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川崎アウトローズ  作者: right
川崎編
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2/23

1話 突撃

「次のターゲットこいつとかどうよ。」


壊れかけの電球が少年少女たちを照らす。十畳のリビングは3人が入るには少し窮屈だった。


「いいかもな、敵の能力、犯罪内容もはっきりしてる。こいつはちゃんとした悪だ。」


「私もそれで決定でいいわ。」


「「「全会一致!!」」」


これでまた、この街を守れる。


誰かが反対すればその犯罪者はターゲットにしない。

自分たち自身が真の悪にならないため、暴走を防ぐためだ。


「詳細は後で決めましょ、とりあえずご飯にしないと。てっちゃんと龍ちゃんは何食べたい?」


途端に部屋の空気が和やかになる。水宮 心音[みずみや ここね]は台所に向かうと頬をついて考え込む。


「俺は寿司の気分!!」


「簡単に作れないもの言うんじゃないの。」


心音はため息をつきながらも冷蔵庫の中身を確認する。


「俺は別になんでもいい。」


「龍ちゃんもきちんと自分の意見持ってよ⋯⋯。じゃあもうあるもので適当にやっちゃうね?」


心音は冷蔵庫を開いて少し悩んだ後にりんごを取り出しフルーツナイフで皮を剥き始めた。


「⋯⋯じゃあ聞くなよ。」


ピーンポーン


チャイムが鳴る。

神谷 鉄也[かみや てつや]の手に心音が持っていたフルーツナイフが一直線に飛び込む。それを握りしめて一気に姿勢を下げる。アウトローズのアジトに誰かが訪れることはないはずだった。五十嵐 龍[いがらし りゅう]は警戒しつつも扉に近づく。龍は鉄也と目を合わせて頷く。そのまま、扉を勢いよく開けた。そのタイミングを見計らった鉄也は訪問者が反応する前に飛びかかった。

しかし訪問者はそれを軽々と避けてみせる。


「なん⋯⋯だと?」


訪問者は飄々とした表情をしている。余裕のあるその瞳に鉄也は苛立ちが隠せない。


「あなたが飛びかかってくることは分かっていましたよ。」

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