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書物に目ぼしいものはなく。あるのは堅苦しい文字だらけの本ばっかりだ。正直本は好きだが文学よりのものや伝記等はあまり読まない。そして記憶の中の彼女も読まない。ならばこれは親のどちらかのものだろうか。
しかしその中、俺は一冊の本を手にした。それは薄いノートで、しかしテープで二重三重に巻かれてひらけない。
しかし、それを読む前に時間は来た。
「...飯にすっか」
俺はお腹の虫が鳴くため、そのノートを手に一階の居間へと向かった
昼食は軽くカップ麺にした。これを親が見れば「いい人見つけて作ってもらいなさい」なんて言われるのだろうけど、フリーターの俺に出会いなどなく、さらには小説に空き時間を費やすためもっと無理な事だろう。たまにネタ探しに外に出るくらいがいい方だろう。
「飯、誰か作ってくれる人いねーかな」
そんな都合のいいやついるわけないが。
「じゃあもし彼女できたら何食べたい?」
「オムライス、とか?」
妄想の声が問いかけてくるから独り言を言ってみる。そりゃ代表的なのはオムライスだと個人的には思う。あれは愛を見せるには一番分かりやすい料理だ。もしヒロイン描写にご飯展開があったら確実に初めに書く。
「わかった。じゃあ買い物してくるね」
「...ん?」
妄想がやけに一人歩きしているなと思い、声がしたような気がする方に目をやったが誰もいなかった。




