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一万人の転移  作者: 藤村 次郎
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楽しいことを皆でやろう

 5月15日。

週に1度となった、本部会議で、

「運動会というものをやりたい。」とシン。

「来月から収穫で皆忙しくなる。その前に、この青い空の下で楽しく遊ぶことを考えたい。」

「走る、投げる、歩く、飛ぶなど身体を動かして、競争する。勝った者には商品を与える。例えば、広場の端から端へ駆ける。早いものから1番、2番、3番として相応しい商品を渡す。また、水に浮かべた丸太の上で落とし合いをして、勝ち抜きを競う。などが考えられる。」

「遊びを考えるもの、商品を準備するもの、会場や道具を準備するものなど。リーダーやメンバーも選出してゆきたい。全体の指揮は、兵糧隊長のユメにお願いする。」

シンが一通り説明を行った。


「これはまた面白そうですな。どこでそのようなことを考え付かれたのですかな?」とムルベ。

「ああ。魔女ジローからの発案さ。」とシン。

「皆の親睦にも良さそうだね。」とアラン。

「体術の披露もしたいですね。」と副官のハヤシ。

わいわいがやがやと、期待と慎重の意見が交わされ、とにかくやってみようではないかと話がまとまった。


 3日後、再び本部会議が開かれた。

プログラムをユメが説明する。

1、綱引き

2、大玉送り

3、丸太落とし

4、借り物競争

5、2人三脚

6、フォークダンス

7、リレー競争

8、各隊の体術演技


兵糧隊からは出店を開く。 いか焼き、鳥の串焼きなど昼時合わせて出す。

まだまだ食料事情に余裕はないが、酒も出す。

それと、実施時期は収穫祭と一緒にやろうということになった。


 このころ、アランはというと、自分専用の薬草園に入り浸っていた。

そしてその横にはいつもエンダントの姿があった。

仲の良い親子のように。

「ねーアラン。これは何に使うの?」

「これは、ダンディライオンと言って、肝臓に効くんだ。ちょっと苦みがあって、お茶で飲んでも良いんだ。」

「へえー。そうなんだ」

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