チゲぇから前ン時はマチガえたが、コンドはダイジョウブだロ」


「ずいしん……まさか我が神は」


「そうさ【水底の呼び声(クトゥルフ)】は瑞神なンだよ!テメェがヒッシこいて手に入れたのがコッパでマジウーケールー、ギャハハハハハ!!……つうわけで、カードは要るけどお前要らねぇわ」



なんか冷めてきたしめんどくせぇしでとっととやる事やろうとカードを抜くオレに身の危険を察して暴れ始めるクソザコだけどおせぇんだよ反応がよぉ。



「何故何故何故!!?私程神への知識がある者はいません!!必ず後悔されますよ!だから、(わたくし)めに慈悲を!もうしくじりませんから!!」


「ウルセェよ、捕まったジテンでテメェからオレのジョーホー漏れんのカクテイしてンだよ。まだチカラが足ンねぇからオレの事がバレンのはコマンだよなぁ……それに、カミについてはホカに当てがあるからヨぉ。大人しく死んでくれや」



ドポンと何かが水に落ちる音が響く。

完全に知性が失われたソイツは訳の分からんねぇ呻き声を上げながら中空を見つめている……ホント、便利だわオレの【次元魚】共はよぉ。

奴の知性とか記憶とかそういうもんを全て次元の彼方に撒き散らし、ついでにオレについては空間ごと別の場所に運んでくれる頼もしい《《今の》》相棒達。

カードにキスをしてやれば、照れてやがるのかヌメった何かが頬を撫でる感触を感じた。

さて、お次はあの助餅(スケベイ)とか言う奴を拾ってテキトーな所に置いといて…………イトシイ息子に会いに行ってやるかな?






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