表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/6

第1話 はぐれもの王子


春、入学の季節。

王立ラピス魔法学園の初等部入学式から1ヶ月が経過した今日。


俺はクラスで完全に浮いていた。


「ねえみて、あれが第四王子だって。」


「わー、噂通り、王族なのに金髪だね。瞳も緑だし。」


そう廊下で囁いていたのは上級生だろうか。

はぐれ者王子である俺の噂を聞きつけ、様子を見にきたのだろう。


「魔法も炎系統じゃなく、草木の系統なんですって」

「ええ!王族は代々炎の魔法じゃないの?」


「……そのはずよね。だから皇后様が使用人と不貞した結果なんじゃないかってお母様が言ってましたわ。」


いかにも貴族の嫌なところを煮詰めたような会話を続ける彼女たち。


せいぜい九、十歳であるはずなのに、教育次第でああも早く腐っていくものなのかと呆れる。

俺がすぐ近くにいる状況にもかかわらず噂しているのはある意味子どもらしいとも言えるかもしれないが。




彼女たちの会話のせいか、クラスの視線が俺に集まった気がした。除け者を見るような目、ただ面白がる目、馬鹿にするような目が、俺を囲う。


この学園も結局、王宮と変わらない。


王族のくせに、全く王族らしくない俺をおもちゃにして、楽しむ。


どこに行っても続くこの現状に少し慣れつつあった。





異端王子と仲良くしたい奴などいるはずもなく、クラスでは基本1人だった。


慣れているので今更寂しいなどと思ったりはしないが、1人の学園生活は想像以上につまらないものである。


毎日の授業は魔法に関することがメイン。

自分の魔法がそんなに好きではない俺にとって、魔法尽くしは苦痛でしかなかった。




そこで俺は、夜中こっそり寮を抜け出し、剣の鍛錬をするようになった。


元々、魔法よりも剣の方が性に合っている。

小さい頃から鍛えられており、毎日鍛錬していたのだ。

入学してからはそれが急になくなったため、余計窮屈に感じていたのだと思う。


学園内には、魔獣が出るからと、夜間は立ち入り禁止になっている森がある。


森を少し進んだ場所にある湖の側。

開けた場所で、月明かりが入りやすく、夜中でも鍛錬しやすい。


人がいる気配もなかったので、基本的にそこで剣を振るようになった。


昼の学校だとどうも他人の視線が気になる。


静かだし、汗をかいたら湖で体を流せるし、我ながらいい場所を見つけたと思う。


「っし、行くか。」


皆が寝静まったタイミングを見て、今日も寮を抜け出す。


誰かとすれ違わないか、ひやひやしながら部屋の窓から飛び出すのは少しだけ楽しい感じがした。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ