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一万人の転移  作者: 藤村 次郎
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食糧調達

 2月2日。食糧調達のための、サブ組織づくりが本部で行われた。

穀物隊、野菜隊、家畜隊、果物隊、狩猟隊、魚介隊が、各隊から志願を募って編成された。というか、残りは均等に割り当てた。穀物隊が一番多く5000人で、50人ごと100隊が作られた。次いで野菜隊が2000人で30隊、家畜隊が1000人で40隊、果物隊が500人、狩猟隊が200人、魚介類が200人、総勢9000人となった。兵隊組織はそのままで横断的な組織とした。

ゆくゆく、兵隊組織で領地化を進めるため、食糧調達の人が偏らないためである。

その他、土木隊、大工隊、衛生隊、救護隊を作った。


 穀物隊は、田になるところを特定し耕すことを開始した。また、点在する田から稲の苗を集めたが、苗はやっと50区画を埋める程度しかなかった。

「肥しはどうすっぺか? 」

「ほら、あそこ。ミミズのようなものが沢山いるところ。」

「うんだ、うんだ、それでよか! 」

 「稗と粟も少しあったで、それも蒔こうか。」

「麦が山の方にあったそうだ。あすでも見に行くべ」

穀物隊の隊長はエルンギ大隊長がなった。


野菜隊は、ササキ大隊長がまとめることになった。

キャベツによく似たものや、葉物がいろいろ発見された。夏に向いて、カボチャやインゲンなど豆類も栽培したい。トマトもほしいな。

枯れた茎などを丹念に見極めながら、種の収集を行った。


家畜隊は、索敵隊が見たという山の方に行って、ヤギを50頭ほど捕まえてきた。また、廃墟にたむろしていた鶏やウサギを確保した。柵を作ってその中に放牧する。


果物隊は、山に分け入り食べられそうなものが無いか調査に入ったが、今は春らしく実は無く幾つかめぼしい花が見られた。ドングリやクルミの類が落ちていたので、収穫した。


狩猟隊は、イノシシやウサギを狩ってきた。

魚介隊は、海辺を中心に貝や魚を取ってきた。


 獲物は一旦、兵糧隊におさめ、兵糧隊が配給する体制とした。

基本的に、個人で勝手に消費するのはダメということで、処罰の対象とした。実質叱り置く程度に止めた。まあ、このような事情だから厳しくはできない。

食糧は浪費せずに備蓄にできるだけ回して、秋の収穫を目指す。


 作業が終わったら、各隊の野営地に戻ることになる。

収穫まで6か月は必要だが、それまでの食料は皆の努力の結果、なんとか兵糧隊の蓄えなどで持ちそうだ。まあ、勤勉な農民や漁民が多いこともあって、計画通りに進んでいる。


「いやー、本当に恵まれた土地だよ。ユキもそう思うだろ! 」とアラン。

「そうですね。先に住んでいた人たちの基盤をなぞっているようにも思いますが、みんなの前向きな動きがあってこそ開拓が進んでいますよ。」

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