プロローグ アウトローな少年少女
暗闇に包まれた部屋。
一人の少年の顔が青白く照らされる。
やせ細った体。クマのある顔。しかしその瞳には『熱』があった。
「川崎アウトローズがいなかったらどんな大怪我負ってたか分かんない。」
「でも許可無しで犯罪者を勝手に裁くとか普通に犯罪だろ。」
「許可とかどうでもいいだろ。アウトローズは必要なんだよ。エアプは黙れ。」
「それでも事実異能力犯罪から一般人を守るとか異能力者にしかできないじゃん。」
「それは公安の仕事だろ、パンピーがしゃしゃんな。」
「裁かれる犯罪者もアウトローズも捕まえられない公安無能すぎ。」
「お前何様なんwwwお前の方が無能だっつーの。」
やっと、やっとだ。
「彼らが僕を楽しませてくれる可能性、96%。」
空っぽだった少年は何かで満たされていく。
少年は掲示板を閉じ川崎アウトローズが関わる具体的な事件を調べていく。
何月何日、どこで。
軽く情報を確認しつつさまざまなサイトを一瞬ずつ確認していく。それと同時に画面上の地図に情報を書き込む。少年は瞬きする時間も惜しいかのようにモニターに張り付いていた。
ただ一つの情報を逃すだけで得られない手がかりがある。それがなければ彼らを見つけるのは不可能かもしれない。絶対に、絶対見つけてやる。
「ここは⋯⋯違う、こっちはアクセス的にアジト候補と見て間違いない。」
地図がどんどん色で塗りつぶされる。読めたものではないが彼にとっては、自身の道標にするには十分すぎるものだった。
「こいつら、ただの悪者なんかじゃない。その確率73%。」
キーボードを叩くほど少年の鼻息は荒くなっていく。
この気持ちは何なんだ。満ちている。今まで感じた程のないほどの高揚感、生に価値を見いだせる。これが、これこそが僕の求めていたもの、そうだ、そうに違いない。
「これで退屈な日々とはおさらばだな。」
ガチャッ
閉ざされた空間に光が差し込む。
少年はリュックサックを背負ってドアノブへと手を伸ばした。




