14話 アジト潜入
「ここがヤクザのアジトね。」
アウトローズにとっては数日前に見たばかりの光景だった。それなのに、このビルは異様に高くそびえ立つように感じさせた。
「やるんだな、今。」
「ああ、迷ってる暇はない。」
「成瀬さんの能力の詳細はわからないもののヤクザの規模感的にもボスとまともに戦える可能性は86%。やれますよ、僕らなら。」
「行きましょう。」
5人はビルを見上げる。
「ってことで俺は先に向かってるわ。」
「ってちょ、成瀬さんはこの建物の構造知らないでしょ。」
「元陸部エース舐めんなよ?爆速で踏破してやんよ。」
迅は既に視界に入らないところまで走り去っていた。
「なんて強引な人だ、またデータを整理し直さないといけないことになる。」
透はため息をつきながらもどこか少し楽しそうだった。
「私たちも急ぎましょう。」
アウトローズは周囲を警戒しながらもビルを登っている。しかし心音の耳には何も聞こえてこなかった。
「あ、こんなとこにヤクザ転がってんじゃん。あの人派手にやるなあ。」
「おかげで登るのが楽で助かる。」
階段を登りきる。その先にもう階段は存在しない。
「最上階、ここにボスが入る確率は93%。気を引き締めてください。」
「当たり前だろ。」
奥には一際大きい部屋がある。そこからは異質なオーラ、いやオーラですらないのかもしれない。何もない恐怖が、そこにはあった。
「待ってたぜ。ここがすべての元凶、さて、今日の残業終わらせるとしますか。まあ日付もう回ってるけど。」




