表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
OH MY GOD!  作者: 香椎
大森林布教編
13/18

モルガナの杖奪還

エリスは白虎を連れて噴水に朝食の食器を洗いに行っている。

神殿の中には俺と寝ている蝙蝠のノエルだけだ。


時間の出来た今の内に恒例のガチャタイム。

今日は何か良いものが出る予感がする。

なんといっても朝から良いことがあったからね。

ーースキル【ガチャ】を選択。

頭の中に軽快なドラムロールが流れると地面に魔法陣が現れ黄色に光り魔法陣全体を覆った。

黄色の発光が終わると……、魔法陣の上に蜂の巣がある。


それはハニカム構造でできた12個の穴の空いた蜂の巣で蜜柑くらいの大きさだ。

恐る恐る手を近づけると、巣の中から蜂が次々現れ飛び立ち空へと舞う。

その数は全部で12匹。

見た目は殆ど蜜蜂と変わらず、一匹を除いて大きさは20cm程度だ。

その一匹は体長30cmあって他の蜂と違って体の色が真っ赤である。


「え〜と、ステイタスオン」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

アイテム名 アピスの巣

ランク R

説明 アピスの寝床で蜂蜜を貯める倉庫

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<ステイタス>

ランク R

アピス(リーダー) 雌

種族 魔獣

名前


Lv 1

HP 100/100

MP 50/50

状態 健康

<スキル>

・【統制】

・【採蜜】

・【針矢】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

<ステイタス>

ランク R

アピス 雄

種族 魔獣

名前


Lv 1

HP 80/80

MP 30/30

状態 健康

<スキル>

・【採蜜】

・【針矢】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


このアイテムは『アピスの巣』と言うのか。

それでこの蜂がアピスと言うらしい。

真っ赤な身体の蜂がリーダーで、その他の11匹が子分みたいだ。

スキルは【採蜜】と【針矢】、そしてリーダーだけ【統制】がある。

【採蜜】は蜜を取り、【針矢】は蜂の武器である針を矢のように射るスキルとみた。

【統制】は11匹の蜂を動かすリーダースキルなんだろう。


さて、いつも通り名前はない。

アピスリーダーはアピリ。

その他はアピ1からアピ11と名付けた。

今日の楽しみも終わったので、エリス達が戻ってきたらゴブリンの集落に行こうと思う。




ここはゴブリンの集落前の森の中。

木々の間に茂っている背の高い草の間から集落の入り口を観察している。

昨日と違うのは門番がフォーマンセルで警戒している。

集落の中は武装したゴブリンが闊歩し物々しい雰囲気に包まれている。


「昨日より敵が多いね」


「すいません、無理なお願いをしてしまって」

エリスさんは恐縮した顔を近づけて小声で話す。


ーー近い、近すぎますよ、エリスさん!


この人は俺の対人距離など気にせず、どんどん接近してくる。

綺麗な女性と接近できるのは嬉しい限りだが、チェリーボーイな俺には刺激が強すぎる。


「あれくらい大丈夫ですよ。エリスさんも準備はいいですか?」


森の探索中にエリスさんが風と水属性の魔法が得意だと言っていたので、戦闘に参加してもらうことにした。


「はい!任せてくだ……」


ーー大きい大きい!声が大きい!

エリスの口を塞いでゴブリンの集落を見る。

運の良いことに敵に気づかれていない。


「エリスさん気をつけてください」

小声で注意するとエリスさんはコクコク頷いた。


ビスとアピリに指示を出すと、ビスは森に消えアピリとアピ11匹は空高く飛んで行った。


「じゃあ、やろう!」


エリスさんは頷くと詠唱を始めた。

詠唱は直ぐに終わりそして門番のゴブリン目掛け言い放つ。


「【水牢】(ウォータージェイル)!」

ゴブリンの足元から現れた棺桶が2匹のゴブリンを閉じ込めた。

棺桶は全て水で構成され、閉じ込められたゴブリンは酸素を求め外へ出ようと必死にもがいている。


【水牢】を免れたゴブリン達は仲間を助けようと手に持った槍で棺桶を刺すが歯が立たない。

仲間を助けることに必死で無防備になったゴブリンに俺は急接近し次々と門番に爪を刺し倒す。


ーーやっぱり敵を倒すのは奇襲に限る!


【水牢】の中に目を移すと、ゴブリンは棺桶の中で力なく浮いている。

ゴブリンは鬼のような形相で首に両手を当て息絶えていた。


エリスさんが一生懸命に走ってきて、俺の後ろに着く。


「中に入りますよ」


「はい!」


ーー近い、いつも顔が近いんですよ!

エリスさんは変わらず俺の堅固なパーソナルスペースを容易に破って俺の顔に接近する。


別の意味で心拍数の上がった心を落ち着かせ、

俺は門を抜けると近くにいるゴブリンに詰め寄り鋭利な爪で次々と倒していく。


離れたゴブリンにはエリスさんが魔法で倒し、近づいて来る敵にはビスの【粘糸】(スパイダーウェブ)で絡め、アピス達の【針矢】(ニードルアロー)で牽制したりと、上手に連携を取って俺たちはゴブリンを倒していく。


10分もしないうちに集落の中はゴブリンの死体で埋まり静寂に包まれた。


ーーあれ?エリスさんの姿が見えない。


「レイさ〜ん杖を見つけましたよ〜!」

壁も扉も無い荒屋からお目当ての杖を両手で持って現れた。

エリスさんは喜びを身体全体で表す人らしく杖を抱え飛び跳ねている。


ーーそういうところも可愛らしい。


『ドスンッ』

不意に彼女の背後に着地する影。


「エリスさん後ろに敵です!逃げてください‼︎」


それは昨日見た一回り大きいゴブリン。


「ギョオォォォ」


ゴブリンは右手に両刃の直剣を持って、それを豪快に振り回し彼女を襲う。

エリスさんは反応が鈍いのか、敵を視認するためなのかゴブリンの方を振り返る。

振り回した剣が彼女の身体を横薙ぎにした。


『キィーーーーン』


甲高い金属音が響き、エリスさんの身体が浮いて荒屋の中に飛んでいく。


「エリスさん!」

彼女の飛んでいく姿をただ叫んで見送ることしかできなかった。


「この野郎……、ぶっ殺す!」


頭に血が登った俺は高速で駆けゴブリンに迫る。

ゴブリンは剣を縦に振り下ろし急接近する俺を迎え撃つ。

剣の軌道を見切った俺は軽いステップで横に避け、その勢いを使い敵目掛け跳躍。

空中で腰を回転させ鞭のようにしならせた脚をゴブリンの首を刈りとるように喰らわせた。


『ボキリッ』


漫画みたいな効果音が響くと同時にゴブリンは吹っ飛んで草地に転がる。

そして追い討ちとばかりにゴブリンの上に跨り敵の胸を爪で数回突いた。

ゴブリンは長い舌をだらしなく出し首は明後日の方向を向き、胸から大量の血を噴水のように出しながら生き絶えた。


ゴブリンから剣と鞘を剥ぎ取り背負うとエリスさんのところへ向かう。


荒屋の中には杖を握りしめて壁に寄りかかるように倒れている彼女がいた。


「エリスさん大丈夫ですか?返事をしてください!」

彼女を抱き起こすと息をしているのがわかった。


「生きてた……。よかったぁ」

安堵のため息が口から自然と出た。

彼女の身体を確認したけど外傷は見当たらない。ただ、金属製の杖の柄には一文字の傷が付いている。


ーー運良く杖に剣がヒットしたらしい。


「早く立ち去った方がいいだろうな。敵の援軍が来るかもしれないし」


彼女を抱え荒屋を出て集落の出入口である門へ向かう。

アピリとその小隊、そしてビスが俺に寄って来る。


「アピリ達は巣に戻っていいよ。ご苦労様!

ビスは周囲を警戒しながら付いてきて」


アピリは腰につけている巣に各自入室し、ビスは俺の足元に待機した。


そういえば、アピリとビスの頭に『!』マークが付いていた。レベルアップしたのだろう。


ーー神殿に戻ったらステイタスを確認しよう。


一仕事やりきった俺は意気揚々とゴブリンの集落の門を潜って森に向かおうと足を一歩踏み出す。


『トストストス』と地面から乾いた音がなる。

草地には行く手を阻むように矢が鋭角に刺さっている。


「そこの獣人止まれ。その腕に抱いているエリス様を返してもらおう!」


怒気の篭った男性の声で警告され声のする方に顔向けると、戦意剥き出しのエルフたちがいた。


「エリス様をゆっくり降ろせ。降ろしたら後に下がるんだ!」

剣を持ったエルフが指示を出す。


エルフの数は10人で誰も彼も美形で眩しすぎる。

そんな容姿端麗なエルフたちは弓を引き、剣を構え、杖を向けてこちらを睨んでいる。


エルフに言われた通りゆっくりエリスさんを草地に降ろすと後退し両手を挙げ投降の意思を示す。

両手を上げてから思ったが、この世界で両手をあげる行為の意味が通じるのか不安になったが、エルフが弓を下げたのをみると十分通じたようだ。


剣を構えている4人が慎重に近づいてきて、その内の1人が俺の両手を後ろに持っていくと縄できつく縛り、頭に袋を被せた。


エルフの声が数度聞こえた後、身体が暖かくなり瞼が重くなる。

俺は睡魔の強襲に敗れ意識を失った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ