21. 協力者? いや、賛同者だ
景色がまるでコマ送りの写真のように、残像を残して過去のものへと消える。
足場の不安定な密林の大地を、まるで舗装されたコンクリートジャングルを走っているのではないか? と思わせる安定感で駆ける。
進むべき先が明瞭であるかの如く、迷いなき前進は己に気休めではあるが安堵をもたらしてくれる。
事の成り行きは単純明快。
日課である深夜の鍛錬に赴いていた隙に、紆余曲折を経てアナスタシアとテリア、そして荷馬車共々人攫いに簒奪されたのだ。
不愉快極まりない。
ああ、己にまだ愉快不愉快を判別する機能が備わっていたのだなと、感心してしまう程には憤っている。
事後処理に残っていた数名の構成員を絞り上げて、ようやく奴らの行き先を聞き出したはいいものの…………アデラ・ジェーン山脈の奥地からはあまりにも遠い。
本来の予定ならば山脈を超えるのに、アナスタシア選りすぐりの馬をもってして四日の道のり。
その上で、人攫いの本拠地はリヴァチェスター領ときたものだ。
甘く見積もっても、八日はかかる。
のろのろと徒歩で進んでいては、少なくとも三倍の……一か月弱は容易にかかるだろう。
その期間でアナスタシアとテリアが無事でいられる保証はない。
一刻も早く救出を試みたい。
だが、焦りも禁物だ。
焦燥に身を焼かれていては、正常な判断能力を逸する危険があるのだから。
そこで、残されたホロウと共に知恵を振り絞って、考えて、考えて、編み出した方法こそ現状を打開するための一手。
脚を得る。
幸いにもここは帝国屈指の大森林、アデラ・ジェーン山脈。
四足歩行で馬よりも速度の出せる生物はごまんといる。
丁寧にお話しを聞かせてもらった構成員の諸君を撒き餌にして、【運命識士】による予見すら追加して、最大効率の獣を確保したのだ。
【運命識士】曰く、白毛半魔獣と呼称されるネコ目ネコ科の哺乳類、その番。
まあ、簡潔に表すのならば、体毛の白いサーベルタイガーだ。
勿論、体長は地球のそれとは比べ物にならない程に巨体で、虎というよりは闘牛に近しいであろう風格。
その背に人を一人乗せる程度、造作もない。
「上手く軌道に乗ったな、『悪人』」
「ああ。このペースで進めば、遅れを取り戻せるはずだ」
並走する白き稲妻と形容できる二匹の獣は、その背にそれぞれ二人の人間を乗せて野を駆ける。
オスマンとビザンツと名付けた──適当ではないよ、決して──白毛半魔獣の二頭は残骸に埋もれていたアナスタシアのストールの香りを頼りに山中を泳ぐかのようにスルスルと進んでいる。
己もホロウも共に計装なため、数十人はあろうかとされる人々を乗せた上で、馬を引いて移動している連中には必ず追いつける。
「だが、『悪人』。よく従えられたな。吾では到底実現できなかった」
「……うん、そうだね。けれども、ホロウ。ボクから見れば彼らは…………」
「……? オスマンとビザンツがどうかしたのか?」
「いや、ここは沈黙を選ぼう」
言い淀んだのには訳がある。
オスマンとビザンツの二頭は、釣られて現れた当初は敵愾心を丸出しに(まるで初対面のアナスタシアやホロウの如く)唸っていた。
上下関係を明確にしようと、己が殺気を向けても怯えよりも反発心が勝っていたようで、一向に牙を折らなかった。
生物の中でもプライドが高いのだろう、二頭は…………しかれども、ホロウが睨みを効かせた途端に、借りてきた猫のように大人しくなったのだ。
恐らくは、ホロウの纏う“龍気”に本能が服従を選択させたのだろうが、あまりにも顕著で劇的な変化に、ホロウは未だに彼女ではなく己の成果であると誤信してしまった。
状況が状況なので、一々訂正する気はないが…………ホロウの己への嫌悪感を代弁するかのように二頭も己を心底毛嫌いしている類似さに、何故彼女は気が付かないのだろか。
野営の際も同様に、丸まって横になるホロウを護るように、彼女を中心に二頭は身を寄せ合って寝るのだ。
オスマンとビザンツは、少なからずホロウを主として認めていて、同時に仕えるべき君主として牙を捧げている。
言いようのない疎外感を感じるものの、ホロウに友ができて良かったとも思える。
これが親の思いか…………! と戦慄するも束の間、意識は唐突に現実へと引き戻される。
「……、『悪人』。前方に武装した人間が一人」
「ボクたちに気が付いては?」
「いない。まるで背後を警戒していないな…………油断を誘っているのか、あるいは……」
「余程、意識を持っていく何かがあるか、だね」
不審者を発見した時の対処は殊の外シンプルだ。
害をなすのであれば排除し、無害であれば見て見ぬふり。
余計な出来事に割くだけの余力は、生憎と持ち合わせていないのだから。
常人離れした視力をもって先を見通す彼女に次いで、ようやく己にも件の人物がぼんやりとではあるが知覚できた。
彼女の判断通り、一定の装備に身を包んだ人物は接近する二頭の獣の気配を感じ取れてはいない。
実に好都合だ。
徐々にクッキリと輪郭や仔細が見えるようになると、事前にホロウと定めておいた手筈通りに事を進める。
視線で意図を伝えると、ホロウは小さく頷きオスマンの腹を踵でつつく。
すると、委細承知とばかりにオスマンは惚れ惚れするような急転回を見せて進路を変更した。
そんなオスマンの様子を感じ取ったのか、ビザンツもまた反対方向へと進路を変えた。
そう、まるで身元不明人を中心に、大きく迂回するような形でやり過ごそうというのだ。
とはいえ、現実はどうにも上手くは運ばないようで…………脳内で展開していた【運命識士】が警鐘を鳴らしたのだ。
「ビザンツ、とま──」
止まれ、と己が命じるよりも早く、視界が二転三転と奇怪な動きを明瞭に記録した。
【運命識士】の警告通りに、まるで既に引かれた線の上をなぞるように、仮定の映像が己の身に降りかかった。
動揺はない。
この先の動向も、災厄の内容でさえ、己の【権能】は把握しているのだから。
「着地、後……右袈裟」
「……ッ、」
ビザンツの背から大きく投げ出されたために、迫りくる大地に対して受け身を取る。
周囲の状況を確認する前に繰り出される悪意と合理に満ち溢れた斬撃が、空を切るように左下方へと吸い込まれる。
「逆袈裟、右薙ぎ、右横一文字、突き。成程、君は“ジャスティ・レイヴ流”の剣士か」
どうりで太刀筋が単調、そして堂々としているものだ。
両手で両刃剣を握りしめて全力で刃を振るう不審者、基い剣士は悉くを回避する己に苛立ちを隠せていない。
くすんだ金髪を短髪に切り揃え、飾り気のない皮の服装に身を包む女剣士。
怜悧に細められた視線は死地に慣れた歴戦の兵士を彷彿とさせる。
全身武装とはいかないまでも、鈍色のすね当て、もも当て、前腕鎧、ガントレット、ブレスプレートと急所は確実に防げるであろう継ぎ接ぎの装備はしてある。
正規の騎士というよりかは傭兵に近しい装備だが、使用する剣術は演武と呼ぶべき実践には向かない“ジャスティ・レイヴ流”。
無論、“ジャスティ・レイヴ流”の剣術とて使用者によって真価を発揮できるか否かが大きく変わってくる。
全うな騎士ならば、幾らでも死の危険の伴わない実践稽古で技を極められたであろう。
だが、傭兵や冒険者ともなれば剣術を磨きつつ生存なんて悠長なことはできない。
一寸先は死を体現するような世界なのだ。
だからこそ、違和感が拭い切れなかった。
眼前の剣士は傭兵然としていて、今も尚、綺麗と思わせる程に精工な太刀筋で剣戟を放っている。
だがしかし、勝利のために、生存のためには汚泥など苦痛ではないと訴える彼女の雰囲気が、お行儀の良い剣術のみを使うなど到底信じられなかった。
恐らくは、何かを隠している。
【権能】か、あるいは、他の手か。
それが如何なる秘術であれ、使用される前に決着をつけなければならない。
「…………ここかな」
大振りの真向斬り、“ジャスティ・レイヴ流”【ユナイト・セイン】──“霊力”と膂力の全てを乗せた最上段の構え。
破壊力、撃墜力共に最大級の技ではあるが…………悲しいかな、引き換えに大きな隙を生じさせてしまうのだ。
一挙に間合いを詰めるように突進する己は、引き抜いた鉈へと“龍霊裂帛”を纏わせて胴を両断するように振るう。
まさか、今まで回避に徹していた、腰抜けとも思える相手が反撃の予兆すら見せずに吶喊してくれば、如何なる猛者であっても驚愕するものだ。
腕に自信があり、尋常ではない勝利経験を積み重ねてきた者であってさえ、動きを止めてしまう。
時には、合理的とは思えない判断を下してしまう場合もあるだろう。
そう、彼女のように。
「…………それは“ラ・カール・レイヴ流”だね。【グランデピエ】、懐に迫った相手を袖に隠し持った刃で脊椎を損傷させる技だ」
「……くそったれ。何なんだよ、お前」
振りかぶった剣を逆手に持ち、そのまま大地へと突き刺すように動きを変えた彼女ではあるが、その行動は既に閲覧済みだ。
“ジャスティ・レイヴ流”の剣術を額面へと押しやり、ここぞというタイミングで“ラ・カール・レイヴ流”に切り替える。
直立不動の剣筋が、瞬きの後に変則的な太刀筋へと変わるなど…………やられた人間はたまったものではない。
けれども、彼女の動きは“未来”の一部として把握済みだ。
鍔に絡めるように鉈を振るい軌道を変えて、突進の勢いはそのままに激突する。
“龍霊裂帛”を纏っている己の身体は多少の障害にも押し負けることはなく、タックルの形となった一撃で趨勢は決した。
仰向けに倒れ込んだ彼女の表情は悔しさに大きく歪み、恨み節を吐くので精一杯のようだ。
「おい、『悪人』。終わらせたのか?」
「ああ、つい先にね。中々の強敵だったよ。ほら、今も反撃しようと思考を回してる。どうやら、ホロウ。君を人質に取ろうと画策しているようだ」
「……ッ!? ふっざけんなよ、お前……! なんで……ッ!」
「諦めろ、不審者。こいつは正真正銘『悪人』だ。吾も気が付かぬ内に異常なほど強くなった化け物だ」
随分と辛辣だ。
わなわなと震える彼女の神経を逆撫でするように言葉を紡ぐホロウは、それでいて、申し分なく警戒を怠らない。
また、ホロウに倣ってオスマンとビザンツもまた牙を剝き出しにして唸っている。
滾る反抗心を看破され、ホロウに冷徹に見下ろされ、純粋な獣の殺気を一心に受けながらも、傭兵然とした彼女が折れることはなかった。
反撃への糸口を一端でも失いたくないのか、せわしなく視線を巡らせて打破しようと試みている。
だが、彼女には申し訳ないがみすみす逃がすわけにもいかない。
「さて、楽しい楽しい尋問の始まりだ。手始めに、どうしてボクを襲ったりしたのかな? 見ての通り、通りすがりの旅人に過ぎないのだけれど」
「はっ、お前みたいないけすかねえ旅人がいてたまるかよ」
「答えになっていないな」
「ああ、そうだよ。答える気なんてねえんだから当然だろ」
勝ち誇った笑みを携えて息をするように悪態を吐く彼女は、反撃は不可能と悟ったのか開き直ってしまっている。
だが、彼女の事情に拘泥している時間的余裕がないのも事実だ。
ただ森林で獣の背にまたがる不審な人物を発見して、条件反射で先手を打てしまったという可能性が高い。
だが、もし、彼女が人攫いの関係者ならば…………降って湧いた好機だろう。
相手が人間であるなら、言葉を弄するだけが本性を見抜く術ではない。
「ボクは何も君と敵対したくて質問をしているわけではないんだよ。君とは良好な関係を築いていきたいんだ」
「噓くせぇな…………信じられっかよ。お前みたいな『悪党』の言葉をよ」
「それには大いに賛成だ、不審者。吾も『悪人』は心から信用できないんだ」
嫌に響く賛同だ。
確かに秘密主義が過ぎているとはよく分かっている。
今回の騒動だって、己が隠し立てしなければ起きなかったであろう悲劇なのだから。
だが…………やはり響くものは響くな。
「お前、仲間にも信じてもらえ……おい、誰が不審者だ、クソガキ」
「貴様以外にいるか? アデラの山中でこそこそしている奴以外に、な。反論があるなら何をしていたのか言ってみろ」
「……っ、くそ…………! いい性格してるな、クソガキ」
「そうだろう。吾は人格者だからな」
「おい、もっと寄れよ。一発殴らねえと気が済まねえ……!」
「かく言う貴様は人格破綻者だな。いたいけな少女相手に暴力を行使するなど…………おい『悪人』、こいつは処分しよう」
「ふざけ……っ! おい、武器を下ろせ! あのクソガキは許せねえッ!」
「困ったら実力行使か。野蛮で愚鈍だな。さあ、護ってくれ、オスマン、ビザンツ」
「きたねえぞ、クソガキッ! 正々堂々勝負しやがれッ!」
随分と元気だな、彼女は。
それに加えて沸点も低いらしい…………ホロウの言葉も鋭いは鋭いが、怒りを飲み込めないほどではない。
「勝負は君たちの勝手だが、まだ尋問は終わっていないよ。ラクシュミー=トラウザーラ、君がどうしてボクたちを襲ったのか聞いていなしね」
「……、もうお前には驚かねえよ。オレの一枚も二枚も上をいく奴を警戒しても無駄だ」
何やら辟易した様子の彼女、基い、ラクシュミーは据えた瞳で己を睨め返す。
けれども、反抗心までもが消え失せた訳ではないらしい。
今も尚、虎視眈々と反撃の機会を探っている。
不撓不屈の矜持といい、酷く洗練された二流派の剣術といい、ビザンツの足止めをした【権能】といい、彼女の優秀さは見事というほかない。
そんな引く手数多な人材が、どうしてアデラ・ジェーン山脈の山奥でコソ泥のような真似事をしなければならないのか。
疑問は湧いて溢れて尽きることを知らない。
そして、何よりも──【運命識士】に生じた空白が、己の懸念を膨れ上げたのだ。
いいや、詳しく述べるのならば、やや誤植がある。
彼女の名や、その経歴、【権能】については普段の【運命識士】と同様にまるで情報を羅列するように閲覧できる。
だが、羽虫が啄むが如くまばらに欠落している箇所が点在しているのだ。
それはあまりにも不気味な現象だ。
【運命識士】をこの身に顕現させてから情報の欠缺などあり得るはずのない、未知数の状況なのだ。
ロバートを妥当した際も、オドラの民の襲撃時も、アデラ・ジェーン山脈の旅筋であってさえ、【運命識士】が不調をきたしたことなどなかった。
無論、未だに運用し始めてから一ヶ月も経過していないのだから、例外の存在について未知であるのは頷ける。
故にこそ、その原因を探求し、対処方法を確立できなければこの先の旅路において大きな不利点となってしまうだろう。
「さて、返答は如何に? ラクシュミー=トラウザーラ」
「……………………、人攫いだよ」
長い逡巡の後に口を開いたラクシュミーであったが、まるでへそを曲げた子どものようにぶっきらぼうで、無愛想に言葉を返した。
その返答に腹を立てたのか、ホロウがげしげしとラクシュミーの脇腹を軽く──彼女は咳き込んでいるが、軽くだよな?──蹴り上げてしまっている。
「人攫いと。それだけでは情報は完結しないよ。人攫いから逃げてきたのかい?」
「違ぇよ。オレの友人……が、人攫いに搔っ攫われてよ。行き先は分かってるから、尾行してたんだよ」
「何だと? おい、不審者。貴様、人攫いと言ったか? そいつらの特徴は」
「はっ、誰が答えるかよクソガキ。知りたきゃ、せめてその不審者呼びをやめろ」
「黙れ、不審者が。とっとと答えろ」
「……っ!? い……って…………! おま……マジで覚えてろよ…………!」
げしげしとなんて可愛い程に足蹴にされるラクシュミー。
どうやら彼女はマゾヒストらしい…………でないと、主導権を握られた状態で歯向かうような口の利き方はしないだろう。
うん、きっとそうだ。
そういうことにしておこう。
一々訂正に口を開くのは面倒だ。
「ラクシュミー。どうやら君とボクらの目的は一致しているらしい」
「あ゛? お前、先ずは娘の暴走を止めてから言えよ……!」
「悪いがそれはできそうもない。諦めてくれ。まあ、それはそれとして、どうやら君とボクらの目的は一致しているらしい」
「だっから、なりふり構わず蹴ってくるこいつを…………!」
「どうやら君とボクらの目的は一致しているらしい」
「分かったからッ! ああ、お前とオレの目的は同じだッ! 手を貸すから今すぐこいつを止めろッ!」
「交渉成立だ。ホロウ、流石に幾ら彼女がマゾヒストだとしてもこれ以上はいけない。最悪死に至ってしまう」
「ああ、いいだろう。『悪人』の顔と、吾の溜飲が下がったことに免じて許してやる。むせび泣いて感謝するといい、不審者」
「くっそ…………ッ! マジで…………! こいつら……!」
渋々といった様子で引き下がるホロウはオスマンとビザンツの元へと戻り、もふもふもふもふと毛皮で遊びだした。
その様子に余計に腹を立てたのか、地団駄を踏むラクシュミー。
哀れだとは思わない。
ホロウの琴線に触れた彼女が悪い。
いいや、僅かながらに同情の余地はあるか。
正面戦闘で敗北した己ならばともかく、屈していない相手に弄ばれてりる訳だから。
彼女とは、ラクシュミー=トラウザーラとはそういう人間だ。
人攫いに拉致された友人のために、あわや死地に飛び込もうとしているのだから。
効率や合理的などではない。
ただ情に絆されただけで、彼女は己が命を捨て去ることができるのだ。
協力関係を築くのには充分過ぎる理由だ。
「それで、ラクシュミー。君の友人とは何人なのかい?」
「一人だよ。悪いか? 仲良しこよしの団体とでも思ったのか? あァ?」
「いや、うん。そう凄まないでくれないか。一応謝っておこう」
「はっ、いいよ。薄っぺらい謝罪なんざ苛立つだけだ」
それだけを吐き捨てて土埃を払う姿には、清々しいまでの割り切りがあった。
ラクシュミーには悪いが、【運命識士】にて彼女の経歴については、空白を除いて一通り目を通している。
だからこそ、己には、ラクシュミーが他人と一定の距離を保つ必要に頷けてしまう。
けれども、口に出して気に掛けるような真似はしない。
互いの協力関係に軋轢が生じるからとか利害的な理由ではなく、知り合って数分の人間の同情など彼女に対する侮辱に他ならないから。




