第六章:理科というパズル――自然のしくみを見つける(小3編)
三年生になると、理科の授業が始まった。でも裕太にとって、それは少し不思議な時間だった。
■ 「なんでそうなるのか分からない」
あさがおの観察。月の形。星の動き。
教科書には絵がある。
でも——「なんでこうなるのか分からない」裕太はノートを見つめたまま止まっていた。
「昨日はこうじゃなかったのに」「なんで今日は変わってるの?」
■ 真依の気づき
真依は思った。
(この子は“丸暗記”ができない)
(理由が分からないと止まるんだ)
■ 「変化を見る」に変える
「裕太、これ見て」真依はタブレットを見せた。
あさがおがぐんぐん伸びる動画。
「……動いてる」「そう。毎日ちょっとずつ変わってるの」
■ 例題でやってみる
【例題①:あさがお】
きのう → 小さい/きょう → 少し大きい
「何が変わった?」「大きくなった」「じゃあ、なんで?」「水?」「太陽?」「いいね。それを書いてみよう」
■ 美佐子ばあちゃんの一言
「ガハハハ!“昨日と違うところ”探せばいいのよ!全部分かろうとするから止まるの!」裕太が笑う。
「それならできる」
■ 「なぜ?」を考える
でも、次に止まる。
「なんで大きくなるの?」
■ 考え方を教える
高野が言った。
「裕太、“もし〜なら”で考えてみよう」
■ 例題②
【もし(IF)】水をあげる/【なら(THEN)】大きくなる
「これが理科の考え方だ」
「……ルールみたい」
「そうだ」
■ 梅子ばあちゃんの話
梅子が言う。
「現場でもね。“分からない子”じゃないの。“考え方を知らない子”なの」真依が静かにうなずく。
■ 月の形でやってみる
【例題③:月】
一日目 → 細い/三日目 → 少し丸い
「何が変わった?」
「形が変わった」
「どうして?」
「光の当たり方?」
「いいね」
■ はじめてつながった
そのとき、裕太が言った。
「全部同じだ。変わる→理由がある。それを見つければいいんだ」
■ 母の気づき
真依は思った。
(この子は覚えられないんじゃない)
(理由が分かれば覚えなくていいんだ)
■ まとめ
裕太は、理科が分からなかった。
でも——・変わったところを見る・「もし〜なら」で考える・理由を探す
これで分かるようになった。
「いい?真依ちゃん」美佐子が言う。「理科ってのはね、“覚える教科”じゃないの。“気づく教科よ!”」
梅子がうなずく。
「できる子はね、“知ってる”んじゃないの。“気づける形になってるだけ”」
分からないものは、変化を見ればいい。
難しいことは、「もし〜なら」で考えればいい。
裕太は、自分のやり方で、自然のしくみを見つけられるようになっていった。




