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要の意味  作者: かなりあ
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青い鳥

気候が違うというのは、人にどう影響し、どの様に変わるのか…


それはもう村の建物から肌の色、服装など…一変していた。


川の北側…私達が今まで居た町、村は、レンガや石を切り出した建物。そして木造だ。

服は、カッターシャツのような前開きのボタンで閉じる物が大半で、セーターや分厚い外套をきる。女はハイウエストで腰を縛ったロングスカートだ。

肌の色は、大抵白く、夏でも弱い肌を隠すため、長袖である。



川の南側…この村はと言うと、高床式の木造建築に、屋根が白いドーム型。聞くと、町では石造りの家もあり、大半が普通の木造で、この地域的なものらしい。

男は半袖Tシャツ、ベスト。女は肩紐で下げるふわりとしたロングワンピースに、上から丈の短い服を着ている。色も結構派手な物が多い。

肌は、私が日焼けした時と大差ない、小麦とまではいかない、黄色人種的な色合いで、非常に親近感が沸く。とはいえ彫り深な顔立ちだから、全く似てはいないが。


言葉も違っていた。わかる言葉の合間にわからない部分があるのだ。

アルが言うには訛りらしい。意味は分かるので、おそらく関西弁とかそういうもんなのだと思う。

私は密かに、関西弁へ脳内変換させる事に決めた。





6日後、マラッサルと言う町に着き、護衛の旅は漸く終わった。

もう一月もすれば一年が終わる。

春になるまではこの地方を旅するらしいから、とても楽しみだ。

南端には海があるようだし、刺身や魚介類を狙いに行かなければ!




「いや〜いいね!この開放感!…商人に気を使わないでいいってのは!」


今私達は狩りの依頼で外に出ている所だ。


「気ぃ使ってたか?」

「え、なんだ?使ってたろう?」

「商人に混じって酒を食らい、喋りまくってただろう…あれの何処に気を使ってんだよ…」

「そうだよ。盛り上がっちゃってさ〜」

「「お前が言うな!」」

「ん。違いない…」

「ええ〜俺は盛り上がってないよ。盛り上げただけ。」

「一緒じゃねぇか。……うわ!これ何?何て鳥なんだ?」


カラス程の大きさの真っ青な鳥だ。頭の先がオウムのように立ち、そこだけ黄色と赤で染まっている。


「……知らん」

「俺も知らないな」

「町に帰ったら自分で調べろ。」

「…だな。アリエ達に絵を描いて送ってやろう。」

「さ、まだ依頼済んでねぇんだ。さっさと探すぞ!」

「はいはーい。」


ファサッ


「…え?な、何だよお前…」


突然起きた風を反射的に腕で庇うと、ずっしりとした重みが腕にかかり、あの青い鳥が止まっていたのだ。

…いや、お前が首を傾げるのか?私が傾げたいんだよ…

鳥にゃあ、わかりゃしねぇだろうがな…


「懐いてる!可愛いじゃん!」

「連れて行くのか?」

「…さぁ?ま、飽きたら飛んでいくだろ。」


鳥を肩に移動させ、私はワニを探す。

今日の依頼は黄長鰐の討伐依頼なのだ。

いきなり見知らぬ猛獣を受けるとは命知らずだよな…と思う。

ま、大量発生しているらしいから、何頭でもいいからお願い!って感じだ。


ちょいちょいって感じで手招きするアルに近づくと、こちらを向いて小声で言う。


「ほら…あそこにいる。」

「…うわ〜いるね。」

「案外小さいな…」

「…挟み撃ちだ。俺とアルがあちらからいく。ワニが俺らに向かってきたら後ろからやれ。…首側面に刺せば殺れる。」


頷いて返事をし、ギルとアルが離れていく。


「何故いつも私とヴィルなんだ?」

「ギルなりの気持ちだよ。」

「はい?」

「危ない方に行ってくれてるの。引きつける役なんてカナメにさせたくないんだよ。」

「有り難いけど…マジ父親かよ」

「クックック…せめて女の子扱いって思ってあげてよ。ふふっ」

「…女扱いじゃ、こんな所つれてこねぇよ。それは困るから今で十分だけどな。」

「それはカナメの意向に沿っているからでしょっ」

「……お前は何で守られてんだよ。」

「俺はギルほど強くないからね。どっちかって言うと頭使う方が得意だし。」

「それは知ってる。けど、そこまで劣ってはいないだろ?」

「俺のことそんなに評価してくれてるの?嬉しいな〜」

「……ほら、いくぞ!」

「はいはい。俺張り切っちゃおっ!ふふふん」

「きもっ…」



バシャバシャ動き出す黄長鰐に向かって走り出すと、青い鳥は飛んでいった。

長い尻尾を避け、首の後ろに乗って、ザックリ突き刺す。

逃げ遅れたワニを三匹程やり終え、逃げて行った川を警戒しながら皆が集まる。


「11匹ね。依頼2つ分達成!」

「ちゃんとトドメを差したか確認して運べよ。」

「わかった。」


長いけど、太さは片腕で抱えれる程だ。

三匹まとめて縄で縛り、肩に担ぐ姿はもの凄くシュールな絵になっていることだろう。


御者の後ろに座り、出発するとまたあの鳥が肩にバサバサッと降りてきた。


「うわっ!」

「うおっ!…びっくりした〜!」

「またお前か…」

「着いてくる気なのかな?」

「宿だから飼えないんだがな…しかし綺麗な色だな。」


膝に移動させても、頭上の羽を摘んでも、ツンと澄まして前を向く青い鳥。


ヴィルが手を伸ばすと、サッと膝を降りて避ける。


「なんで?…カナメだけ?」

「俺は?俺は?…あ!くそっ」


アルからも逃げ、荷車の屋根に乗った青い鳥。


「…おいでっ」


うん、悪くない。

こんな無防備を晒し、当たり前かのように私を選んで、他に行かない青い鳥…


「おぉう、よしよし…私だけ許してくれるんだな。…いいだろ〜?」

「その顔苛つくぜ〜…」

「…うん。凄く癪だよ…何が原因でカナメだけなの?」

「男は嫌いなんじゃないか?ま、羨ましいからって僻むな僻むな。ふふっ」

「……あ!もしかして…金青の鳥…」

「金青の鳥?…アルファンヌ物語か!」

「…コレは金青ではないぞ?」

「何なんだ?アルファンヌ物語って…」

「伝説の鳥が出てくる物語だよ。とある国にーーーー」



アルファンヌ物語…


とある国に、没落寸前の貴族がいた。

ある日、その家の娘の元に、金青色の鳥が舞い降りる。

その時、立っていた干ばつの大地に、見る見る草が生え、頭上を飛び回れば、花や緑の生い茂る庭が出来た。

令嬢にしか近づかぬ鳥は、願いを聞き、領地に緑を蘇らせた。

それを聞きつけた自国国王。

令嬢に、各地への訪問を命じ、厳重な警備を付け旅をする。

だが、異国の者に狙われ、何度目かの時、金青の鳥諸共囚われる。

引き離された令嬢は、ただただ鳥を案じ、無事を願った。

日に日に衰弱していく令嬢。

ある日、何も見えぬ深夜の闇の中で、男性が問いかけた。

「我の名は?」

令嬢には聞いたこともない声だったが、あの金青の鳥が浮かんだ。

「アルファンヌ…」

青白い光と共に牢屋から二人は消え去った。

鳥も令嬢も失ったその国の城で、唐突に、巨大な根が幹が枝が、壁や床石を突き破り、一時で廃城と化した。

それ以来、探し出そうと言う者は居なくなった。

こうして、姿を消した令嬢と鳥だが、ある噂が蔓延する。

干ばつで苦しむ地に、金青の鳥を肩に乗せた少女が、緑を蘇らせにやってくる…




「うんうん、懐かしいな!」

「…ああ。よく読まされた」

「妹のシルフィーちゃんに?」

「ああ…」

「ギル、妹居たのか…しかし、お前にそんな力はないだろう?…でも、喋れたら良いな〜…カナメ!…カナメ…言ってみろ。」

「ガハハハ!喋るかよ!物語だぞ?クククッ」

「鳥って、言葉を覚える奴もいるんだぞ?」

「…そうなの?」

「前の世界では普通に売られてた。コイツが喋れるかはわからないけど…」

「つーか、もう町だぞ?ソイツどーするんだ?」

「宿についても離れなかったらどうしようか…」

「窓から入れたらバレないんじゃない?」

「だな!そうしよう。」

「しかし…目立つだろう」


『メダツダロウ…』




「「「えっ!?」」」




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