8話 運ぶ者
「どうやらこのトラックが薬物を運んでいるようですね、この予想の的中率、74%。」
4人はトラックの荷台の上で会話していた。昨晩の会議から約24時間後の出来事だった。
「案外低いじゃない。」
「まあ不確定事項も多いですからね。それに一晩で調べれたレベルの情報量ですよ?そこまで当てにしすぎないほうがいい。まあ今後調べ続けたときに出てくると想定される情報も確率計算に組み込むのであればほぼ確定と言っても差し支えないですけどね。不確定だから断定したくないですけど。」
透の目の下にはクマが残っている。それでもその瞳の輝きは消えることがない。
「俺がワイヤーで運転手を引きずり出せばいいんだな?そして荷物の内容を吐かせる。」
「ええ、運転手も異能力者である可能性は98%。心音さんの耳でこのトラックに一人しか乗っていないことは確認済み。ヤクザの大事なお薬ですから護衛くらいはいると考えるのが妥当ですよね。」
鉄也はため息を付く。そして軽く体を動かし始めた。
「こいつの言うことを聞くのは癪に触るが……行くぞ。」
パリンッ
窓ガラスを鉄也のワイヤーが破壊しそのまま運転手を拘束する――はずだった。
「うわあっ。」
トラックがありえないほどの急停止をする。4人は外へ投げ出された。
「困るぜ、兄ちゃん。」
中からおじさん、いやお兄さんが出てくる。白髪交じりで年齢の特定できないフケ顔だった。気だるそうな目をしていながらも奇襲を察知し回避したことから只者ではない何かを感じる。
ガードレール。標識。このトラックだって。金属はいくらでもある。戦える!!
鉄也はワイヤーを腰に戻した。
「トラックの弁償は俺持ちなんだよ。それにこんな遅くまで残業する羽目になるとは本当に困ったもんだぜ。」




