7話 作戦
「疲れた〜。眠るように死ぬ〜。」
鉄也はクッションを抱え込んでゴロンと横になる。
「死ぬんじゃないの、バカ。」
「アダッ。にしてもゲンコツを食らわすことはねえだろ。」
「愛の拳よ、愛の拳。」
「真面目に作戦考えろよ。」
「ちょっと、ひどいじゃない。最初にふざけだしたのはてっちゃんなのに。」
「二人とも、ストップだ。」
龍が二人の喧嘩を制止する。
「本題に戻ろうか。あれだけの敵の数。想定以上だな。どうするべきか。」
龍は顎に手を当てて真剣に考える。強面の男が可愛らしいポーズで考え事をしているのはとてもシュールさがあった。
「くっそ、あれだけの敵じゃあたった三人じゃ捌ききれねえよ。あ、あいつの加入を認めるとは言ってねえぞ?」
「他にも戦闘要員がいればいいんだが。」
「あいつだけは絶対に認めねー。」
「はいはい。分かったよ。私ももう少し戦闘に参加したいんだけどね。私が索敵をしないといけない分どうしても戦力が足りないよね。」
「呼びました?」
「呼んでねえ!!」
それからというものの少年はアウトローズのアジトに入り浸るようになっていた。3人の中ではもうすでに彼が敵なのでは無いかという考えはなかった。それでも――
絶対認められねえ
「面白い情報ですよ。聞きます?」
「誰が――。」
「聞かせてくれ。」
鉄也の言葉を遮るように龍は食いついた。
「どうやらこいつら裏で麻薬の取引をしてるらしい、ってかまあベタなんですけどね。その証拠さえ抑えられれば公安がマンパワーで捕まえればいい。」
「させねえよ。公安なんか頼らねえ。俺は俺達のやり方でここを守るって決めたんだよ。」
龍がため息をつく。
「君もこれ以上鉄の神経を逆撫でするのはやめたほうがいい。こいつ怒ると何しでかすか分かんないんだよ。俺でも止めるのに骨が折れる。だからこいつを煽るような発言をするなって最初から忠告しているだろう。」
「鉄也さんが全力で僕を殺しに来たときの僕の生存率は13%、やめておきます。」
「とはいえ、麻薬の取引を放置してはおけない、そう考えてるんじゃないかしら、てっちゃん?」
「けっ、なんでもお見通しかよ。」
心音に本音を暴かれちまった。そうだ、そうだよ。もう自分に嘘をついて欺き続けることなんてできない。隠し続けてきた事実。こいつはアウトローズのために必要なんだ。
「お前ら、いいな?」
「「「「全会一致!!!」」」」
「なんでお前まで参加してんだよ。」
「いでっ」
鉄也は少年にゲンコツをかました。




