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第15話 裏の顔 ②

「番場ぁぁぁ!!!!!!!!どうなってんだこれは!!!!!!!」


あぁ、こんな爽やかな朝からまた癇癪を起こしているよ。

一応、日本のトップアイドル。爽やか王子こと、神宮司 大翔が...。


今回は、昨晩にとある会社のSNSに載せられた、みやび坂56の人気アイドルである花村 凛と、ある男とのツーショット写真に大変ご立腹な様子。


「この前に俺言ったよなぁ!!!凛と俺とのCMをこいつから取り返せってよお。どうなってんだ、進捗はよお。まさか何もしてませんなんて言わねぇだろうな!!!」


そう。自分の不祥事が原因であるにも関わらず、この花村凛と一緒に写真に写っている男、柳楽 雄大から仕事を奪われたから取り返せと、以前からこいつは俺達に無茶を言っているのだ。


そう。お前は興味がなくて知らないのだろうが、最近、絶賛好感度が爆上がり中の悪役俳優である、あの柳楽 雄大から仕事を取り返せと。


「もちろんです。しっかりと動いております」

「あぁ?しっかりと?なら、何でまだこいつから仕事を取り返せた報告が俺にない上に、CM先企業のSNSにこんな写真が載せられてんだぁ?そこをしっかりと説明しろ!!!」


はぁ...。


「少々、お待ちください」


今日こそは出てくれよ。と切実に願いながら、マネージャーの俺、番場 二郎はある男に電話をかける。


いや、そもそも上司からの電話を出ない上に折り返しもしてこない部下がどこにいる。あれから、約1週間だ。さすがにこれぐらいは何かしら動いてくれていると願いたい。


って、繋がった...。


『おい、小泉。柳楽 雄大のCMの件、どうなっている』


頼むぞ。小泉...。


『ええ、大丈夫です。仕込みはパーフェクトに完了しました。来週には、私の画像フォルダと動画フォルダがSNSでボルケーノの如く火を吹き出しますよ。彼、もう叩けば叩くほどボロが出てきて笑いが止まらないですねぇ』

『おお、そうか。小泉、よくやった』


とりあえず、これで今回の報告は何とかなりそうだ。

まあ、あんな凶悪面してんだ。最近は何故か好感度重視の路線変更を試みているみたいだが、何かしらは黒い部分が出てくるわな。確かに、出てこないわけがない。


『ええ、もう実質的に柳楽 雄大はチェックメイトです。クックック、週刊誌の方も来週にはもうね。どうやら、彼、《《来週の水曜日》》にまた生放送の大きな番組仕事が一本入っていると噂をききつけましてね。その直前に僕が彼について手に入れた全ての情報を露わにしてあげるつもりです。プッ、どんな悲惨な顔をして生放送に出てくるか楽しみですね。実にエクセレント!!!』


そして、また電話越しから人をイラつかせて止まない小泉の指パッチの音が聞こえてくるが、そうか。小泉にしては本当によくやった。


とりあえず、俺は電話を切って、今聞いた旨をあらためて目の前の爽やか糞王子に報告。


「おお、そうか、そうか。番場ぁ!!!!当たり前だ。この世界、叩いて埃のでねぇ人間なんて一人もいねぇんだからよ。ハハハハ、俺の仕事を奪った罪はデカいぞ。いいか、番場。徹底的に奴を潰せ。完膚なきまでになぁ!!!!!ざまあ!!!!!!」


「はい。かしこまりました」


まぁ、柳楽 雄大には、全くもって恨みはないから申し訳ないが、これも俺の仕事だ...。許せ。


「ハハハハハッ、今日は気分がいい。今晩、六本木のクラブのVIPを抑えとけ。わかったな?さあて、今日はどの女にするかなぁ」


本当に、自分もマネージャーとして加担してしまっている以上あれだが...

どうして、こんな男の都合のいいように世の中が回るのだろうか。


柳楽 雄大。せっかく今まさに好感度が上がって、ノってきたというのに...


「......」


ここでお前が終わってしまうのは不憫で仕方がないが、これも芸能界。


残念だ。

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