9話 正義
「深夜0時、ガキが歩いてていい時間じゃないぜ?」
お兄さんはゆったりと四人の方へ歩いていく。
「社会人が働いてて良い時間でもないんだけどな。」
消え――
ドッ
龍が驚異的な反射神経でお兄さんの攻撃を見切り、鉄也との間に割って入る。
絶対領域で強化した腕がお兄さんの拳を完全に受け止める。
恐ろしく速い!!これが能力である可能性、そうでない可能性。すべてを考慮して最適解を導き出す。
「絶対領域の強化、ってところかな、兄ちゃん面白い能力持ってんじゃん。見た感じ殴る蹴るとかも軽減できる感じ?ちょっと厄介だなあ。それに対してそっちの兄ちゃんはつまんないな。まあ大方ワイヤーを操る程度の能力、たかが知れている。」
一瞬で分析された!!分析能力が高いのは厄介だな勝率50%から40%に低下。
「能力の面白い面白くないなんて関係ねえよ。俺は俺のできることでこの街をただ守りたい。ただそれだけだ。」
「守りたい?バカげたこと言ってくれるなよ。普通に荷物運んでるおっさん引き止めて何が楽しい、このチンピラ野郎。悪いがちょっとそこで眠っておいてもらうぜ。」
「させないっ!!」
心音はバッグから小型のキーボードを取り出した。それが奏でる旋律がお兄さんの動きを鈍くする。
「デバフ能力ね。」
これが心音さんの能力、今までバックアップに回っていたせいで僕自身も能力の内容は知らない。勝率が測定できない!!
「さしずめそこのチビはは能力によるバックアップってところか、この程度なら負けねえよ。」
こいつ⋯⋯かなりの手練だ。油断はできない。
鉄也はより一層腰を低く落とした。




