4話 潜入
「今回のターゲットは⋯⋯。」
鉄也が地図に大きく書いてある丸を指さす。
「ここだな。」
3人はビルに向かって歩き出す。
「にしてもほんとにあいつ何なんだよ。」
鉄也の口からはため息が止まなかった。
「変なやつに目をつけられたな。」
「悪い子ではなさそうな気はするんだけどね、ヤクザ側の人間の可能性もあるし警戒はするけど。」
3人は目的のビルにたどり着く。
「いっちょやりますか。」
大丈夫。戦力的にはこっちのほうが圧倒的に格上。爆速制圧するだけだ。
高くそびえ立つビルでさえ3人には小さく見えた。
「うん、安全そうだわ。向こうから敵の足音は聞こえない。」
「にしても人の気配がない。警戒して進むぞ。」
コツン コツン
三人の足音だけが心音の耳には入ってくる。
いや――それだけじゃない!!
「何かが――。」
「やぁ、また会いましたね。」
「お前、この前のっ!」
「待て、鉄也。」
龍は鉄也を静止する。
「お前の目的は何だ、そう問いかけたはずだ。なぜ何度も邪魔をする。」
アジトに来た目的はアウトローズに加入するためと言っていた。ただなぜ加入したいのかそこがはっきりしない限り仲間に招き入れることはできない。
「簡単な話ですよ。あなた達だけでギャングを続けていける可能性はかなり低い。そのことを自覚していないんですか?」
「もういい、会話には飽きた。」
鉄也は彼をスルーして歩き出す。
「飽きた、飽きてないの問題じゃないんですよ。僕としてはこんなに面白いあなた達が簡単に潰れてしまうのはつまらない、そう言いたいんです。」
「とか言っといてどうせヤクザの一員なんじゃないの?流石の私でも少し鬱陶しくなってきたわ。はっきりして。」
「とりあえず僕が言いたいこと、それは敵が我々に気がついているということです。」
「っっっ⋯⋯みんな、遮蔽物へ退避して!!」
「侵入者か、命知らずめ。」
ドンッ
銃か。それなら俺の能力さえ使えば余裕だ。速攻で仕留める。
鉄也は宙に手をかざす。
「お前さ、のこのこ現れるとか異能力者としての危機感が足りてないんじゃないか?」
バシッ
銃は鉄也の手元に収められた。
「クソッ。」
「お見事!!」
こいつがいると調子狂うな。
「ナイフを取り出そうとしても無駄。」
ナイフはヤクザ自身の身体を切り裂く。
「未知の異能力者と対峙するなら自分の武器くらい絶対領域で守らないと。基礎がなってないよ。」
鮮血が周囲に恐ろしくきれいな放物線を描いて飛び散る。その光景にヤクザ自身も目を見開く。
「傷つけていいのは傷つける覚悟があるやつだけだ。」
鉄也はヤクザを手刀で気絶させた。




