10話 激闘
「さっさと今日の業務を終わらせたいんだ。手短に済ませる。」
ガッ
お兄さんが地面を蹴ると同時に姿がパッと消える。
心音が弱体化させてなお早い!!どうなってるんだこの人は!!
「あれ、守られちゃったか。服の中になんか仕込んでる感じ?」
マズい。なんとか反応して金属でガードできたがそう何度もできることじゃない。
分析が早い、早めに終わらせないとこちらの手の内すべて晒すことになる。ただ心音さんの能力が全然効いてない、35%。
龍の拳をお兄さんは的確にガードする。
「なるほどね、絶対領域でありながらも攻撃に転じるのか⋯⋯いや。」
寸止め!!端から攻撃の意図はなかった。となれば⋯⋯。
お兄さんは龍が足に向かって放った回し蹴りを避ける。
体勢を崩すのが目的、普通に殴らないのか、面白い。
鉄也は仕込んである金属をすべて取り出し巨大な刃にしお兄さんを斬りつける。
「大振りな攻撃は良くないよ。簡単に避けれる。」
ガツンッ
いや、違う、大振りな攻撃で視界を遮って――
お兄さんは鉄也が引き抜いた標識で殴り飛ばされる。
鉄也の手元で標識は剣へと変貌する。
斬りつけるもののその攻撃は当たらない。鉄也は剣を一つの鉄塊にしてぶつける。
「大雑把すぎて掠りもしないよ。」
鉄也はお兄さんめがけてガードレールを投げつける。
「何を投げたって無駄⋯⋯。」
龍がガードレールを破壊する。細かい鉄の塊がお兄さんめがけて飛んでくる。
これなら60%、押してる!!
これじゃ避けきれない⋯…いや彼らの目的は……。
ピタッ
鉄也がお兄さんを拘束しようと放ったワイヤーが動きを止めお兄さんはひらりと余裕でかわす。
「拘束することが目的だろ?そんな甘い攻撃、俺には届かない。」
「これがあなたの能力ですね。」
「あーあ、使っちまった。手札は残しとこうと思ったのにな。ここからは全力で――。」
なぜだかわからないがこいつらは拘束することに重きをおいている。なら余裕で俺の勝ちだ。
違和感。
何なのだろうか。いや、これでいい。問題ない。ベストコンディションだ。
――ベストコンディション?
俺はいつからこんなに動きやすくなってた!?
曲が変更されている!!
「フルビート!!」
ドゴッ
「攻撃用の曲、俺が戦闘に集中してる間に曲を変えたな?それも自然な形で流れるように。」
こいつの能力は
心音さんの能力は
戦闘補助だけじゃない!!!
チャート組み直しじゃないですか、勝率が判断できない。
面白くなってきたな、ただ…⋯。
「そろそろ終わらせようか。これ以上の残業は流石に明日に響く。」




