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(297) やられたらやり返す倍返しだ

◇◇◇ ホテル ◇◇◇

時刻は24時。


ここはホテルのスイートルーム。

部屋の灯りがなく、暗闇に包まれている中。


「綺麗ぇ、ずーっと見てられる」


オレ達4人は、窓際に立って

東京の夜景を眺めていたのである。

立ち位置は、嫁、オレ、ノノン、クルミちゃんの順。

暗闇を良いことに、オレは嫁の腰に腕を回し

ベッタリ身を寄せてイチャついていたのだ。

2人きりになれる時間は別にある。

だが、ノノンとクルミちゃんが隣にいる

状況でのスキンシップは興奮する。

気付かれるのか否か。

もうたまらん。


スマホで時刻を確認すると

24時を過ぎていた。

オレは部屋の灯りをつける。


「そろそろ寝ようか」

「えぇ、クルミ眠くな~い」


「オレとノノンは学校があるんだ」

「休んじゃいなよ。

 1日くらい平気でしょ?」


確かに。

どうせ退学するんだ。

1日くらい休んでもいいか。


「そういうこと言うクルミちゃん。

 お姉さん、嫌いだなぁ」


そうだよ。

お兄さんも同意する。

険悪なムードとならぬよう

フォローしとく。


「明日、テストがあって学校休めないんだ。

 分かってくれ。

 白川さんは空いてるから

 2人で出かけるといい」

「我がまま言ってゴメンなさい」


素直で良い子じゃないか。

我がまま言って良いんだよ。

今まで自由じゃなかったんだから。

ただ、嫁の発言は最高裁よりも強いから

今回はガマンだ。


「じゃあ、寝るとしますか」


あれ?

部屋割りどうしよう。


「クルミの部屋はどっち?」


女子部屋はベッドが2人。

オレの部屋はセミダブル。

オレと嫁が同じ部屋とは言いづらい。

女子部屋にエクストラベッドを追加させるか。


「クルミちゃんと私がこっちの部屋。

 瑞樹(みずき)ちゃんと博士はあっちの部屋」


ノノンさん?

よくまぁ恥ずかしげもなく堂々と言えるね。

クルミちゃんの教育によくありません。


「ズッキー姉ぇ、お休み」

「お休みなさい」


あれ?

嫁も受け入れてます?

道徳観バグってるのはオレだけ?

嫁も彼女ら2人にバイバイと手を振って返す。

女子達はサバサバしてんなぁ。


◇◇◇ 寝室 ◇◇◇

時刻は朝6時半。


オレは外の日差しで目を覚ます。

隣には、カワイイ寝顔。

このままチューしたいところだが、

写真だ。写真。

何枚も持っているのに、

この瞬間の写真が欲しくなる。

魔性の女性だ。


頭の上に置いてあるスマホを手に取り、

アプリを起動。

カメラを嫁に向けると。


「何してるの?」


起きてた。


「セクシーショット」

「ダメ!」


嫁は手の平でカメラのレンズを覆う。

その仕草、表情。カワイイ過ぎる。


「昨日の動画も消して!」


そう恥ずかしそうに言われると

従わざるを得ない。


「消しました」


しかし昨夜、動画を

ノノンに見られたのは人生最大の汚点。

上司としての威厳を失ったぞ。


◇◇◇ リビング ◇◇◇

時刻は朝7時。


オレと嫁はテーブルをはさんで対面に座って、

リビングで朝食を食べている。

流石に朝からイチャイチャはできない。

というかノノンに見られたくない。


「ノノンのやつ、そろそろ起きないと

 間に合わないぞ。大丈夫なのか?」

「私、ちょっと様子見て来るね」


そう言って、嫁が立ち上がる。


「7時半、出発だから」

「伝えとくね」


嫁は女子部屋へ向かう。


1人になったオレは、

スマホでPMCからの連絡を確認。

あれからメッセージは届いてない。

ということは、詐欺師は都内に

入って来てないことを意味する。


彼女には3000万円

騙し取られた経験がある。


やられたらやり返す倍返しだ。


そんな思いで再度接触を挑み、

彼女から1億円騙し取ることに

成功できたのは鮮明に覚えてる。


再会したい思いが強いが、

彼女もまたオレに

会いたがっているに違いない。


ボスの金を使って支払ってしまった。

結果、彼女は組織に追われ

地方へ逃亡したのである。

それがどうだろう?

のうのうと都内で活動を

再開しているではないか。

組織の連中に見つかったら殺されるぞ。


そんな過去を思い返していたら

嫁が女子部屋から戻って来る。


「2人ともギリギリまで寝てるって」

「朝メシ食わない気か?」

「車の中で食べるらしいよ」


あっそうですか。

嫁はオレの隣へと座り寄りかかる。

なんて気持ちのいい朝だろうか。

ノノン、起きなくて正解。


◇◇◇ 車中 ◇◇◇

時刻は朝7時45分


オレら4人は現在車で移動中。

学校に向かっている。


途中コンビニ寄ってノノンと

クルミちゃんは朝食を購入。

車内でモグモグしてる。


「ハルキ、お昼はどうするの?」

「ハイハイ、クルミが作る!」


気軽に言うけど、嫁が大変なんだよ。

分かっている?


「お昼作るなら食べずに

 帰ってくるけど」

「私も」


オレの返答にノノンも同意する。


「決定だね。クルミが作るから」


ハイハイ。

ということで、

今日も嫁の手作りが食べられる。

ちょっと嬉しいかも。


ということで、いつものように

学校の近くで下車し、

ノノンと仲良く登校するのであった。



★白川さんのイラスト(AI生成)

 こんな大胆な服装で外出してくれる彼女が欲しい。筆者の願望です。

挿絵(By みてみん)

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