第10話 怪奇レポート2-4 寄り道
現場に関しては調査するようなことがないから今日は情報の共有だけで帰ってきた。まだ昼だしちょっとお店開けて依頼者来ないか待ってみようかな。
って、お店の前に誰かいる?
「どうしましたか?」
「こちらのお店の方ですか?」
「はい。アリス・カグラです。開けますからちょっと待ってくださいね。」
入り口の鍵を開けて招き入れた。まだ若い男性だけど、ひどく慌ててるような感じするね。とりあえず座ってもらってお水を飲んで落ち着いてもらった。
「すみません、ありがとうございます。」
「いえいえ。それにしてもそんなに慌ててどうされたんですか?」
「いえ。こちらのお店の噂を聞いて慌ててきたんです。うちは昔から怖い現象がよく起こるんです。」
「怖い現象?」
「はい。急にものが動き始めたり、人の気配を強く感じたりするんです。たまに人の姿を見ることだってあります。」
よくありそうな事故物件とか心霊スポットとかで起きそうな現象だね。
「それだけならまだ耐えれたんですが、最近は腕とか足を掴まれるような感触を感じることもあって。」
「物理的な干渉ですか。」
この人本当に不味いかも。物理干渉があるって相当ヤバイ場所なんだけど。日本にいた時に何回か味わったことあるけどあれは相当なんだよね。
「そうなんです!どうにか解決してください!お金はいくらでも積みます。」
「落ち着いてください。依頼料に関してはよっぽどなことがない限り調査・解決まとめて銀貨1枚と銅貨3枚になります。それでいいのでしたらお受けします。」
「そんなものでいいんですか?ってっきり金貨でも要求されるかと思ったんですが・・・」
「あまり高い金額はいただけませんよ。私のこの店はスキルによって問題を解決するものですから。」
「そうなんですか?とにかく今すぐでもいいですか?」
「はい。幸いこの後は空いてますし。」
ってことで男性の家に向かうことになった。外から見た感じだとかなりの豪邸だね。
「かなり立派なおうちですね。」
「先祖が遺してくれた土地なんです。父が俺にくれて持ってるだけだと勿体無いと思って家を建てたんです。」
「なるほど。元々何かあった場所かとか分かります?」
「いえ。この家を建てる前は更地だったんですが・・・」
「いや、今視てる感じこれ家じゃなくて土地が悪い感じがすごくて・・・」
土地全体から幽霊の痕跡がうかがえるし、何なら外にも多少見えてるし。これは解決結構大変かも。
「そうなんですか?」
「これもともと墓地だったりしません?なんかそういうレベルで幽霊がいそうなんですけど。」
昔もともと墓地だった場所に建つ心霊屋敷に行ったことあるけど私が行ったことある中でもトップレベルにヤバい場所なんだよね。人影が映るとかは当たり前に起こってたし、私が足を掴まれたことがある場所でもある。
元々墓地の場所って幽霊の数のヤバいし、質も悪い意味で高いんだよね。この場所もそんな感じがする。スキル無くても嫌な感じするし。なんでこんな場所に普通に住めるんだろ。
「よくここに住めますね。」
「そんなになんですか?」
「はい。あと、申し訳ないんですけど、これだけの数をどうにかしてほしいなら今日だけだと時間がちょっと足りないですね。他の依頼も並行してる状態なので、もし解決してほしいならちょっと待ってもらうことになります。」
「そんな・・・!」
「あと、ここにいる霊のほとんどが悪霊ではないので、冒険者の聖職者系の職業の方などに頼んで土地に神聖魔法を使ってもらうほうが効果的ですよ。」
「そうなんですか?」
「私のスキルは1度の発動につき1体の霊を対象にとってその霊を呪殺するものなんです。だからあんまり悪霊以外には使いたくないんですよ。」
「そうですか・・・」
「私からだと言えばギルドも取り合ってくれると思うので行ってみてください。で、それをやったうえで今後も心霊現象が起こるようなら私に相談してください。その場合多分もともと墓地だってことを利用して悪霊を寄せてる何者かがいると思うので。」
「分かりました。あ、名乗ってませんでした。俺レイオスっていいます。」
「覚えておくよ。それじゃ私はこれで。」
「あの、お金は?」
「解決で依頼していただいて解決できてないので頂かないですよ。これで調査で依頼を出されてたのなら別ですけどね。」
元々墓地だった幽霊屋敷がこんな感じになってるって知れただけでも十分収穫だしね。




