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異世界『怪奇屋』へようこそ  作者: 雲英侑李


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第21話 怪奇レポート4-5 口裂け女

「口裂け女、そのような恐ろしい化け物がこの屋敷にいる、と?」


「分かりません。私の知識では口裂け女は屋外、人通りの少ない道で深夜に目撃されるはずです。屋敷の中に現れたというのが気になります。」


「アリスさんの世界の口裂け女とは別の存在、というのことは?」


「あり得ます。そもそも私の知識も実在するかどうかわからない伝承や噂ですので。確認したいことがありますので少々お時間を頂いてもよろしいですか?20分ほどこの屋敷から離れさせていただきたいのですが・・・」


「構わんとも。この屋敷もそれ以外も好きに調査してくれて構わない。屋敷の中の調査には私も同行させてもらうがね。」


「ありがとうございます。それでは失礼いたします。」


ってことで屋敷から出て、一旦お店に戻ってきた。


「アリスさん?おかえりなさい。」


「シア、今ちょっといい?」


「慌ててどうしたのじゃ?」


「口元が裂けた女の姿をした妖怪って知ってる?」


「口裂け女かの?直接知っているわけではないが、話は聞いたことがあるのじゃ。」


「どういう妖怪か聞いてもいい?」


「妖怪は妾のように人語を介するものがほとんどなのじゃが、口裂け女だけは別じゃな。そやつが口にする言葉は「ワタシ、キレイ?」だけじゃと聞くしの。人の前現れては覆っている口元を見せながらそう問うてきれいと答えれば口元を切り裂き自分と同じような姿にし、それ以外の答えであればそのものを切り裂いて殺す妖怪じゃったかの。」


「大体は私の知識にある者と同じだね。どういうところに出現するとか分かる?」


「どこにでも、じゃな。妾も長く生きておるゆえ、知り合った妖怪は数多いのじゃが、口裂け女とはあったことがないのじゃ。他の大抵の妖怪とは知り合ったことがあるというのに、じゃ。」


「本当に妖怪なの?」


「怪しいのぅ。他の妖怪の話では妖怪だと聞いておるが、妾の出会ってきたすべての妖怪が口裂け女とはあったことがないと思うぞ?」


「だいぶ特殊みたいだね。」


「妾は妖怪ではないが、使役タイプの式神か何かではないかと睨んでおる。」


「式神、ね。確かにあり得そうだね。ありがと。また行ってくるよ。」


「気を付けるのじゃぞ。口裂け女を相手にするとなると危険はあるのじゃから。」


「もちろん気を付けるよ。それじゃ引き続き店番お願いね。」


ってことでラパン様の屋敷に戻ってきた。


「戻りました。私の店で雇っている妖怪に聞き込みをしたところ、彼女の知り合いすべてが口裂け女とは出会ったことがないとのことでした。どういった場所でも出現しうるとのことでしたので、この屋敷にいる可能性はあります。ですが、私とその妖怪の意見としては何者かに使役されている式神ではないかと考えております。」


「式神、か。私を恨むもの口裂け女を仕向けている、と?」


「はい。どちらかというと指定した対象に例の問いを投げかけ、答え次第で口元か全身かを切り裂く魔法のようなものでしょう。一定期間滞在するのであればもっと濃い気配や本体そのものがこの屋敷に残るはずですので。」


痕跡はかなり濃く残ってるけどそれでも長期滞在したような残り方じゃない。それに痕跡があるのはキッチンと被害者にだけだし


「状況は理解した。それで、どう解決するつもりなのだ?」


「おそらく人間が仕向けているのであれば、犯人はこの屋敷を監視しているでしょう。なので、まず、明日までに被害を受けた方を別の場所で療養できるよう手配していただき、そちらに移していただきたいです。そして顔がわからないように私が定期清掃をしに来たフリをします。そうすれば私を襲ってくれるのでは、という考えです。」


「今は1人でないから襲っていないだけ、という訳か。」


「はい。痕跡は残らないものの口裂け女を出した直後は魔法の探知か何かに引っかかるんだと思います。そういったことをできる何者かの存在を危惧して使用していないものかと。私は口裂け女に対する対抗手段を持っていますので。」


「口裂け女を処理したのち、こちらで犯人を捕らえよう。」


「お願いします。おそらくですが、この屋敷が監視できなければ実行もできないでしょうし、そこまで遠い場所ではないと思います。私のスキル[退魔呪詛]は魔法のような術を利用して召喚や憑依しているものに対して使えば元の術者にも影響が出ます。そう簡単には逃げれないほどに苦しむはずです。」


「そこを捕えればよいのかね?」


「はい。」


もしかしたら術者は死ぬかもしれない。あくまでも口裂け女を召喚して向かわせるだけなら死にはしないだろうけど、口裂け女を召喚しているわけじゃなくて魔法とかで作ってる場合、私を直接呪ったことになるだろうから、呪詛を跳ね返して呪殺しちゃうだろうね。


「それではそれでアリスさんに任せよう。」


ラパン様はすぐに負傷者の移動、明日ここに清掃に入るための服など手配をしてくれた。諸々の準備が終わったころには夜になってた。


「清掃に入る際には徹底した清掃を行うために口元を覆う布を使用していたそうだ。今日アリスさんがこの屋敷に入っていることはバレているだろう。ただ、普段顔を隠している以上それで怪しまれることはないゆえ、安心するがいい。」


「はい。ありがとうございます。」


そんな都合のいいことあるのかな?まぁ、いっか。明日は念のためシアも連れて行こうかな。

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