17話 確実と確率
あとは3%を手繰り寄せるだけだ。互いの盤面に駒が少ないからこそ僕の能力が輝く。
鉄也は指をポキポキと鳴らす。
こいつ相手にワイヤーを使っても引きちぎられるだけ。いかに金属を活用して戦うかが大事だな。
迅は傷口を押さえる。
いってえええええええ、怪我すんの久しぶりだからな、俺。ただ毎日蓄積してきた慣性を一気に使えばまだ戦える。それにこいつは俺との相性がいい。単純にスピードと筋力勝負なら負けねえ。
ボスは再び発砲しようと下げていた手を上げようとする。しかし明らかにさっきと比べて動きが鈍い。
俺のカンセイキャンセルは他人にも適応できる。こいつから慣性を奪いつつ俺の慣性に再利用する。
とりあえず金属を俺の絶対領域にして金属操作の能力発動対象にする。龍が守ってくれなくても俺自身が盾を生み出す。
鉄也が操作した金属は盾へと形を変える。
今の俺にはこいつに対しての有効打が思いつかない。だからこそ全力で成瀬さんを守る戦い。
鉄也が操作した金属が迅の傷跡を塞ぐ。
「ありがとさん。流血さえ止まりゃ、あとは戦える。」
この勝負の勝率を上げるための絶対条件、成瀬さんをこれ以上負傷させないこと。今の鉄也さんじゃこいつに有効打を与えられる手段は僕のデータにはない。
ボスは二丁の拳銃を同時に発砲する。
「そんなの無駄だっつーの。」
迅の慣性キャンセルが弾の勢いを完全に失わせ地に落とす。
銃が役に立たないと悟ったボスは銃を放り投げた。
この戦い、このまま行けば負けはしない。ただ対成瀬さんの戦闘中に公安はすぐに駆けつけた。つまりヤクザの麻薬の件を嗅ぎつけて近くにいた可能性は70%。いつこの場所に突撃してきてもおかしくない。タイムリミットは公安が来るまで!!短時間で決めきる必要がある。
「僕がサポートします。全力でついてきてください。」
「言われなくとも。」
「透に任せる。指示を出せ。」
二人は拳を構えた。




