第3話「始まりの帰路」
学校が終わり、俺は家に帰ろうと校門の外を出る。
基本的に俺は自転車で通学するのだが、今日は歩いて学校に来た。
理由は、自転車のタイヤがパンクしたためだ。
2、3年使っていたため、タイヤが痛んだのだろう。
今日は、帰る途中にあるスーパーで食材や、カップ麺など買い出しをしようと思っていたのだが、隣町のショッピングモールまで行こうと思う。
今日、欲しいゲームソフトが発売したのだ。
それを買うためだ。
この近くには、ゲームショップやショッピングモールなどがないため、いつものように、隣町まで行くしかない。
隣町まではバスで向かう。
いつもならば、校門を出たら左に曲がるのだが、右に曲がり、その道を少し行ったところにある、バス停まで歩く。
分かりやすくていいところにあると、心の中でそのバス停を褒める。
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無事にゲームも食材も買い終わりバスに乗り込む。
ちなみに買ったゲームソフトの名前は、『ハイパーマリンシスターズ029』だ。
そして、食材などはマイバック。
いわゆる、エコバッグに入れてある。
帰りのバスの中は、行く時より混んでいた。
時刻は、午後4時半少し前。
早めの会社帰りの人や、学生がかなり乗っている。
俺は先程まで、後ろの方で座っていた人が、次のバス停で降りたためその席を確保した。
買い物をしたおかげで荷物は多くなり、重さもかなり増えていた。
座れてホッとした。
これが後30分以上もかかるなんて、立ったままじゃ居られない。
俺より前の席から先頭までが混んでいる。
なぜか、後ろにはあまり人が立っていない。
すぐに出ることができるからだろうか?と勝手に納得する。
ふぅ...と、日頃の疲れを吐き出すようにため息をつく。
「・・・・・ん?」
先程まで気付いていなかったが、俺の前の席の人の右隣。
つまり、左の席と右の席の中間。
あの通路だ、通路!
そこに80代前後のお婆さんが立っていた。
こんだけ混んでいるんだ、立つ人もいる。
だが、やはりここはお婆さんに若い人が席を譲るべきなのだろう。
座っている人のほとんどが、学生だ。
だから、きっと前の人の誰か。
もしくは、隣の席の奴が代わるだろうと人任せに考える。
「・・・・・・・・・・・・」
誰も動かない。
それは、俺も含まれている。
そりゃそうだ。
やはり、こんな混雑だ。
好き好んで立ちたくはない。
俺だってそうなのだから。
まあ、社会貢献にはなると思うし、今まで頑張ってきて、体が次第に衰えていく高齢者を思うと、申し訳なくは思うが...ね。
すんません、お婆さん。と、手を合わせ心の中で謝る。
立っているのが辛そうなお婆さん。
ほんと申し訳ない。
立ったままのお婆さんを乗せ、バスは走る。
数秒後、コンクリートの道を外れ、土でできたデコボコの道を走る。
ガタガタと車体が揺れる。
「お、おっと」
小声でそう独り言のように言い、座席の足元に置いたマイバックが倒れそうになったのを抑える。
危ない。危ない。
倒れなかったことに安心する。
普通の人なら、大して問題ないだろうけど、年寄りの方は、フラついたりしちゃうのかなあ。と、呑気なことを考える。
あのお婆さんも、大丈夫かな?
チラリとお婆さんを確認する。
「おっとっと」
少しフラついている。
どうやら大丈夫そうだ。ちょっと心配だけど。
今よりも大きな揺れが起きたら危なそうだ。
ガタッ!
かなり車体が揺れる。
「うわっ」
お婆さんが、後ろに体勢を崩し、倒れて来る。
マイバックが大丈夫か確認しようとすると同時。
その声を聞き、その様子が目に入る。
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【ジジッ】と音を立て、夢で女の子が【”傷付く姿”】が俺の頭の中でフラッシュバックする。
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ヤバいッッ!!!
俺は気が付けば、バッと座席を飛び出て、お婆さんの背中を支えた。
お婆さんは、俺の前の席の人の背もたれを掴み、なんとか倒れずに済んだ。
ドクンッ、ドクンッと胸の鼓動が早くなっているのを感じた。
よかった。
頭の中、心の中で、ただただお婆さんに傷がないことを安心する。
お婆さんもどうやら、まだびっくりしているようで、なかなか体勢を立て直そうとしない。
「お、お婆さん、大丈夫ですか?」
「ありがとうねえ、僕」
にこりと笑顔を見せる。
「あ、あの、早く体勢を立て直してく、くれませんか」
「あら、ごめんなさいねえ。それにしてもあんたさん、綺麗な顔してるわねえ」
どこうと動くそぶりを見せるが、止まる。
「ど、どいてくれませんかああ!」
お婆さんは、やっと体勢を立て直す。
「本当にありがとうねえ」
「あ、いえいえ」
助けようとした時は、無意識に体動いていたから考えて無かったけど。
明らかに、今まで空いてなかった席が空いていた。
つまり、俺の席。
・・・・・。
「よ、よかったら、どうぞ」
俺は、自分が座っていた席をお婆さんに譲る。
「すまないねえ」
軽い会釈をして、座る。
く、くそぉ...。
これで俺は、残り約25分を立って過ごすことになったわけだ。
もしくは、誰かが席を立つのを狙うしかあるまい...。
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「はっはっはーっ!!」
午後5時過ぎ。
男、桃川 蒼姫は、笑う。
その様は楽しそうだ。
「バスなんて大嫌いだ!ばぁぁーか!!」
違った。怒っていた。
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俺は、自分の家に歩いて帰る。
荷物が重く疲れる。
家まで、あと数10分は、かかる。
帰れるかな。
ここは、ジャングルか!と、さして面白くないツッコミをして帰る。
なんて、寂しい男だろうか。
「それにしても.....」
そこでふと、疑問。
電灯は付いているのだが、周りの家の明かりが点いていない。
こんなに、早く寝るか?普通?
もしかしたら、カーテンを閉めてるからかなと、もっともらしいことを思いつく。
真っ直ぐな道を進み、奥の角を左に曲がる。
その際は車が来てないか左右をチェックする。
みんなも忘れてはいけない。
安全1番!
「ふ〜ん、ふ〜ん♪」
鼻歌を歌う。
別に機嫌がいいとかじゃない。暇なんだよ。
「ふふ〜ん♪ふ.....ん?」
左を曲がりしばらく歩いたとこで止まる。
俺は振り向く。
ドンッドンッドンッ。
なんか音が聞こえる。
まだ、4月の終わり。あたりは少し暗くなるのが夏より早い。
目を凝らし、遠くを見る。
ドンッドンッドンッ。
電灯に照らされ、”ソレ”は姿を現わす。
まだ遠くではっきり見えないが黒い獅子みたいなやつが、こっちに向かって来てる。
俺は、んん〜?と眺める。
ドンッドンッドンッ。
音が近くなる。
んん〜?と眺める。
ドンッドンッドンッ。
音が近くなる。
あ、顔が見えた。
すげぇ怖い。漫画とかラノベの”モンスター”みたいだ。
もしかして。
もしかして。
俺は、鼓動が高鳴るのを感じる。
俺はこんな日が来るかもしれないと思っていた。
これってすごくないか!!
俺選ばれたってことだよな!
たまたまかもしれないけど!
きっと、今。
俺が巻き込まれそうになっているのは!
(「ドッキリ仕掛けられたァァ!!」)
と、心の中で叫んだ。
あんなリアルなロボットを用意してまで、俺を脅かそうとしてんだな。
いやいや、バレるだろ。と苦笑い。
体なんて、俺よりデカい。
しかも、ドンッドンッって走るたびすげぇ体重いのバレバレの音してんじゃん。
もう少しバレないよう頑張れよ、TBC。
絶対、ドッキリモニターリングスだろ〜!
略して、ドキタリングだ。
つい最近始まった番組だ。
ドッキリをして、そのリアクションを有名人とかが見るバラエティ番組。
カメラとかどこにあんだろう。
周りをキョロキョロ見渡す。
あ、家の塀しかない。
カメラは、無さそうだ。
なら、最近よく使われてるドローンってヤツで撮ってるのかな?
ドッキリかあ。俺、いいリアクション出来るかな?
まあ、頑張るしかねぇなあ!
よっしゃあ!気合い入れてやってやるぜ!!
「ギャアアア!化け物が出たァァァァ!!」
俺は、精一杯の声を出して、逃げた。
よし、もういっちょビビってる感出してみようかな!
「だ、だ、だ、だ、だ、ダレカァ、助けぇぇてぇえ!!」
あ、ヤバい。
『だ』めっちゃ言っちゃった。
ワザとらしいなあって言われそう。
しかも、『誰かぁ』が声、裏返ってる。
・・・・・・・。
調子乗ってミスったぁ!?
などと、思いながら【魔獣】堕獅子だなんて、本物の化け物だなんて、全く考えず、嬉しそうに逃げるのだった。
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一方、またあの男。
「え?ナンダコノコハ。喜んでいますね...」
男の手のひらで、蒼姫と堕獅子の様子を写した映像のようなものが浮かぶ。
男は、その映像に驚きを隠しきれなかった。
ドッキリと思い込んで逃げた。
その選択は、たまたまだったが。
良い選択だった。
だが、もし蒼姫が、ドッキリを仕掛けられて、ノリノリな人間じゃなかったら、彼はすぐ魔獣に捕まっていただろう。
なかなか新展開のない物語で、皆さんイライラしていませんか?
こんなに始まるのに時間がかかるなんて、思ってなかったんです。すいません。
どうも、全国の山口さん。山口 乃ガマです。
今日は皆さんに伝えたいことがあるんです!
なんとですね、今日の投稿、また忘れそうになっ...て..げふん。
なんとですね!現在ブクマが3件!
ありがたいです。してくれた方ありがとうございます!!
ブクマ取り下げられないように頑張っていくので、最後までお付き合い下さい!!
次回の投稿は、ちょっと感謝の気持ちを込めて頑張りたいんで、明日出します!
たぶん、今日と同じ時間23時くらいになるかもですが。
なんと、次回!やっと、せんとう!銭湯じゃありませんよ?戦闘ですよ(殴
痛い。




