20話 横浜へ
「まあ善は急げって言うしな。今すぐ向かうとするか。」
「電車は私が調べるわ。」
「ちょ、待てって。」
迅が心音を慌てて止める。
「世紀の大ギャング、川崎アウトローズだぜ?防犯カメラとかもあるだろうし公共交通機関は避けたほうがいいだろ。俺が送ってやるよ。長時間の運転には慣れてるからな。」
「そうしてもらえるとありがたい。」
強面で仏頂面の龍も心無しかほんの少し口角が上がっているように見える。
「じゃあ出発は1時間後、それでいいか。」
「だめですよ、鉄也さんの部屋、めちゃくちゃ散らかってるじゃないですか。1時間で準備できない可能性72%です。」
「じゃあ1時間半後!!!」
鉄也、龍、心音はそれぞれ自室へと早足で戻っていった。
「お前はいかなくていいのか?」
「僕は基本的にリビングで過ごしてるんですよ。まだ仲間としてちゃんと認めてもらえてなくて自室がないんです。」
「え、ここもブラック?」
迅の抜けきらない社会人感に透は苦笑いする。
「そういうわけじゃないんですけどね、運が悪かった。」
あれらの行動をした上で僕が快く迎えられる確率は98%だった。なのにどうして⋯⋯。
「迅さんも準備しなくていいんですか?」
「俺はトラックが部屋みたいなもんだからな。部屋ごと移動できんのさ。そういうお前こそ何持ってくんだよ。」
「パソコンがあれば後は十分ですかね。どうせ日帰りですしね。」
「え、日帰りのつもりだったのか?俺はてっきり泊まりかと。」
「この人数でカプセルホテルにでも行くつもりですか?一般的なホテルは予約がないとかなり面倒ですよ?」
「すまん、俺がズレてた。」




