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(284) テスト2日目

◇◇◇ 教室 ◇◇◇

時刻は10時20分


♪カリカリカリ


現在、数学のテスト中。

数学はオレの得意分野。

全て回答済みで、計算ミスしてないか

チェックしているところ。


正直、この世界の数学など、

オレにとっては簡単すぎる。


>>右手、どかして!


うぁ!

幽霊ノノンが突然現れた。


ノノンが解答用紙を覗き込んでやがる。

こいつ、どさくさにまぎれて

カンニングしようとしてる。


ノノンの本体を見ると

問題を見てる風だが、

ペンを持った手が止まり

微動だにしてない。

オイオイ、大丈夫なのかよ。


♪ううん


先生の咳払い。

そして、教壇にいる先生と目が合う。

イヤイヤイヤ。

カンニングしてませんから。


>>博士、見えない


くっそ。

ノノンのせいで疑われたじゃねぇか。

オレは解答用紙を裏返す。


>>えぇ


先生に疑われたお仕置きです。


『こんな簡単な問題も解けないのか?』

と問題用紙の裏面に書き込むと


>>文章の意味が分からないんですぅ。


読解力の問題だった。

しょうがない。

解答用紙を表に戻す。


>>あぁ、そういう意味


どうやら最後の問題が

理解できなかったらしい。


>>博士、最初の問題、計算間違いしてますよ


え!

確認すると、確かに単純ミスしてる。

助かった。

って100点目指してませんから。


この宇宙が無くなるかもというのに、

テストなんか受けてる場合か。

なにをしてるんだオレは。


◇◇◇ 廊下 ◇◇◇

時刻は13時半。


2日目のテストが終了。

ホームルームが終わると

オレは一番に教室を飛び出し

廊下でノノンが出てくるのを待つ。

隣の鬼軍曹が怖いんでね。


できるだけ人と目を合わせないよう

にしてるが、オレの前を通り過ぎる

生徒たちの視線を感じる。

登校したときもそうだ。

白川さんの彼氏というので

有名人になったからだろう。

たぶん。


「お前らジロジロ見てるんじゃねぇ!」


カイの登場である。

動物園の見せ物となっていたオレを

カイが蹴散らしてくれた。

ウザイ奴だが、こういう時には頼りになる。


「ハル!午後暇だろ?

 カラオケ行こうぜ」

「無理」


歌嫌い。面倒臭い。


「あれか。彼女とイチャイチャか。

 あんな美人と。くっそ!

 ふざけんな。世の中、不公平だ」


ウザイ。


「博士、お待たせ」


ノノン、レン、堀北さんの3人が揃って

オレのところに来てくれた。


「お昼、みんなで食べ行きません?」

「賛成」


ノノンの提案にカイが即答する。

1人になると嫁のことを思い出す。

気を紛らわすには、食べ行くのもありだな。


「わたしは、自宅に用意して

 あるから帰ります」


堀北さん来ないのかぁ。

残念。


「マックでも行こうか?

 500円券まだ余ってるから、どう?」

「大賛成!」


カイには聞いてない。

ノノンもレンも了承してくれた。


「では決定ってことで。

 他のメンバーにも声を掛けとくよ」

「超腹減った。みんな出発するぞ!」

カイよ、仕切るな。


ということで、マックに向かいながら

金沢さん、篠崎さん、鈴木くんに

Lineしたのである。


◇◇◇ マック ◇◇◇

時刻は14時。


「観客全員で合唱したのは

 感動だったよな」


コンサートネタで盛り上がってる。

散々、しゃべり尽くしただろうに。

まぁ、わからんでもない。

それだけ感動的だったもんな。


「ノノンちゃん、初日はどうだった?」

「同じ曲だよ。

 最後、みんなで歌ったよ」


しかし、野郎が多いとむさ苦しい。

ここに居るメンバーは、オレ、ノノン、

カイ、レン、鈴木の4人。

男子だらけ。


金沢さんと篠崎さんは明日も

テストだからと帰宅してしまった。

まぁ、誘う前から来ないのは見えてたけど。


「ライブハウスでやるの?」

「いい」

「行きたい行きたい」


アイミーの話題となり、

鈴木がライブすることを発表したのである。

それ言っちゃう?

まぁ、隠してないからいいか。


プラス3曲くらい作ってライブする旨を

オレはみんなに伝える。


「学祭のときのように、

 みんなにも手伝ってほしい」

「任せろ」


協力を求めたら全員承諾してくれた。

別に手伝ってもらわなくても

どうとでもなる。

ただ、楽しかった学祭を

もう一度みんなで作りたいと思った。

おそらく、みんなも同じ気持ちに違いない。


「スタジオ、オレが抑えるよ。

 練習するとき言って」


カイが率先して担当を名乗り出る。


「それエミリンに会いたいだけだろ?」

「分かる?」


レンがツッコミ入れるが、

カイも半分は本気なのだろう。

だって、あのコンサートを見せられたら

誰だってじっとしてられない。


「ハル、彼女ここに連れて来いよ。

 可哀そうに。

 家で1人、食べてんじゃねぇの?」


カイはいちいちウザイ。

嫁の事を忘れようと、

ここに来たのに思い出させるな。


瑞葵(みずき)ちゃん、家にいないよ。

 出て行っちゃった」


おい、ノノン!

余計なこと言うな。


「そうなの?」


全員がオレに注目する。


「どうした?振られたのか?」


カイがニヤつく。

そんなに嬉しいのかよ。


「海外旅行に行っただけだろ。

 誤解を招くようなこと言うな」


ノノン、察しろ!

オレはノノンへ、

話に合わせろとアイコンタクトする。


「海外か、いいなぁ。

 どこに行ってるの?アメリカ?」

「別にどこでもいいだろ」


カイの質問に半ギレで回答したところ。

何かを察したのか、それ以上、

誰も嫁の話題には触れなかった。


嫁のことは、居なくなったことを伏せ

海外旅行に行っている事にしておこう。

1週間、隠し通せればいい。

来週、部活メンバーにお別れをして

退学すればいい。


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