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要の意味  作者: かなりあ
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無事を祝す

「じゃあ、また後でな。」

『ああ…迎えに行く。』

「はいよっ」


私は兵舎へ、ギルは領主館に入っていった。


剣聖団だと言い、指示された部屋にいく…

他のハンター達にチラ見される中、手招きする団員達にふと笑みがこぼれた。


「生き残ってたか!!」

『ったりめ〜だ!死んでたまるか!』

「ハハハハッ!良かった良かった!」

『カナメ、何やったんだよ!?』


騒々しいいつもの雰囲気でホッとする…


「秘密っ!」

『はぁ〜?いやいや、無理だから!吐け!』

「ホントに出来るとは思ってなかったんだ。それに、方法を教える気はない。」

『何でだよ!教えろよ!』

「あんなのが世間に出回ってみろ…ヤバい事になる。皆になんて言えばいいか考えねぇと……」

『あ?団長にも言わねえのか?』

「言わない。脅されても言わない。」

『……そうするとお前がやべぇんじゃねぇか?貴族共とか…』

「そうなんだよ!…わかんねぇ…で、通る?」

『馬鹿かおめぇ!通るかよ!』


手を合わせて上目遣いをして…


「…わかりません…ごめんなさい…でも?」


『…無理!』

「あ!今迷ったな!?ハハハハ」

『ち、ちげぇ!…兎に角、絶対無理。』

「うーん……ちょっと考える…」


窓際に移動し、私の青い鳥の横で腕を組む…


だって私が人質になるなんて予期せぬ出来事だったし…持ってるもので閃いただけで、行き当たりばったり…

合図って言ったら、音か煙りだろ?粉塵爆発を思いついた事がすごくねぇ?

粉がどこまで広がるか分からなかったから、合図が気付かれなかったとかになっちまったら終わりだろ…

それに、火を入れたからといってホントに爆発するか分からなかった…なんか空気と粉の濃度が重要だとかネットで見たけど…


「…なぁ?四郎…」

「アアン?」

「ふふふ…迫力ねぇなぁ…」


しっかし、ホントに爆発したもんな…すげぇ吹っ飛んだし。

凄すぎた事が問題だったんだ…さて、どうするか…

特別な爆発物じゃなく、ただの小麦粉でああなるとか、知ってた私でもビックリなんだ。言ったところで信じないだろう…いや、信じた方が小麦粉禁止令とか出て、大混乱になりそう…恐っ…


他だ…他の爆発原因を作るなら…ガス、石油、酒…



……酒?!キターーー!!


何処でも手に入れられる!

燃える事は皆が知ってる!

製造禁止されても、濃い濃度の酒だけ!


…完璧じゃねぇか!!



「よっしゃあ!!」



『何が、よっしゃあだ!馬鹿野郎!!』


ゴンッ!


「いっ…頭、突き……サリド……」

『おめぇ、どんだけライネル止めんのヤバかったか、知んねぇだろ?!』

「…知りません……」

『殴るわ蹴るわ、剣抜くわ、船ブッ壊すわ…分かってんのか!!?』

「…ハイ…誠に申し訳ございません…」


もう姿勢は正座である…


『そうだな。謝るのが先だわな…しかーし!……』

「…何…なんでしょうか?」

『大将取ったことは賞賛してやる!喜べ!』

「………」

『あん?喜ばねぇのか?』


顔をあげて、サリドを見る。


「良かったよ。イベルナをこれで守れる…上出来過ぎる手柄を取れた…」

『…何が不満なんだよ…』


首を振って応える…

色々あったんだよ…

敵に情を持った…なんて、おおっぴらに言えないんだ…


『…きっちり、俺らに話して貰うぞ。口上考えとけ!』

「うん…後で話す。皆…本当にごめん。心配かけて…」


『そうだぞー!俺にもっと謝れ〜!』

笑いながら指差すハリド…


無表情で頷くセシル…


『いつになく、しおらしいじゃねぇか…』

腰に手を当ててニヤリとするマッド…


居心地が悪そうなライネルは、ふてくされて目を合わせてくれない…


「ライネル…ありがとな!」


『…おう……』

照れた時の癖…前髪を掻いて俯くライネル……


あったかいなぁ、コイツら…

そうだよな…落ち込んでても、何の意味もない。

過ぎた事は変えられない…

私が今するべき事は、コイツらと無事を祝う事。

コイツらと一緒に笑う事!



「好きだぞ、兄ちゃん!!」

『ブッ』


ライネルの体をミシミシ言わせる程に絞めてやる。



ーーーーーーハハハハハッーーーーーー


『やめ…ろっ!』

「おっと!…妹の抱擁を拒むなんて……」

『加減しろ!妹はフワッと抱きついてくるもんだ!フワッとだぞ?ほら!』

「ほらって何だよ…もうしてやんねぇよ?ふふふ」

『フられてやんのっ!ハハハ』

『虚しい!広げた腕が虚しすぎるぜ!』

『ふふっ…』

『ククク…どんまい、ライネル!』


『…泣いちゃうぞ?』

「気持ち悪ぃ!」



ーーーーーーハハハハハッーーーーーー



『飯行くぞっ!』

「待ってましたっ!!…行くぞ、ライネル!」

『おう!』


肩を組み、そのまま向かう…


「いざ行かん!タダ飯へ!」

『…そうなのか?』

「違うのか!?」

『…冗談だ!ハハハッ』

「はぁ…お偉いさん方を見損なうとこだった…」

『そんぐれぇで大げさ何だよ…』

「えー?飲めや歌えやの祝勝会じゃねぇの?」

『マッド!明日だろ?』

『そうだ。今日は軽く…明日が肝心の功労賞ってやつだ。』

「へぇ〜!イベルナ族はいつ、王に会える?」

『金を捕ったイベルナ族長は、戦後報告の貴族と向かうんじゃねぇか?』

『あの隊長といくんじゃね?2人でとっ捕まえたんだろ?』

『クッ…』

「どうしたセシル…」

『……間に合わなかった』

「え?何が?」

『セシルの目の前で手柄上げられたんだ。後一歩及ばず〜!』

『チッ…』


へぇ〜気にもしていなかったけど、金ピカ爺はスバルとジグルードさんに捕まったのか…



「で…今更なんだけどさ……皆髪の毛、黒っぽくなってねぇ?」



ーーーーーーそうなんだよ!!!!ーーーーーー



廊下で全員が叫ぶもんだから、耳がキーンとする…

「何度洗ったと思う!?」と怒り心頭で詰め寄ってきたり、肩を落としてブツブツ言ってたり、多種多様の反応をみせた剣聖団…

騎士達やギル達の方が問題だな…ヴィルとかうるさそう………


「……まぁ、落ち着いた感じで……そう、渋い!渋い男って感じだぞ!!」


キッと集まる視線に、たじろぐ私…



『『『ならいい!!』』』


「…ふぅ…」



私のフォローは的確だったようだ…

短い髪を引っ張り、アッシュがかった色を確認しようとする団員達。

金髪頭がくすんでしまった兄ちゃんが一番嬉しそう…

本心では、どうしても、金髪もったいねぇと思うのだけれども…



外へ出て演習場が見えてくると、松明に照らされた、急遽造りました!的な木板のテーブルが置かれ、適当な木材が椅子代わりになり、キャンプ場のバーベキューみたいな雰囲気。

人の集まるところには、恐らく料理があるのだろう。セルフサービスらしく、自分で酒や料理を運んでいる。


我先にと走り出し、群がる人の後ろに並ぶ…


ハンター達にやいやい言われながら、忙しく女性が料理を注いで、差し出す盆に置く…

何だか可哀想になってくるが、私も腹が減ってしょうがないんだ…

内心言い訳しながら、私も「大盛りで!!」と叫んだ1人です!ハハハ


空いているテーブルにサッと座ると、皆が周りに集まってくる。

ウズウズしながら酒を持って待ちわびること数分…



『皆…今日はよくやった!全員生き残り、成果を上げた事を祝って…乾杯!!!!』



ーーーーーー乾杯!!!ーーーーーー



一気に飲み干し、プハァ〜と皆が顔を歪ませる。

そして、何故か私に空のカップを差し出してくる……


「…私が?」

『サッサと入れてこい!!』

『今日の酒番だ!』

『謝罪の意を示せ!!』

『ギャハハ!そうだそうだ!』

「ええー!?腹減ってんだよ!!」

『言える立場か?きびきび動け!』

『ん。早く…』


盆を空け、皆がガツガツカップを置いていく…


「分かったよ!やらせて頂きますよ!!」


両手に一つずつ盆を持つと、背を押される。


「クソっ!私の食ったらぶっ殺すからな!!」


『行け行け!時間の無駄だ!走れ!』


はぁ…最悪だ…何で私がこんな目に……




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