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一万人の転移  作者: 藤村 次郎
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保護観察その1

 魔女の家の管理人サナエと8代目魔女ジローが、この状況を魔女の家のモニターから見ていた。

この世界は、神崎元が創造したものである。そして、この世界は魔女が代々管理しており、今は8代目のジローがあたっている。そして神崎歴5603年である。魔女はこの星が必要としたときに現れ去ってゆくが、魔女の家を中心に連綿と管理が行われている。魔女の家の管理者サナエは、5代目が作ったアンドロイドで2403歳になる。しかし、本人の記憶量は500年分なので、500歳が適切かな?


 「パラレルワールド管理局の担当者によると、A星の文明が急激に発展して、破壊行為から消滅に至ったそうです。彼らは、その星からの転移者らしいです。」とサナエ。

「これで3度目です。1、2度目は元の世界に戻していますが、良い結果にはならなかったようです。」

まあ、悪ければ隔離して消滅を待てば良いし、救援の手を差し伸べるのも良しか?。

パラレルワールド管理局にA星の生い立ちと人類の歴史の開示を求めた。早速5代目ササの部屋で調べた。


 アミノ酸が結合して、生物が発生する仕組みは宇宙の理の一つである。A星もその通りで2足歩行で頭脳の容積が大きい生物(猿)が発生した。その機を使って、人類への進化を手助けを行う。そして、それらは進化してゆき高度な文明、文化を育んでゆく。パラレルワールド管理局は、そのように星の発展を手助けし、場合によっては消滅を見届けることになる。今回のA星も他の星と同様に文明が発展していった。しかし、発展した星の3割は破壊的な破滅の道へと続く。破滅の前に、他の星へ移住してゆく手段をとる文明もある。ただ、今回のように消滅の間際にパラレルワールドに送り込もうとした行為は初めてのことであったそうだ。

幸い、パラレルワールド管理局は事前に察知したことにより、魔女の惑星への転移を計画した。まあ、そのまま異空間の藻屑と消えても良かったのだが。なぜか今回も救命措置が取られた。

魔女の惑星は人口密度が低く、広い未開地をあてがうことが可能である。また、以前から少数の転移者を受け入れており、パラレルワールド管理局も魔女の惑星で対応可能と判断して、前回と同様に依頼して来たそうだ。


 すなわち、消滅する間際に、科学者が生き残りを期待して、消滅から遡って3000年前の人をパラレルワールドに放出した。パラレルワールド管理局は即刻事態の把握と転移先を模索して、魔女の惑星に転移を打診してきた。

「サナエさん、アルファな性質が高いように思うね。既存の民との交流は危険かもしれないので、しばらく隔離しようか。」

アルファな性質は致し方ない。生命の起源と進化の過程で他を滅し、自分たちを優位にしてゆくのは。そして戦争に次ぐ戦争で、強いもの、よりアルファな素質が濃縮されていったのだから。

しかし、別の星の進化では、文化が発展し、穏やかな気質が上回り、アルファの気質が鳴りを潜める星もある。


 こちらで選んだ”導き手”によって、統率は取れているようだし、自主解決が基本だから様子を見ることにしたい。が、死者が多く出たり、危険な方向に行くようであるならば、強制関与せざるを得ないだろう。

確かに、女性への保護もできている。この程度のことでも気が付く精神があるのになぜに崩壊への道を辿ったのか、不思議だ。今後の動きが楽しみだね。

今回は、パラレルワールド管理局から事前に通知があったので。地球という星から“導き手”を転移させることができた。彼のお手並みを見てみたい。

それから、念の為、魔女隊から1名を救援隊にスパイを潜行させることにした。また、聖獣を派遣した。


 この転移は、これで3度目だ。5代目と7代目の時に、同じように転移してきた。パラレルワールド管理局の3度目の挑戦である。1度目と2度目は、今度こそ消滅を避けてほしいと、転移元に戻したのだが。

もう3度目はない。

まず、この前と同じように神殿を立てさせて、少しづつやっていこうか。

“導き手“の動きは、今のところ順調だね。

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