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一万人の転移  作者: 藤村 次郎
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神殿を作る

2月3日、ユキ姫が神妙な顔でこういった。

「シン様、夜明け頃に神様からご神託があったようなのです??。こちらにも神がおわすのでしょうか? 」とユキ姫。

「確かに神様にご加護を祈ったし、今日一日の無事も感謝したのだが?。 」

「どのような、ご神託だったのか? 」

「ここより、西へ1KMほど向こうに小高い丘がある。そこに神殿を建てよ、というメッセージなのです。」

「はて? 小高い丘などあっただろうか? まあ明日、見に行けばわかるだろう。」とシン。

「形は、20M四方になるよう頭大の石を3人丈の高さに積んで、南より入って北側に祭壇をつくる。また南の入り口には左右に石の柱を立てよ!と言っていました。」

魔女ジローからのメッセージなのかな?


2人で、土間に構図を描いてゆく。明日、下見に行こうか?。

「それにしても、不確定な現状では、信ずるものを持つことは良いことだと思う。戦いのない今、皆の心をまとめるにはどうしたらよいかと迷っていたので、渡りに船とはこのことかな?。どのような名称にするかを考えておこう。」


シン歴2月4日。

シンは、親衛隊・副隊長のハヤシを呼んで、腕のいい石工を探してくるように命じた。

暫くして、ゴンゾウとバンいう石工を連れて戻ってきた。

「この者は、ゴンゾウと申しまして、市中での評判が高いとのことです。その横の者はゴンゾウの弟子です。」

「ハヤシ様より仰せつかりました石工のゴンゾウです。この者は弟子のバンです。よろしくお願いします」

さすが石工。筋骨隆々で面構えも良い。

早速、ユキ姫を加えて西に向かう。確かに小高い丘が見える。

1Kmほど歩いて丘に立った。そして四方を眺める。東の方には兵士たちのキャンプが見える。草原が続いており、その先は森が延々と続いているように見える。

 「ここより、西へ1KMほど向こうに小高い丘がある。そこに神殿を建てよ」というメッセージに従いここに来た。周囲を見ると、すでに石積みの跡が見える。やはり過去にもここに神殿があったのだろうか?。20M四方の崩れかけた石積みと頭大の石がゴロゴロしている。南より入って北側に祭壇をつくろう。また南の入り口には左右に石の柱を立てよう。


 シンとユキ姫、ハヤシ、ゴンゾウ、バンの5人で神殿のイメージを共有する。そして構図を書きながら詳細を詰めてゆく。これに必要な人員、技術、材料の収集などについて摺合せを行った。

「ハヤシよ。この神殿をいつまでに建立できるか検討の上、できれば今日中に聞かせてくれ。目標は20日後が良い。それから毎日、進捗状況をユキ姫に報告し、問題があれば相談すること。」

「シン様、了解しました。」。

「でも不思議ですね。誰かが過去にこの石積みを作ったとは??? 」

「親方、大変です。これを見てください。」とバン。

「なんだこりゃあ・・。」とゴンゾウが絶句した。

そこには、埋もれていた定礎にゴンゾウの屋号が彫られていたのだ。

「きっと何かの偶然だ。そのように見えるだけだ。」とゴンゾウはぶつぶつ呟いていた。


 シンとユキ姫はキャンプに戻ってきた。

その後、ハヤシの計画を聞いた。

向こう15日で完成する。作業には50人が必要とのこと。

シンは、マサムネに言って、各隊から屈強な者を10人づつ出させた。

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