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特に特筆すべきことが俺の人生にはない。俺は昔から誰からも関わられる存在ではなく、ただひたすら本を読んでは空を眺めて来た。それも何も変わらず小学校、中学校、高校と。
やりたいことは特にない。ただひたすら小説を読んで、なんとなく小説を書いて見たくなった。
強いてやりたいことは小説を書くことだろう。それも『最終回』なんてものの存在しないような物が。
大抵の物語は主人公の人生のほんの一部を書くのみ。俺は冒険をした少年が、魔法少女となった少女が、世界を救った少年少女たちの物語の『その後』が知りたい。それがただの変哲もない日常に帰っていたとしても。
なぜ、『最終回』の先がないのか。想像で補完するのは簡単だが、俺はこれを作った筆者の中でのその後を知りたい。
話をここで戻すとしよう。
俺は数週間前から見続けうなされ腹の痛みと息苦しさとともに眼を覚ます夢の先、旧友の『よく洗いざらい見直したほうがいい』という言葉が引っかかっていた。
いったい一般人の俺が何を見直せばいい? 俺にはどうしても理解が追いつかなかった。
このことを話したのは高3の冬、彼女が行方不明となって三ヶ月後、警察が学校で個人面談した帰り道だった。
俺にはわからない。高3の帰宅部の小説好きの俺に何ができる。第1その一回の面識で行動に移すほど俺は彼女を知らない。名前すらわからない彼女はなぜあの日俺に一緒に帰ろうといい、そしておもいだせない大事な言葉を俺に残したのか。
俺に何を望んだのか、あの日の俺にはわからず、そして3日後、不登校だった旧友が突然の心不全で部屋で発見されたのかも警察は最後まで突き止められず、それを不気味に思った俺はいつのまにか全てを忘れたしまった。
なんで今、俺はあの日忘却の彼方に押しやったことを思い出しているのだろうか。そしてあの日避けた真実をフリーターな俺が探そうとしているのか。
その真実はおそらく彼女の部屋にある、そんな気がするのだ。
彼女の親は彼女が失踪してから二年に他界、理由は不明だった。葬儀は近親者のみで執り行われた。その際彼女の家は親族によって売りに出された。
何回かは買手はつくが、どうしてか誰もかれもが「でる」という理由で平均3日で、長くて一週間、短くて即日売却されている。
霊媒師が何度か訪問したようだが誰も分からず、とりあえずでいくつも試したものの効果は出ていないのは数行前を読めばわかることだろう。
そんな『彼女が住んでいた家』を、俺は就活しながらコンビニバイトを続けた三年目の春、正規社員になった俺が、元値から敷金礼金丸々減り切った価格で買い取った。




