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俺がヒロインで役立たず!  作者: 乃ガマ
第1章「ヒロイン役は返上したいのですが」
3/8

第2話「その日はいつもと変わらず」



「はッはッはッ」


俺は走る。

空をも(おお)い隠すほどの木々だらけの森を。

走る理由?なんだろうか?自分でもよく分からない。


「そうきくん!」


後ろから女の子の声で自分の名前が呼ばれた。

なんだろうか?


「もう少しで森を抜けれるから頑張って!」


いつの間にか振り向いて、そう言っていた。

振り向くとそこには.....。


あれ?


そこには(もや)のかかった人と思われる”それ”がいた。

髪の色も瞳の色も、顔の輪郭(りんかく)も。

顔が分からない”それ”と俺は逃げていた。

唯一(ゆいいつ)分かるのは、小学生ぐらいの背丈ということだけ。

目線もさして変わらないことから、自分も”それ”と同じくらいの年なのだろう。


・・・ん?


そこで、ふと俺は思い出す。

疑問に思う言葉を使ったことに。


”逃げていた”?


どんっ。


目の前に現れた何かに当たり、俺は尻餅(しりもち)をつく。

地面にぶつけた尻をさすりながら、当たったモノ。上を向くと.....。


「ヤァ」


またも靄のかかった人と思われるモノとぶつかっていたのだ。

男の声だったから、男性だろう。


ぶわ...。


俺の横に何かが流れ落ちる。


汗。それも冷や汗。


走っている時と比べ物にならない量。


その理由は?やはり、分から.....。


目の前で右手に持った包丁らしきモノをかかげた男。


理由。やっと分かった。


俺は。いや、俺たちはコイツに.....。


男は右手を振り下ろす。


殺され.....ッ!


ズザァッ!


何かが斬り裂かれた音。


俺は、まだ死んでいない。


ど、どうしたんだ...?と、疑問に思い、目を開けるそこには.....。


「う、うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああ!!!」


女の子が俺を(かば)い、背に傷を負い、その血飛沫(ちしぶき)が、男にかかっていた。


その時、森の木々の隙間から日光が少女の髪に差した。


少女の髪は、金色(こんじき)に輝いていた。


==================================


バッ!と起き上がる。


「また.....夢か」


気が付けば俺はベッドの上に居た。


まただ。またなのだ。

あの”記憶”は決して消えてはくれない。

けど、その記憶はあやふや。

女の子の顔も男の顔も。


思い出せない。


最低だということは、分かっている。

傷つけておいて、顔を忘れるなんて。

ただ、その記憶だけ。辛い記憶だけが残る。


胸が()め付けられる。


もしかしたら、ただの思い込み、妄想、夢なのかも知れない。

だって俺は無事なんだし。


でもそれでも...。


俺が”あの時”、”あんなことをしなければ”.....。


顔も思い出せない君を想いながら。


「君を傷付けずに済んだのかな...」


後悔だらけの思いを抱き。

さあ、学校に行こう。

今日も日常を繰り返す。


今日が最後なんて知らずに.......。


==================================


今、学校の教室にいます。

昼休みです。

机に頬杖ついて黒板を真っ直ぐ見ている。

なぜだと思う?

まあ、耳をすませて見てくれ。

小声の何かが聞こえるからさ。


「あれだよ、あれー!」


「本当に女の子みたい...!」


「外見とかすごく女の子だよね。綺麗(きれい)すぎる.....」


「なんで、桃川くん黒板 (にら)んでるんだろ?」


うるせえ。


廊下から、2年2組。

俺が属する教室の(はじ)にいる俺を指差す、3年生だと思われる女子生徒3人組。


ちなみに黒板を睨みたくて睨んでいるのではない。

嫌いとか怒ってるとかじゃない。

そんな人いないだろう。


「黒板消す時、チョークの粉、制服かかるのめんっど!ホワイトボードになれ!壊れろ!」


いるんかい。と心の中でつっこむ。


ドンっと()る。黒板にはダメージ1。

微動(びどう)だにしない。


まあ、睨んでいるように見えるのは、好奇の目で見てる女子生徒が早く帰らないかなあと思っていたら顔に出ていたようだ。


しばらく見た後、彼女たちはその場から立ち去っていた。


俺はこの女っぽい外見から、他の生徒がよく好奇心で会いに来たり、喋りかけてきたり、一目見ようと俺のクラスまでやって来るのだ。


正直言うと、ジロジロ見られるのは嫌いだ。

あまりいい気はしない。


はぁ.....。とため息をつく。


==================================


「よっ!蒼姫(そうき)!」


「桃姫〜、大丈夫かー?」


「親衛隊16名集合しました!」


一番最初に現れた明智 (ひかる)が俺の前に、他の奴らは笑いながら俺を囲むように集まって来る。


「見てないで、助けてくれよ...」


「えー、つまんねーじゃねーか」


「わかるわ〜!」


「姫は大変だねえ〜」


「おう、大変だ。その大変な人の親衛隊を名乗るなら助けろ、ばあーか」


彼ら16名、そいつら以外にもあと数人で”勝手”に作った、桃川蒼姫親衛隊。

親衛隊は頭にキノコの被り物をつけている。

通称、親衛隊かキノコと呼ばれている。

由縁については、語らないでおく。

著作権に引っかかるんで。

今も桃姫とか使ってるから怒られそうで怖い。1話とか大丈夫かな...風評侵害で怒られないかな.....。


前に親衛隊の目的を聞いたのだが、『姫様の学校生活のおじゃまをさせないように我々がお守り致すことです!』とかほざいてやがった。

1番、邪魔(じゃま)してるのは、てめぇーらだ。


ま、つまりおふざけ集団だ。

だから、頻繁(ひんぱん)に来る生徒に見られていても、囲まれても、質問責めされても助けてくれない。

ただ、俺をからかう集団だ。

とにかくサイテーだ!!


「おーい、姫〜?」


俺の顔の前で手を振っている。


「姫って呼ぶな」


俺は(あき)れ顔でそう言う。

もう何回も言って言い()れた言葉だ。


「うしっ!皆ァ!姫がお疲れのようだぞー!!」


自称、親衛隊のリーダー、光がそう言うと。


「よっしゃ、いつものやんぞー!」


「担ぎ上げろ!上げろー!そして、運べ〜!!」


周りもその言葉を聞き動き出す。


「おい、まさか!!?」


慣れた手つき、動きで、素早(すばや)く俺を御輿(みこし)のように(かつ)ぎ上げる。

その周りにぞろぞろと他のクラスやキノコの被り物を付けていない奴らも集まって来る。

みんな騒ぎを聞きつけ来たようだ。


「なんだ!なんだ!?」


姫担(ひめかつ)ぎだ!!」


「俺もやるー!」


「またやってんのかよ...行くわ!」


「俺もやるしかねーなあ!!」


やるな。来るな。


俺は手足などを(つか)まれ、上手いこと身動きが出来ない。

それに、無闇に動いたら落ちる。

それは勘弁(かんべん)だ。


教室を出て廊下に繰り出す一同。


これも今まで何回も経験している。

慣れて来たとはいえ。


こぇぇぇええ!


「おろせー!おい、てめぇーら、聞けよぉぉお!!」


俺は叫ぶが、聞いちゃくれねえ。


すると。


「そこの集団、止まってください」


一同が向かう廊下の先には、たぶん女子生徒がいる。俺はまだ見えてない。まだ担ぎ上げられている。


「毎度毎度、あなた達が騒ぐたびに、他の生徒から何件か苦情が来てるんです。周りの迷惑なのでやめて下さい」


その言葉に騒いでる奴らは(←他人事)


「はい!すいませんでした!!」


ぼとっ。


(いて)ぇぇええ!!」


落とされた。

普通落とすか?ケツから落ちたぞ。


なんで、こんな素直なんだ。

いつもあんなに、悪ふざけが大好きなアホどもなのに.....。


「どうしたんだよ、お前ら急に!」


俺はアホたちを止めた女子生徒を見る。

その子は学校の制服をきっちんとボタンを開けたりせず着た肩より少し長い金髪の。

び、美少女だ。


「あなたが、この集団を率いたリーダーですか?それなら、ちょっと風紀委員室に来て欲しいのですが」


美少女は、俺を見て問う。

か、かわええ。しかでねえ。

風紀委員室...この子は風紀委員なのか。


「ち、ちがうけど...」


おっと弱気になってしまった。


「本当ですか?」


「だから、本当だって...(いた)っ!」


べしっとキノコの被り物で頭を叩かれた。


「てめえ!イヴ様に敬語使えやぁぁああ!」


「てめえ!殴るぞ!」


いや殴ってるし。


「ほんと、どうしたお前...ら?」


見ると、全員キノコの被り物を廊下に叩き落とし、踏みつける。


な、なんだ!?


そして、どこから出したのか、イヴ様親衛隊と背に書かれた法被(はっぴ)を着る。


「俺らは、イヴ様親衛隊だ!!イヴ様、コイツが我々に(おど)してきたのです!!」


「すいませんでした、イヴ様。騒いでしまって」


「あっ!てめぇーら、裏切るな!ってか、俺は被害者だろ!?」


「ふざけんな、桃川ァ!!」


悪姫(わるひめ)!」


「態度変わりすぎだろ!?」


ササッと光ともう1人が俺と肩を組む。

たしか、山本だっけか?

そして、ヒソヒソと喋る。


「いや、かわいいじゃん」


「俺ら、最初からイヴ様親衛隊だからさ」


「すまんな、蒼姫!」


「売らせてもらう!」


「「イヴちゃんの好感度を上げるためになァ!!!」」


ぐるぐると縄で俺を(しば)り、イヴとか言う美少女に渡す。


「「どうぞ、イヴ様!主犯格です!ちなみに僕らは脅されて従うような人間じゃ、ありません。止めようとしてました!」」


「そ、そうですか...」


この2人、必死すぎるだろ...。


かくして俺は風紀委員室に強制送還(きょうせいそうかん)され、風紀委員数名に囲まれ、事情聴取(じじょうちょうしゅ)とお(しか)りを受けたのでした。


ちなみに美少女の名は、四条(しじょう) イヴと言うらしい。

同じ2年で風紀委員会副会長だった。


==================================


数十分後、解放された俺は教室に戻っていた。


ガタッと音を立てて自分の席に座る。

先ほど俺を売った、前の席の光を睨む。

光は冷や汗をかきながら俺の視線を無視していた。

コイツ...。


「桃川君、大変だったねー」


「・・・ん?お、おう」


急に隣の席から声がした。

そこには清純派の金髪のイケメンがいた。


(コイツはたしか...)


「ん?どうしたの?」


(ま、まぶしい!!)


キラキラとしたオーラが俺を襲う(気がした)。


(このイケメンさは、シドだ!四条 シド!最近、転校して来たやつだ!)


と、ダメージを受けながら解説していると。


クラスの女の子が隣に来る。


「桃川君、大丈夫だった?・・・ま、まぶしいっ!」


やはり、みんなダメージを食らうようだ。

四条のイケメンさに女の子は、目を手で防ぐ。

コイツは、そういう能力者なのだろうか?

5秒間くらい初見は、見えない。

しばらくすると慣れる。

頑張れ!


この子は、風森(かぜもり) 燈仔(とうこ)

とても優しい、このクラスの級長(まとめやく)だ。

ちなみに副級長は、俺。


心配してくれてありがとな、と礼をすると予鈴がなる。

授業が始まる。

時は流れる。


だが、今までの日常が変わるまで後、少し。

ぼけーっと授業を聞く俺を隣のイケメンが見つめているのを気付いていなかった。


==================================


「まだ、人間たちは、ワタシが来たのに気付いてないようですね...」


男は降り立つ。


「さあ、モモカワくん。今、迎えに行きますよ」


ペチンッと指を鳴らし、地面から”黒い液体”のようなモノが現れ”カタチ”を成していく。

それは、この世界にはないイキモノ。

いや、生きていないからシニモノとも呼ぶべきなのだろうか?

まあ、【魔獣】という名前があるのでいいですね、と苦笑いする。


黒い液体は、巨大な獣に変化する。


「さあ、行きなさい!堕獅子(ドーベリオン)!」


桃川 蒼姫の日常が今、終わりを迎え、新たな日常が幕を開ける!!!

あ、危ねえ。投稿忘れるとこだった。

時間は約束してないから許してよ!日にちは守りましたからね!

言うの忘れていたのですが、この物語は3部構成でそのうちの今、1部『姫神龍騎編』です。2章とか3章とかもしばらくは1部ですよ。まあ、仲間が集まって行きますよっていう編ですね。

何本かストックあると1日1本投稿出来るのですが、ストックが3話までしかないというピンチ状態。

なので、1章は基本、2日に1回投稿となります。

たくさん書けたら1日に1本出しますよ。

応援してくれたら、頑張るかも...。

では、また明後日、3/9に投稿します。

おやすみなさい。

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