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一万人の転移  作者: 藤村 次郎
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剣が鍬に変身

 シン歴11月10日。

あ・そうだ。武器がそのまま眠っていた。

今のところ、使い道がないので、農具などに作りなおしてしまおう。

鍬も釘も足りないし、釣り針も不足しているしね。

「マサムネ、鍛冶師を集めてくれ。」


「鍛冶師のアイアンと申します。」

「では、ここに集まった武器を農具に作り直してくれるか」とマサムネ。

「それには、炉がないとちょっと難しいです。」


 武器の磨きや修理に必要な人員として、アイアンは兵糧隊にいた。

金づちや金床など火を使わない道具は1式持ってきていたが、可搬式の炉はもちろん無い。

ということで、炉を作ることになった。

一から耐熱煉瓦を作るのは無理があるので、廃墟からそれらしいものを調達しようということになった。

確か、神殿から山の方に500Mほど入った、小川の傍に崩れた煙突があったと誰かの報告に載っていた。

早速、アイアンに伝え、調査に向かわせた。


 持ち帰ったレンガをつなぎ合わせて、間口30cm、高さ、30cm、奥行き50cmの箱形を作り、上は開放にする。また、鉄棒を10cm高さで並べて床にし、燃焼した灰をこの下に落とす。手前の下に鞴からの空気入れを作る。

まあ、小さいけれど、とりあえず鋳なおしだけだから、炉はこんなものかとアイアンがつぶやく。

続いて、ふいごを作る。これは木箱にピストンになる木を入れて、吸気と排出口に弁を付ける。手押し式だ。このような炉を3つ作くり、カンダ、クヌギという鍛冶師も加わわらせて、作業を進めた。


 炭は兵糧隊が燃料として持っていたので、少しは融通できるが、沢山使うので炭焼きをせざるを得ないだろう。

とりあえずは、準備ができた。

剣を炉に入れて、熱くしたところで潰してゆく。そして、鍬を作ってゆく。

一日、10個ぐらい、剣から鍬や鎌に変身していった。

来春には、耕作が楽になりそうだ。

そのうち、砂鉄や鉄鉱石などを探そう。それまでに製鉄炉を作ろう。

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