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一万人の転移  作者: 藤村 次郎
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収穫祭と運動会

 早いものだ。今日は7月1日。

稲も稔り、予想の5割増しの収穫があった。

魚や貝など海産物は干され、倉庫に取り込まれた。

かぼちゃや木の実も次々と取入れがあった。

およそ、この冬は過ごせそうだ。


 ジローに聞いたところ、この星は1年は360日で、30日の12か月で回しているとのこと。うん、星の運行まで制御できているのか??。恐るべしジロー。

ということで、今日はシン歴7月1日だが、魔女の星歴に変更することにした。

春は3、4、5月。夏は6、7、8月。秋は9、10、11月。冬は12月と翌年1、2月になる。なぜか、地球の日本の暦に似ている。

確か、この世界を作ったのは神崎元だと聞いた。まあ、そういうことか。

そして、今日は魔女歴では秋の11月1日だそうだ。


 朝、早くから祭りの準備が進む。式典が昼前で、昼食が振る舞われる。

秋は日がすぐに落ちるので、今年はそこまでが祭りである。来年は夜市も出したい。

実行リーダは、兵糧隊のユメと、副リーダは救援隊のアランである。

兵糧隊は、よく頑張ってくれた。


 集合の合図として鐘がカーン、カーン、カーンと数秒置きに鳴らされた。

神殿前広場には続々と人が集まってくる。

魔女の家からはジローとサナエ、パラレルワールド管理局からはキーとアンがやってきた。

祭壇には、米、かぼちゃ、ナス、トマト、ジャガイモ、鳥やいのししの肉などが供えられた。

広場には、御座と座卓が並べられ、料理が盛られている。


 親衛隊長のムルベが、「みなのもの、静まれー。 神殿に向かってきりっつ!。」

「これより、収穫祭を行う。 この半年、よく頑張ってくれた。」と、シン。

「神殿に向かって2礼。4拍手、1礼を行う。用意!」ムルベに合わせて全員が参拝した。


「今日から暦をこの星に合わせる。今日は星歴5603年11月1日なるが、年号は今まで通りシン歴を使い、シン歴元年11月1日となる。以後これを使うように。では、今日一日楽しんでくれ。」とマサムネ。


 「収穫祭に併せて、運動会をおこなう。 昼食が済んだら皆、各自の陣に集まれ! 」と運動会実行委員長のユメ。

運動会は、若干の手違いはあったが、概ねプログラム通り進行できた。

綱引きの綱は、急遽、蔦をより合わせて作ったで、直径が20センチ、重さが1トンもある。両方の組で100人が小脇に抱えるようにして、引っ張り合う。まあ、予期したとおり10本用意したものが全て切れてしまった。

結局、決勝には綱がなく、ササキ隊とブルグ隊が引き分けとなった。


大玉送りの玉は、ウサギの皮をつなぎ合わせて、直径2Mのものを作ったが、重さが100Kgもあってなかなか思うようには前に進まなかった。手首の負傷が続出して中止となった。

借り物競争は、好評で“ポチを借りる”では、ポチに咥えられてゴールする羽目になって、大喝采を博した。

などなど、皆は一日を楽しく過ごした。


「12000人総動員の運動会なんて、想像もできなかったけど、すごかったね。」とジロー。

「いやー、ほんとうに大変だったわ。でも、楽しかったね。」とユキ姫。

「こんなに活気に満ちた人たちを見たのは、久しくなかったですね。」とキー。


 収穫の成果は以下の通りで、予測より少し多めに確保できた。

米は思ったより多く収穫でき55区画*5000Kg 約275トン。やぎ200頭、豚300頭、ニワトリ1000羽、牛20頭。その他備蓄として、ウサギ肉2トン、干し魚30トン、ジャガイモ30トンなどなど。

この冬は越せそうだ。

ジローから聞いた話だと、この地は12月から2月まで雪が数回降るらしい。しかし、あまり積もらないそうだ。最低気温はマイナス5度くらいになって、日中も高くて10度くらい。

だから、冬野菜も作れる。すでに畑には大根や白菜が育っている。

今年の行事は、これで終わり。次は新年会である。

今日一日の情報をパソコンに入力しようと思ったが、明日にしよう。 もう寝よう。うれしい。

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