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17/22

第17話 ??? ②


「スピムバーグ監督、どうでしょうか...」

「キャサリン、駄目だ。おそらく今作が僕の最後の作品になる。絶対に妥協はできない」


そう。今、私、キャサリン・ハイラルの前で頭を抱えている彼の名はスピムバーグ。


ハリウッド映画の名匠と世界的に呼ばれている男。


誰もが熱狂する極上のエンターテインメント作品の数々を作り出し、映画の興行収入記録を何度も塗り替えてきた天才。


そして今、まさに次の作品に手をつけているところ。


そんな彼が次に手掛ける作品はおそらくその人生で最後の作品と言われており、制作費は約300億。


過去類を見ないまでの今の彼の力の入れ具合いからもしても、国の垣根をも超えた最高の作品になることは間違いない。まさに自分のその命をかける気概がその身体中からは溢れ出ている。


そして今は、とある役のキャスティングがかなり難航中。


その役はアジア人を想定しているところではあるのだが、中々、監督が首を縦に振らない。全く振る気配すらない。


現に中国や韓国などでも監督の求める人材はまだ見つからず、次は日本の担当者が候補者として挙げてきた人物達のチェック中。


さて、この中に監督の求めるスターは眠っているのか。はたまた、今日も現れないのだろうか。


ハリソンやトム、ディカプリオなど、彼の作品から世界中で名の知れる俳優になった者は少なくはない。そして、今回のアジア人から選ばれる予定の一人も、次の作品の三人いる主人公のうちの一人だ。


事実、監督の目に止まった時点で世界的スターになることは確約されたようなもの。


だが、その彼の目に止まることがどれだけ難しいか...。


ちょうど、今もハリソンがリストにある俳優の演技などを動画で確認しているところなのだが、今も静かに首をかしげてまた、頭を抱えているところ。


彼が妥協ができる人間であれば、どれだけ楽だっただろうかと、これまでにも何度も思う場面があったが、今回に関してはそれが特に顕著だ。主役が三人そろわない限りはそもそも何も始まらない。


「.....」


そう。彼が求めている人物像、それは見た目はとことん凶悪。ただし中身は天然のコメディアンで超善人。特に、監督はそこに真の人間性との合致を役へと求めてくる。


そう。彼からすれば俳優が役に合わせるというよりは、その役、本人と重なる人間をキャスティングすることは絶対条件。特にそれが主役のうちの一人であれば尚更だ。


そして、これはかなり厳しい条件。

そう見つかるものではない。


そして、最悪の場合は...。



「WHAT!?」



!?



「どうしました?監督?」



まさか。



「な、なんなのだ。このクレイジーな男は...」


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